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楽天モバイルの5G・4G/LTEの対応周波数(バンド)を徹底解説!プラチナバンドへの対応は?

更新日:2023.06.22

楽天モバイルが使用できる周波数帯は、競合3社と比較すると少ない状況です。障害物に強いプラチナバンドが使えないのは、楽天モバイルの痛手でしょう。今回は、楽天モバイルが利用できる5G・4G/LTEの周波数帯と、プラチナバンドについて解説します。

「楽天モバイルの周波数は?」「楽天モバイルはプラチナバンドを獲得できる?」など、楽天モバイルが繋がりにくい大きな理由のひとつである「周波数」について関心がある人も多いことでしょう。

周波数は総務省によって各携帯電話会社に割り当てられています。障害物を回り込んだり、コンクリートを通過できたりする周波数帯「プラチナバンド」は、ドコモ・au・ソフトバンクが独占しており、楽天モバイルが使用できる分は現在ありません。

しかし、ユーザーからすれば楽天モバイルが繋がりにくいのは困りますよね。そこで今回は、楽天モバイルが使用できる5G・4G/LTEの周波数帯を紹介し、プラチナバンドが利用できるようになる可能性について解説します。

楽天モバイルの周波数帯(バンド)を確認したいなら、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。

楽天モバイルの周波数帯

周波数
出典:総務省

上の画像は、総務省の「デジタル変革時代の電波政策懇談会(令和4年度フォローアップ 第1回)」で配布された、大手携帯電話キャリアに割り当てられている周波数の一覧表です。

楽天モバイルの4G/LTEは、2022年9月現在、障害物に強い「プラチナバンド」と呼ばれる700〜900MHz帯は割り当てられていません。楽天モバイルは、ドコモ・au・ソフトバンクより後に携帯電話事業に参入したため、参入時にはすでにプラチナバンドの空きがない状態でした。

しかし5Gについては、Sub6と呼ばれる3.7GHz帯・4.5GHz帯にも、ミリ波と呼ばれる28GHz帯にも、周波数の割り当てがあります。

5Gと4G/LTEとは?

「5G」と「4G/LTE」とは、どちらも通信規格の名称です。2022年9月現在、5Gに対応しているエリアは限られており、多くのユーザーが「4G/LTE」を主に利用しています。現時点では、通信エリアや速度を判断するなら「4G/LTE」の対応エリアや周波数帯を確認するのが適切です。

しかし、徐々に「5G」が主流になっていくと考えられるので、将来性を考えるなら5Gの対応エリアや周波数帯をチェックする必要があるでしょう。

5Gは「第5世代移動通信システム」のことを指します。4G/LTEよりも高速で大容量データのやり取りができ、遅延も少なく、多数同時接続が可能な点が特徴です。

下表は5Gと4G/LTEの違いをまとめたものです。5Gの通信速度は4Gの20倍、遅延時間は10倍短縮、同時接続数は10倍と、飛躍的な進歩を遂げていることがわかります。

5G4G/LTE
最大通信速度最大20Gbps最大1Gbps
遅延1ミリ秒程度10ミリ秒程度
同時接続数100万台/km²の接続機器数10万台/km²の接続機器数

楽天モバイルの5G周波数帯(バンド)

5G

楽天モバイルの5G周波数帯(バンド)は、3.7GHz帯・4.5GHz帯・28GHz帯が割り当てられています。5Gには「Sub6」と「ミリ波」の2種類があり、それぞれのメリット・デメリット・周波数は下表の通りです。

Sub6ミリ波
メリット障害物に強い
長距離をカバーできる
超高速通信が可能
デメリットミリ波より遅い
同時接続台数がミリ波より少ない
障害物に弱い
範囲が限定的
周波数帯3.7GHz帯・4.5GHz帯28GHz

5Gの特徴である「高速・大容量」「超高信頼・低遅延」「多数同時接続」を活かせるのはミリ波ですが、長距離をカバーできず障害物に弱いのが大きなデメリットです。広範囲をカバーするためには基地局を多く設置する必要があるため、普及には時間がかかると考えられます。

一方、Sub6はミリ波と比較すると通信速度は落ち、同時に接続できる数も劣りますが、障害物に強く広範囲をカバーできる点が強みです。ミリ波より導入しやすく、現在の5GエリアはほとんどがSub6となっています。

Sub6とミリ波は、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらのほうが優れているとはいえません。どちらも普及しデメリットを補い合えるようになれば、快適に5Gを利用できるようになるでしょう。

楽天モバイルの4G/LTE周波数帯(バンド)

4G/LTE

楽天モバイルの4G/LTE周波数帯(バンド)は、1.7GHz帯のみです。障害物に強い700〜900MHz帯は、総務省から割り当てられていないため使用できません。

700〜900MHz帯は「プラチナバンド」や「ゴールデンバンド」と呼ばれており、コンクリートを通過できたり、障害物を回り込んだりする特徴があります。

長距離や地下でも電波が届きやすいため、安定した通信環境のためには「プラチナバンド」が非常に効果的です。しかし、楽天モバイルではプラチナバンドを利用できない状態のため、4G/LTEでは1.7GHz帯の周波数を利用しています。

楽天モバイルはプラチナバンドに対応する?

