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SIMフリースマホで緊急速報は受信可能になったのか IIJmio meeting 18レポート

更新日:2020.03.03

格安スマホでは緊急速報は受信できない?電気通信事業者協会(TCA)が2017年12月に発表した緊急速報のAndroid向け仕様策定で、SIMフリーでも緊急速報は受信できるようになるのでしょうか?IIJmio meeting 18で公開された実験結果をまとめて紹介します。

2018年1月20日、東京都千代田区のIIJグループ本社でMVNO・携帯電話網についてのトークイベント「IIJmio meeting 18」が開催されました。イベントではIIJmioの直近のアップデートのほか、電気通信事業者協会(TCA)が2017年12月に発表した「Androidにおける緊急速報『エリアメール』及び『緊急速報メール』の共通受信仕様を策定」についての実験結果も公開されました。


IIJmio(みおふぉん)のユーザーやスマホ好きにはすでにおなじみとなった18回目となるイベントの内容をレポートします!

SIMフリースマホと緊急速報

イベントの冒頭、”緊急調査”として差し込まれた追加テーマがIIJのエンジニア、堂前清隆さんによる「Android 8.1で『緊急速報』の扱いはどう変わったか?」というもの。これまで地震や津波の情報を配信する緊急地震速報のみSIMフリースマホでも問題なく受信でき、それ以外の自治体防災情報やミサイルの発射を知らせるJアラートなどは機種により反応する場合、しない場合がありました。


IIJのエンジニア堂前清隆さん

反応しない理由はなぜでしょうか、また今回のTCAによる発表でなにが変わるのでしょうか。堂前さんによる実験結果の発表から確認してみましょう。

SIMフリースマホで緊急速報が反応しない理由は

発表は、まずはこれまでのおさらいとして緊急速報が反応しない理由の説明からスタート。緊急地震速報などの配信には国際的な標準化団体である3GPPで策定のLTEの標準規格であるETWS(Earthquake Tsunami Warning System:地震・津波警報システム)が使用されています。これは自治体や気象庁による緊急速報を素早く多くの端末に届けるための仕組みです。

世界共通の規格であるためETWSを使用した速報については実はすべての端末で受信ができています。しかしながら、反応するのが緊急地震速報のみである理由は配信されるメッセージのIDが異なるためです。緊急地震速報による地震、津波の速報にはどの通信キャリアでも共通の標準IDが使用されています。そのためどのような機種であっても受信し、反応をすることが可能です。それに対して、緊急速報やJアラートは”オペレーター独自定義”ということで、キャリアにより配信されるメッセージのIDが異なります。Android端末では通常専用のアプリを必要とし、その仕様はキャリアで販売されているスマホ向けにのみ公開されていました。キャリアで販売されていないSIMフリースマホなどでは対応する設定がされていないため、適切な反応ができなくなってしまうというわけです。


これまでのおさらい。反応する場合としない場合の違いは?

速報自体はMVNOで契約していても通信キャリアの基地局から同様に配信されているため端末には等しく配信されていますが、反応するかどうかは機種に依存するというのがこれまでの状況でした。

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電気通信事業者協会(TCA)の発表で緊急速報に対応できる?

続いて、今回のTCAによる発表でなにが変わるのか、12月に公開された内容を確認してみましょう。


電気通信事業者協会(TCA)が2017年12月に発表した「Androidにおける緊急速報『エリアメール』及び『緊急速報メール』の共通受信仕様を策定」

発表された内容はdocomo、au、SoftBankの3社が提供する緊急速報についてAndroid 8.1(Oreo)向けに共通受信仕様を策定するというものです。つまりはこれまで専用アプリなどで対応していた緊急速報がOS標準の機能として組み込まれるようになるということです。該当のOSを利用した端末がそれぞれのネットワークに接続している状況であれば緊急速報に対応するようになります。これまでJアラートなどの速報に非対応だった機種でもOSのアップデートが行われれば、対応する可能性がでてきました。

