WiFi Direct(ダイレクト)とは?使い方・接続方法・対応機器とメリット紹介

無線LANを介さずにパソコンやスマートフォンとプリンターやテレビなどの機器同士を接続できる「Wi-Fi Direct」について解説します。Wi-Fi Directの概要からできること、Bluetoothとの違い、設定方法などについて取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
WiFiはインターネットを利用する際に使用するものですが、これと似たものにWiFi Directと呼ばれるものがあります。
この記事では、WiFi Directについてその概要から、どのようなことができるのか、さらに設定方法などについて解説します。
WiFi Direct(ダイレクト)とは?
WiFi Directがどのようなものなのか、その概要から確認していきましょう。
WiFi ダイレクトとは
WiFiダイレクトは無線LANを活用した通信方式の1つです。WiFi Alliance(ワイファイ アライアンス)という業界団体によって定められ、2010年10月から認証プログラムが開始されています。
WiFiダイレクトを利用することで無線LANを介することなく、パソコンやスマートフォンなど端末を無線でダイレクトにつなぐことができます。つまり、親機を介さずに子機同士で直接通信できるということです。
WiFiダイレクトは、スマートフォンやパソコンといった機器のほか、テレビやプリンター、デジカメなども対応しています。ただし、WiFiダイレクトには一目見ただけで「これはWiFiダイレクト対応商品だ」とわかるようなロゴが用意されていません。
そのため、WiFiダイレクト対応のテレビやプリンターが欲しい時はメーカーや販売店の担当者に確認するようにしましょう。
WiFiやBluetoothとの違い
WiFiダイレクトのように機器同士をつなぐ規格にBluetoothがあります。このBluetoothとWiFiダイレクトは一見すると同じように見えますが、いくつかの点で違いがあります。
例えば、Bluetoothを使用する場合、接続する機器同士がどちらもBluetooth対応の機器でなければいけません。しかし、WiFiダイレクトは片方の機器がWiFiダイレクトはに対応していれば使用できます。
また、通信規格も両者では異なります。WiFiダイレクトの場合「IEEE802.11」と呼ばれる規格を使用しており、これはWiFiと同じものです。
WiFiダイレクトの場合、中距離から長距離間での通信が行え、50~100mくらいまでは通信可能です。さらに通信速度の速さも特徴で、大容量の通信であっても十分に対応可能です。
一方のBluetoothの場合、「IEEE 802.15.1」と呼ばれる規格を使用しています。BluetoothはWiFiダイレクトに比べると通信距離が短く、だいたい10m程度の通信が可能です。
スマートフォンをBluetoothイヤホンと接続したり、タブレットとペンを接続したりするなど近距離間での通信に使用します。また、データ通信も小容量のものを想定しているため、WiFiダイレクトのような大容量通信を行うのは難しいと言えます。
▼「そもそもWiFiとは?」という疑問について以下記事をご一読ください。
WiFi ダイレクトの使い方・設定方法
実際にWiFiダイレクトの設定方法や使い方などについて解説します。、Android、Windows、Macと各デバイスごとの設定方法を取り上げているので参考にしてみてください。
iPhoneの設定方法
での設定
- WiFiダイレクトに対応している機器でSSIDおよびパスワード(暗号キー)を表示させる
- の「設定」を開き「WiFi」からSSIDを表示させ、当該SSIDを選択する
- SSIDを選択するとパスワードの入力を求められるのでパスワードを入力する
- 「接続」を選択し接続完了
普段WiFiを利用している人であれば、基本的な使い方は同じだと理解できるはずです。事前にWiFiダイレクトのSSIDとパスワードの確認だけ忘れないようにしましょう。
Androidの設定方法
Androidでの設定
- WiFiダイレクトに対応している機器でSSIDおよびパスワード(暗号キー)を表示させる
- Androidの「設定」を開き「接続」→「WiFi」からSSIDを表示させ、当該SSIDを選択する
- SSIDを選択するとパスワードの入力を求められるのでパスワードを入力する
- 「接続」を選択し接続完了
基本的にはと手順は同じです。こちらも特に難しくはないので安心してください。
Windowsの設定方法
Windowsのパソコンでの設定
- WiFiダイレクトに対応している機器でSSIDおよびパスワード(暗号キー)を表示させる
- タスクバーからSSIDの一覧を表示し、当該機器のSSIDを選択する