疑問

楽天モバイルがプラチナバンドに対応する可能性は、十分にあります。現在、楽天モバイルでは総務省へ、空きのないプラチナバンドを再分配するよう提案中です。プラチナバンドは、ドコモ・au・ソフトバンクの3社に独占されている状態なので、見直される可能性は高いと考えられます。

ただし、実際に再分配される時期は不透明で、すぐにプラチナバンドが使用できる状況ではありません。検討が続けられており、結論が出るまでにはある程度の時間がかかるでしょう。

パートナーであるKDDIのプラチナバンドを借りてカバー

2022年9月時点、楽天回線が届かないエリアで楽天モバイルを使用しようとすると、パートナー回線(KDDI)に切り替わります。パートナー回線はプラチナバンドのため、障害物を避けたり、地下や屋内でも電波が届きやすかったりする点がメリットです。

現在は楽天回線が届かない場所ではパートナー回線を利用できる状態ですが、ずっとパートナー回線が利用できるとは限りません。

ただし、2023年6月には、楽天回線とパートナー回線を合わせて人口カバー率99.9%に到達しています。

楽天モバイルの対応周波数帯への今後の改善は?

今後の展望

楽天モバイルの口コミ・評判をみると「すぐにパートナー回線に切り替わる」「ビルに入ったら繋がらなくなった」など、電波が届きにくい点をデメリットに挙げる人が多い印象です。

楽天モバイル側も電波状況を改善するために、様々な取り組みをしています。多くの取り組みがうまく機能すれば、通信状況も徐々に改善していくでしょう。ここでは、楽天モバイルがおこなっている通信環境の改善策を4つ紹介します。

楽天モバイルの通信状況改善策

  • 総務省へプラチナバンドの再分配を提案
  • 全国数万ヵ所へRakuten Casaを設置
  • 1.7GHzの5G化
  • スペースモバイル計画

総務省へプラチナバンドの再分配を提案

楽天モバイルが特に力を入れている通信状況改善策は「総務省へのプラチナバンド再分配の提案」です。ドコモ・au・ソフトバンクによって独占されている状態の「プラチナバンド」を、少しずつ分けてもらう方法でプラチナバンドの獲得を目指しています。

実際に2022年6月10日に公布された「電波法及び放送法の一部を改正する法律」において、次の3つの項目から、楽天側の主張が反映されている内容であると判断できます。

法律上、周波数の再割り当てが可能な場合

  • 有効利用評価の結果が総務省令で定める基準を満たしていない場合
  • 申出に関する開設指針を定める必要があるとき
  • 電波に関する技術の発達、需要の動向その他の事情から、当該周波数の再編が電波の公平・能率的な利用に必要なとき

上記のいずれかに該当すれば、周波数の再割り当てが可能になるので、楽天モバイルがプラチナバンドを使用できるようになる可能性は、法律上は高くなったといえます。

しかし、実際に3大キャリアが分配に周波数の再割り当てに納得するのは、難しいと言わざるを得ません。3社とも、機器やシステムの変更に費用や時間がかかると主張しており、楽天モバイルが主張している「1年以内の再分配」の実現は難しいでしょう。

全国数万ヵ所へRakuten Casaを設置

「Rakuten Casa」とは、自宅など屋内に設置する小型室内アンテナです。自宅のインターネット接続に利用しているONU(モデム)に「Rakuten Casa」を繋げることで、電波状況を改善できます。

レストランやカフェなどの店舗への導入が進めば、その施設内では楽天回線が利用可能になり、室内で楽天回線が繋がりにくいという問題も減るでしょう。

自宅で楽天回線が使えないという場合には「楽天モバイルご利用者様用電波改善・調査依頼」から問い合わせをする必要があります。

調査結果によっては「Rakuten Casa」に申し込みが可能です。「Rakuten Casa設置規約」によると、費用は事務手数料が発生するものの、機器レンタル料の負担はありません。解約時も、機器を期限内に返却すれば違約金も発生しないので、もし自宅や自営店舗で楽天回線が繋がらずに困っているなら、まずは問い合わせてみましょう。

