格安SIMの機種変更方法|iPhone/Androidのデータ移行手順・初期設定(APN設定)のやり方
格安SIMで機種変更する際には、データの移行など自分でしなければならない作業がいくつかあります。この記事では、格安SIMで機種変更する方法をわかりやすく解説しています。注意点もあわせて解説しているので、スムーズな機種変更を実現させましょう。
この記事の目次
大手キャリアの場合、店舗で機種変更の手続きをすればデータの移行といった面倒な作業はスタッフが担ってくれます。
一方、格安SIM・格安スマホで機種変更する場合、APN設定(構成プロファイルのインストール)などを自分で行わなければなりません。
この記事では、格安SIMで機種変更する方法や注意点などを解説します。機種変更をご検討中の方はぜひご一読ください。
格安SIM・格安スマホで機種変更する方法
利用中の格安SIMで機種変更する場合、必ずしもその会社で販売されている端末を購入しなければならないわけではありません。
端末の購入方法はいくつかあるため、自分にとって都合のよい手段を選んで機種変更するとよいでしょう。ここでは、格安SIMで機種変更する方法を紹介していきます。
現在利用中の格安SIMで端末を購入する
大手キャリアで販売されている端末のラインナップは豊富ですが、格安SIMでは数に限りがあるのがデメリットです。
最新機種やスペックといった端末にこだわりがない場合は、現在利用中の格安SIMで端末を購入して機種変更するとよいでしょう。
他社で購入する端末の場合、回線が異なればSIMロックの解除が必要です。しかし、利用中の格安SIMで購入する場合は、そのような心配がないので安心です。
SIMフリー端末を購入する
現在利用中の格安SIMで希望する端末が販売されていない場合、機種変更する際にメーカーや家電量販店などでSIMフリー端末を購入するのも1つの手段です。
大手キャリアで販売されている端末には、他社のSIMカードが使えないようにあらかじめロックがかけられています。
そのため、ロックを解除する手続きを踏まなければ、他社のSIMカードが使えません。一方で、大手キャリア以外で販売されている端末はロックがかけられていません。SIMにロックがかけられていない端末をSIMフリー端末と呼びます。
しかし、国内では電波法に基づいた技適マークという認証マークがついている端末でなければ使えません。とくに海外製の端末には技適マークがついていない可能性が高いため、きちんと確認してから購入するようにしましょう。
中古端末を購入して使用する
格安SIMで機種変更する際には、オンラインショップで販売されている中古端末を購入するのも選択肢の1つです。
しかし、中古端末はバッテリー持ちが悪かったり端末補償に入れなかったりする可能性があるので、注意しなければなりません。
オンラインショップで中古端末を購入するなら、安く購入できるだけでなく不要になった端末を高く買い取ってもらえる「イオシス」がおすすめです。
iPhoneやAndroidといったスマホだけでなく、各種タブレット端末やガラケーまで幅広い商品が販売されているため、選択肢も豊富です。
メルカリなどのフリマアプリで購入する場合はトラブルに注意
中古端末はフリマサイトのメルカリにも数多く出品されていますが、購入後にトラブルが発生するリスクがあるので注意しましょう。
たとえば、ネットワーク利用制限中の場合やアクティベーションロックがかかっている場合があります。ネットワーク利用制限は、分割払いの端末代を完済していないことが原因です。
このようなトラブルを防ぐために、メルカリでは独自の安心サポートを提供しています。
データの削除や初期化といった手続きを代行だけでなく再流通の可否を判断してくれるため、メルカリを利用する際には安心サポート表示がある端末を購入しましょう。
iPhone/Androidのデータバックアップ方法
格安SIMで機種変更する際には、あらかじめデータのバックアップを取っておく必要があります。
はじめての場合「自分にバックアップができるのか」と不安を感じていることでしょう。
ここでは、機種変更前に必要なデータのバックアップ方法を紹介していきます。OSによって手順が異なるため、まずは端末のOSを確認しておきましょう。
iPhoneのバックアップ方法
国内でも人気の高いiPhoneの場合、Apple社独自のクラウドサービスであるiCloudやパソコンを利用してバックアップできます。
【iCloudでのバックアップ方法】
- 機種変更前のiPhoneをWi-Fiに接続
- 「設定」から「ユーザ名」に進む
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloud バックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップ完了
正常にバックアップを取るために、完了するまではWi-Fiの接続を切らないように注意しましょう。
【パソコンでのバックアップ方法】
- 機種変更前のiPhoneをパソコンに接続
- iTunesを開く
- メッセージが表示された場合、案内にそって進む
- バックアップを取るiPhoneを選ぶ
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップ完了