IIJmio meeting 18で公開されたSIMフリースマホの緊急速報受信実験

この発表を受け、IIJの堂前さんはさっそく実際に緊急速報に反応するのかをAndroid 8.1搭載機種とそれ以外のバージョンのOSを搭載の機種で実験をして、その結果についてIIJmio meeting 18で明らかにされました。

緊急速報受信実験の準備

実験にはすでにAndroid 8.1が配信されているNexus 5Xを使用。他の電波を遮断する電波暗箱内で基地局のシミュレーターを使って、擬似的にETWSメッセージを配信して反応を見るという方法で実施したそうです。

実験の目的
Android 8.1で反応するETWSメッセージIDに変化があったかを確認する
用意したもの
基地局シミュレーター、Nexus 5X(Android 7.1.2、8.0、8.1)
テスト方法
IIJが推測する、各種IDのETWSメッセージを端末に向けて送信し、反応を確認する

緊急速報受信実験の結果

3つのOSバージョンのNexus 5XにETWSメッセージを送信した結果、意外にも反応に違いが見られたのはTCAの発表とは異なるAndroid 8.0以降だったそうです。Android 7.1.2以降の3機種すべてで当然ながら緊急地震速報に反応しましたが、Jアラートや自治体防災情報と推測されるメッセージIDではAndroid 8.0以降の2機種が反応しました。あくまでも今回実験対象となったNexus 5Xには限られるため他の機種ではまだわかりませんが、Android 8.0から緊急速報に対応している場合もあるようです。

実験から他に分かったこととしてはAndroid 7.1.2以降の3機種すべてでETWS受信時の警報音がキャリアと同じということ。そして、おもしろかったのはETWS受信時にメッセージの読み上げをしてくれること。受信したメッセージを読み上げる機能がOSに組み込まれているようです。日本語での実験結果も動画で公開されましたが、残念ながら日本語の読み上げには対応していないよう。今後こちらも対応してくれると嬉しいですね。


実験結果まとめ

IIJmioの最新情報がわかる IIJmio meeting

約3カ月ごとに開催されているIIJmio meetingではMVNOやSIMフリーなどに関わる動向とあわせて、IIJmio UpdatesとしてIIJmioのサービスの最新情報もまとめて紹介されます。今回のIIJmio meetingで紹介された最新サービスをまとめて確認してみましょう。


2017年10月以降には長得などの特典やさまざまなオプションが登場しました

IIJmio WiFi by エコネクト
月額390円で日本全国75,000ヵ所以上でWiFiを利用できる。
スマート留守電
月額313円。留守電のメッセージをメール、LINE、Facebookにテキストで送ってくれる。
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長得
3年以上の長期利用者向け特典。4つのオプションから選んで1つ無料で使える。

公式サイト:IIJmio

その他、機種の発売情報や機種の動作確認情報もまとめて紹介されました。動作確認では3カ月でiOSのアップデートが7回もあったそうで、その度にタイプA・Dで動作確認をしているという堂前さんからは「なんとかならないか……」という正直な声も漏れていました。しかしながら、それだけしっかりと素早く確認してくれているというのは利用者から見ると安心できるポイントですね。


iOSのアップデートが7回も……

初心者向けには「みおふぉん教室」として新規入会時の役立つ情報がIIJでサポートセンターを統括している部署に所属するという周玟希さんから、具体的な利用者の事例もあげて丁寧に説明がありました。会場ではSIMを借りてイベント中に試したり、各メーカーの最新端末を実際に触ったりもできるようになっています。さらには初心者優先の相談コーナーまでと至れり尽くせりで、これからIIJmioの契約を考えている人は一度足を運んでみると良いかもしれません。


IIJの周玟希さん

次回のIIJmio meetingは大阪会場では4月7日(土)、東京会場は4月14日(土)に開催予定で、トークのテーマは3月中旬に発表されます。気になる人はぜひ今後の発表をチェックしてみてください。

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