1.7GHzの5G化

1.7GHz帯の割り当て
出典:総務省

楽天モバイルでは、2021年4月に東名阪を除くエリアにて、1.7GHz帯を「5G」として総務省より割り当てられています。これにより、全国に5G対応の基地局を設置できるようになりました。

しかし、1.7GHz帯は本来、4G/LTEの周波数帯です。通常の5Gのような「高速通信」はできないので注意が必要です。ただし、5Gの他の強みである「低遅延」「多数同時接続」は、1.7GHz帯の5Gでも対応しています。

1.7GHz帯の5Gが新たに割り当てられたことで、5Gを利用できるエリアは拡大しやすくなったといえるでしょう。

スペースモバイル計画

「スペースモバイル」プロジェクトのアーキテクチャ
出典:楽天モバイル

楽天モバイルでは、宇宙に打ち上げた衛星から地上に向けて直接電波を発射する「スペースモバイル計画の実現を目指しています。「スペースモバイル計画」が実現すれば、災害時に地上の基地局が使えなくなったとしても、通信サービスの提供が可能です。また、山間部や離島などの今まで電波が届かなかった地域でも、楽天モバイルが使用できるようになります。

災害時の被災地では、連絡手段が途絶えるケースも多いです。スペースモバイルが実装されたら、通信手段の確保によって安否確認や情報取得もしやすくなるでしょう。山間部で遭難した場合も、電波がなく助けを呼べないという事態も防ぎやすくなります。

「スペースモバイル計画」の実現には時間がかかりますが、現実になれば緊急時に人命を救える通信技術になるでしょう。

楽天モバイルの回線って実際どうなの?

楽天モバイルの回線をメインで使用したいと考えているなら、繋がりやすさは重要なチェックポイントです。実際に楽天モバイルは繋がるのか、通信エリアとユーザーの口コミから検証します。

通信エリア

楽天回線エリア
出典:楽天モバイル

上図は、2022年9月時点の楽天モバイルの通信エリアです。ピンク色の部分が楽天回線エリア、薄い黄色の部分がパートナー回線(KDDI)エリアとなっています。

東京や大阪、名古屋、札幌などの主要都市は概ねピンク色で埋め尽くされており、エリアマップ上は問題なく楽天回線を使用できるといえるでしょう。地方についても、ピンク色が目立つエリアが増えている傾向です。楽天回線の人口シェア率は97%と発表されているので、日本の多くの地域で楽天回線が使えると考えられます。

電波状況に関する口コミ

楽天モバイルの電波状況に関する口コミ・評判には、次のようなものが多い印象です。

「自宅では使えないけれど、イベント会場では使えた」「職場はずっと圏外」など、回線が繋がらない場所があって困るという内容の口コミが散見されました。楽天回線の対応エリアでも、楽天回線の周波数の特性上、屋内や地下は繋がりにくいと考えられます。

自宅や職場ではWiFiを利用したほうが、ストレスなく通信できるでしょう。楽天モバイルのオプション「楽天モバイルWiFi by エコネクト」の利用もおすすめです。月額398円で全国約150,000以上のスポットでWiFiが利用できます。街中での通信環境を改善したいなら、オプションの加入も検討してみましょう。

楽天モバイルの周波数帯(バンド)やプラチナバンドまとめ

周波数

今回は、楽天モバイルの周波数(バンド)や、楽天モバイルでプラチナバンドを使用できるようになるかについて解説しました。楽天モバイルは、携帯電話事業参入時期が競合3社より遅かったため「プラチナバンド」の空きがなく、現時点では使用できない状態です。

ただし、楽天モバイルは次の取り組みをおこない、通信環境の改善を目指しています。

通信環境改善に関する楽天モバイルの取り組み

  • 総務省へプラチナバンドの再分配を提案
  • 全国数万ヵ所へRakuten Casaを設置
  • 1.7GHzの5G化
  • スペースモバイル計画

総務省へプラチナバンドの再分配については、楽天モバイルに有利なように法改正がおこなわれました。しかし、実際に再分配がおこなわれるのは、競合3社の主張を考慮すると難しいでしょう。

4G/LTEの周波数帯では遅れをとったものの、5Gの周波数帯は確保済みです。今後5G化が進めば、楽天モバイルの通信環境改善も見込めます。もし楽天回線がつながりにくくて困っているなら「楽天モバイルWiFi by エコネクト」の利用もおすすめです。

プラチナバンドの再分配に期待しつつ、楽天モバイルの企業努力が実って通信環境が改善されるのを待ちましょう。

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