macOS Catalina 10.15搭載のMacの場合、iTunesではなくFinderでバックアップを取りましょう。
Androidのバックアップ方法
iCloudやパソコンを利用するiPhoneと異なり、Androidの場合は3種類からバックアップ方法が選べます。
- Googleアカウント
- SDカード
- バックアップアプリ
【Googleアカウントを利用してバックアップを取る方法】
- 機種変更前のAndroidを準備
- 「設定」を開く
- 「アカウント」をタップ
- 一覧から同期したいサービスを入れる
- バックアップ完了
このバックアップ方法はGoogleアカウントをすでに取得しており、GmailやGoogle Playといった独自のアプリを使っている人に便利です。
格安スマホ購入後の初期設定手順|APN設定・構成プロファイル
利用中の格安SIMや家電量販店などで端末を購入後は、きちんと使えるようにするための設定が必要です。ここでは、端末購入後に必要な設定方法を紹介していきます。
購入したスマホの設定手順
新たに購入した端末を設定する前に、設定の準備をしておきましょう。
- 元の端末の電源をオフにし、SIMカードを抜く
- 新たな端末にSIMカードを入れ、電源をオン
- データを移行する
- APN設定を行う
まずは、機種変更前の端末から新たな端末にSIMカードを挿しかえます。そして、バックアップしておいたデータを新たな端末に移行させ、APN設定に移りましょう。
APN設定は端末のOSによって異なるため、新たな端末のOSに応じた手順で進めていきます。
【iPhoneのAPN設定方法】
- Wi-Fiに接続
- 取扱説明書に記載されているURLにアクセス
- APN構成プロファイルをダウンロード
- 画面の指示に従って設定
APN設定後は、インターネット通信が正常にできるかチェックしましょう。
【AndroidのAPN設定方法】
- 「設定」を開く
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「アクセスポイント名」をタップ
- 該当する通信サービス名を選ぶ
新しいスマホへのデータ移行方法
データの移行は、機種変更前後のOSによって異なります。そのため、機種変更前の端末と新たに購入した端末のOSを確認した上で、データの移行を進めていきましょう。
iPhoneからiPhoneへ移行する方法
機種変更前の端末と新たに購入した端末がiPhoneの場合、iOS12.4以降なら端末同士を直接かざすだけの「クイックスタート」と呼ばれる方法でデータ移行できます。
【iOS12.4以降のデータ移行方法】
- 旧端末のWi-FiとBluetoothをオン
- 新端末の近くに置く
- 新端末の画面に「こんにちは」と表示
- 画面を上にスワイプ
- 旧端末の画面に「新しいiPhoneを設定」と表示
- Apple IDを確認し「続ける」をタップ
- 新端末の画面に「ほかのiPhoneを待機中」と表示
- 続けて青いアニメーションが表示
- 旧端末の円に新端末のアニメーションが収まるようにかざす
- 新端末に旧端末のパスコードを入力
- Face IDの設定をする
- 新端末の画面に「データを転送」と表示
- 続けて「iPhoneから転送」をタップ
- 「同意する」をタップ
- 新端末の指示に従って設定
- 旧端末に「転送が完了しました」画面が表示される
【iOS12.4より前のデータ移行方法】
iOS12.4より前のiPhoneの場合、バックアップと同様にiCloudやパソコンを利用してデータを移行させます。
- 新端末の電源をオン
- 新端末の画面に「こんにちは」と表示
- 画面の案内に従って操作
- 新端末の画面に「Appとデータ」と表示
- 「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDを入力してiCloudにサインイン
- あらかじめ取っておいたバックアップを選ぶ
iPhoneからAndroidへ移行する方法
機種変更前の端末がiPhoneでAndroidに移行する場合、3種類の方法から選べます。
- Gooleアカウント
- iCloud
- アプリ
このうち、Googleアカウントを利用してデータを移行する手順は次の通りです。
【iPhone側の作業】
- iPhoneの「設定」をタップ
- 「アカウントとパスワード」を選ぶ
- 同期予定のGoogleアカウントを選ぶ
- Googleのメールアドレスとパスワードを入力
- 同期したいデータを選ぶ
同期予定のGoogleアカウントが表示されない場合は、「アカウントを追加」を選んで必要情報を入力します。
【Android側の作業】
- Androidの「設定」をタップ
- 「アカウント」を選ぶ
- Googleアカウントを選ぶ
- 電話番号、またはメールアドレスを入力
- 「同意」をタップ
- 支払い情報はスキップ
- Googleのアカウントをタップ
- 同期したいデータを選ぶ
AndroidからiPhoneへ移行する方法
機種変更前の端末がAndroidでiPhoneに移行する場合、2種類の方法から選べます。
- パソコン
- MovetoiOS
このうち、パソコンを利用してデータを移行する手順は次の通りです。
【Android側の作業】
- Androidとパソコンを接続