- SSIDを選択するとパスワードの入力を求められるのでパスワードを入力する
- 「次へ」を選択し接続完了
パソコンの場合も、スマートフォンと同じで設定自体はとても簡単に行えます。
Macの設定方法
Macのパソコンでの設定
- WiFiダイレクトに対応している機器でSSIDおよびパスワード(暗号キー)を表示させる
- Appleメニューから「システム環境設定」を開き「ネットワーク」を選択
- ネットワーク名のリストの中から当該機器のSSIDを選択する
- SSIDを選択するとパスワードの入力を求められるのでパスワードを入力する
- 「接続」を選択し接続完了
以上がWiFiダイレクトの接続方法です。実際に接続する際の参考にしてください。
デジカメの操作には専用アプリ
一部のデジカメでは、WiFiダイレクトで接続し、専用アプリによって遠隔操作が可能となるものがあります。
メーカーや機種によって操作方法や対応するアプリは異なりますが、基本的な設定方法はその他の機器とそれほど変わりありません。
- 使用しているデジカメに対応したアプリをダウンロードし、使用可能な状態にしておく
- デジカメ側でWiFiダイレクトの設定を行い、接続するSSIDを表示させる
- スマホの設定画面からWiFiの項目を選択し、デジカメに表示されたSSIDに接続
WiFi ダイレクトのメリット
WiFiダイレクトにはいくつかのメリットがあります。続いては具体的なメリットについて解説します。
WiFiルーターなしで使える
WiFiダイレクトは無線LANなどを介さずに機器同士を直接つなぐことができるのが特徴です。そのため、WiFiルーターのようなアクセスポイントとなる機器がなくても使用できます。
WiFiルーターを購入しなくていいので、出費も抑えられます。
接続が簡単でありながらセキュリティ面も安心
WiFiダイレクトは、WiFiに接続するのと同じようにとても簡単に接続できます。事前に準備しなければいけないものはなく、初めて接続するという人でもあっという間にできるでしょう。
一度接続すれば、二度目以降は自動的に接続される機器が多いため、ちょっとした手間がかかるのは最初だけです。また、接続にはパスワードが必要となるため、セキュリティ面でも安心して利用できるのも大きなポイントだと言えます。
通信速度が速い
WiFiダイレクトは「IEEE802.11」という規格を使用しており、通信速度が速いのが特徴です。そのため、写真や動画といった比較的容量の大きなデータも容易に扱えます。
大手コンビニのプリンターでも対応
自宅にある機器でWiFiダイレクトが使えるだけではなく、コンビニのプリンターなど外出先でもこの機能を利用する機会はあります。
セブンイレブンやローソン、ファミリーマートなど大手のコンビニのプリンターはWiFiダイレクトに対応している場合が多く、スマホから直接ファイルを送信してプリントアウトできます。
コンビニによって送信可能なファイルサイズは違うため、事前に何が対応しているのかはチェックしておきましょう。また、対応しているファイル形式が異なることもあるため、これも確認が必要です。
WiFi ダイレクトのデメリット
WiFiダイレクトにはメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。続いては、WiFiダイレクトのデメリットについて解説します。
インターネット接続には対応していない
WiFiダイレクトはあくまでも機器と機器をつなぎ、写真や動画といったデータのやり取りを行うためのものです。
WiFiダイレクトに接続したからといってインターネットに接続できるわけではないので注意してください。インターネットに接続する場合は、WiFiやスマートフォンなどのデザリングが必要です。
すでにWiFiルーターで機器を繋いでいるなら不要
WiFiダイレクトは、WiFiルーターを持っていなくても機器同士を接続できるのが大きな強みの1つです。しかし、すでに使用している機器をWiFiルーターを介して接続しているのであれば、特にWiFiダイレクトを使用する必要はありません。
WiFiダイレクトを使用するのは、テレビやプリンターなど屋内、つまりWiFiルーターがあることの多い環境下なので機能があっても使わない可能性も十分にあり得るでしょう。
WiFiダイレクト使用中はWiFiに接続できない
WiFiダイレクトを使用している最中にWiFiに接続はできません。そのため、インターネットに接続しながらWiFiダイレクトを使用するといった使い方はできないので注意してください。
まとめ
今回はWiFiダイレクトの概要から具体的にできること、さらには接続方法などについて解説しました。WiFiダイレクトならルーターなどの機器を介さずに機器同士が接続できるので、データの送受信がとても簡単に行えます。
一方でインターネット接続ができるわけではないので、その点には注意してください。