- アクセス可否の表示で「許可」をタップ
- パソコンで移行したいデータを選んで保存
【iPhone側の作業】
- パソコンでiTunesを起動
- 「編集」から「環境設定」に進む
- 「デバイス」の「iPod、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない」に
- iPhoneとパソコンを接続
- 移行したいデータを選ぶ
- 「適用」をクリック
AndroidからAndroidへ移行する方法
機種変更前後の端末がAndroidの場合、バックアップと同様に3種類の方法から選べます。
- Googleアカウント
- SDカード
- データアプリ
このうち、Googleアカウントを利用して移行する方法は次の通りです。
【旧端末側】
- 旧端末で「設定」を開く
- 「アカウント」をタップ
- Googleアカウントを選ぶ
- 「アカウントを同期」をタップ
- 同期したいデータを選ぶ
- 「今すぐ同期」をタップ
【新端末側】
- 新端末の電源をオン
- 画面の案内に従って作業を進める
- Googleアカウントにログイン
格安SIM・格安スマホの機種変更時の注意点
格安SIMの機種変更は自分でしなければならない作業が多いため、面倒だと感じる人も多いのではないでしょうか。
端末のOSを確認し、手順通りに進めていけばきちんと機種変更できます。しかし、格安SIMで機種変更する際には、次のような点に注意しましょう。
SIMカードのサイズを確認する
端末に挿れるSIMカードには、サイズの異なる3つの種類があります。
- 標準SIM
- microSIM
- nanoSIM
端末によってそれぞれ種類が異なるため、購入するときにはサイズをきちんと確認するようにしましょう。
また、機種変更前後の端末にSIMカードを挿入する際には、向きを間違わないように注意する必要があります。
異なる向きで挿れてしまった場合、静電気や衝撃によって保存したデータが消える可能性があるため、SIMカードは丁寧に取り扱うようにしましょう。
新しい端末が契約回線に対応しているか確認する
大手キャリアで購入した端末を格安SIMで使う場合、異なる回線であればSIMロックの解除が必要です。
たとえば、ソフトバンクでSIMロックがかかった端末を購入した場合、au回線にしか対応していないUQモバイルではSIMロックを解除しなければ使えません。
そのため、新たに購入した端末が契約回線に対応しているかをあらかじめ確認しておくことが大切です。格安SIMの公式サイトでは動作確認端末を公開しているため、チェックしてみましょう。
LINEやゲームアプリなどは事前に引き継ぎの設定が必要
機種変更前の端末でLINEや各種ゲームアプリを利用していた場合、端末のバックアップだけでは引き続きできないので注意しましょう。
データは端末やSDカードに記録されているため、データが初期化されてしまう心配はありませんが、機種変更前の端末で個別にアカウントの引き継ぎや設定が必要です。
【LINEの引き継ぎ設定】
- LINEを開く
- 設定画面を開く
- 「アカウント」を開く
- 電話番号とメールアドレス、パスワードを設定
- 設定画面から「アカウントの引き継ぎ」を開く
- 「アカウントを引き継ぐ」をオン
設定後、36時間以内に新端末で引き継ぎ設定を行いましょう。
データ移行するときはWi-Fiのある環境で行う
バックアップやデータ移行するときには、Wi-Fi環境に接続することをおすすめします。なぜなら、これらの作業は通信量が多くなるため、安定した環境でないと正常に作業できない可能性があるからです。
また、通信量が多くなることから、契約中のプランで決められたデータ通信量を消費しやすいので注意しましょう。
自宅にWi-Fi環境がない場合は、駅やカフェといった施設の無料Wi-Fiを利用するのも手段の1つです。
端末代は一括と分割では総支払額が違う場合がある
格安SIMで端末を購入する場合、支払い方法を一括と分割のいずれかを選べる仕組みとなっています。一括払いなら初期費用がかかるものの、毎月のスマホ代を軽減できます。
一方で分割払いの初期費用は手数料程度で済みますが、月額料金に上乗せされるため、毎月のスマホ代が高く感じることでしょう。
どちらもメリットとデメリットがありますが、支払総額でみると分割払いよりも一括払いの方が安く済む場合があります。
そのため、初期費用や毎月のスマホ代も考慮しつつ支払総額にも着目し、端末を購入するようにしましょう。
高スペックを求めないなら格安SIMの端末セットがおすすめ
従来とは異なり、必ずしも利用中の携帯電話会社で端末を購入しなければならないわけではありません。
オンラインショップや家電量販店といったさまざまな場所で端末を購入できるため、ユーザーの選択肢は広いといえるでしょう。
機種変更にともなう手続きを面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、営業時間に限りがある店舗に足を運ばなくてよいことはメリットの1つです。
しかし、SIMロックがかかった端末や中古端末の場合、購入後に使えないといった事態が発生するリスクがあります。
そのため、最新機種や高スペックといった端末にこだわりがない場合は、回線の相違やネットワーク利用制限を気にしなくてよいので利用中の格安SIMでの購入をおすすめします。