新しいZenFone 5シリーズインプレッション 高性能AI対応の5・5Zとカメラ特化の5Q

新しいZenFone 5シリーズのインプレッションの発表会レポート&インプレッションを紹介! ZenFone 5やZenFone 5ZのAIによるカメラ機能やパフォーマンスの向上、新機能について詳しい解説と実際に使った印象をまとめました。ZenFone 5Qのカメラ機能についても解説します。
この記事の目次
2018年5月15日にASUS JAPANが都内で発表会を開催、ZenFone 5シリーズの新機種『ZenFone 5(ZE620KL)』『ZenFone 5Z(ZS620KL)』『ZenFone 5Q (ZC600KL)』の日本国内での発売を発表しました。この記事では新しいZenFone 5シリーズの発表会の様子と、タッチアンドトライで実際に触ったAIやカメラ機能などのインプレッションを紹介します。

新しいZenFone 5シリーズの概要
ZenFone 5という機種名に「あれ?」と思った人もいるのでは? 2014年に発売されたASUS製のスマートフォンでも同じくZenFone 5の名称が使用されていました。当時は画面サイズが5インチであることを意味する数字として5が使われていましたが、その後はシリーズのナンバーとしてZenFone 2、3、4の数字つきの機種名となりました。そして、2018年に再び新しくなったZenFone 5が登場したのです。
新しいZenFone 5シリーズは既に海外では発表されていましたが、日本市場向けには高性能でAI機能を搭載したZenFone 5・ZenFone 5Z、カメラ機能に特化したZenFone 5Qの3機種が提供されます。
AIがスゴイ…! ZenFone 5とZenFone 5Zの機能
ZenFone 5とZenFone 5Zの2機種の外観はまったく同じで機能面にもほぼ違いがありませんが、性能面ではZenFone 5Zが上位モデルといえます。
2機種の違いはプロセッサーとストレージの容量。ZenFone 5がQualcomm Snapdragon 636(オクタコア)で64GBのストレージであるのに対して、ZenFone 5ZはQualcomm Snapdragon 845(オクタコア)で128GBのストレージを搭載しています。その代わり、ZenFone 5にはよりパフォーマンスを向上させるAIブースト機能が搭載されています。
ZenFone 5とZenFone 5Zのスペック詳細
端末名 | ZenFone 5(ZE620KL) | ZenFone 5Z(ZS620KL) |
---|---|---|
メーカー | ASUS | |
画面サイズ・液晶 | 約6.2インチ Super IPS+液晶 Full HD+2246*1080ドット | |
CPU | Qualcomm Snapdragon 636(オクタコア) 1.8GHz | Qualcomm Snapdragon 845(オクタコア) 2.8GHz |
OS | Android 8.0 Oreo new ASUS ZenUI 5 | |
RAM | 6GB | |
ROM | 64GB | 128GB |
カメラ画質(背面) | 1,200万画素 + 800万画素広角(ダブルレンズ) LEDフラッシュ | |
カメラ画質(内面) | 800万画素 | |
micro SD スロット | 〇(2TBまで) SIM2と同時利用不可 | |
SIMカード | nanoSIM×2 | |
通信(LTE) | FDD LTE: B1/2/3/5/7/8/18/19/28 WCDMA: B1/2/3/5/6/8/19 GSM: 850/900/1800/1900MHz | |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac 準拠 (2.4GHz/5GHz) | |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | |
バッテリー | 3,300mAh | |
入出力端子 | USB Type C(USB2.0) | |
サイズ | 約75.6 (W) x 153 (H) x 7.7 (D) mm | |
本体カラー | シャイニーブラック/スペースシルバー | |
重量 | 約165g |
メモリは台湾版では4GBですが、日本版では6GBになっています。画面サイズは6.2インチ。5.5インチ相当の本体サイズにiPhone Xと似たノッチ(切り欠き)のついた大画面が搭載され、画面占有率は90%。ノッチは設定でオン・オフが可能です。
カメラは背面がデュアルカメラで、セカンドカメラは120度の広角レンズ。電子式手ぶれ補正・光学式手ぶれ補正を搭載し、美しい写真の撮影が楽しめます。
デュアルスピーカー、デュアルマイクでハイレゾ再生をサポート。左右のヘッドホンを使って擬似的に最大11.1チャネルのサラウンド再生をするDTS Headphone:Xにも対応。さらに付属するイヤホン、ZenEar Sもハイレゾ音源に対応しています。
通信に関してはDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)対応はもちろん、docomo・au・ワイモバイルのマルチキャリアでのVoLTEでの待ち受けにも対応したDSDV(デュアルSIM、デュアルVoLTE)端末。しかし、SIMスロット2とmicroSDスロットが共有のためmicroSDを利用する際は1枚しかSIMカードが利用できない点は注意が必要です。


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ZenFone 5とZenFone 5Zに搭載のAI機能
ZenFone 5とZenFone 5Zの最大の特長はカメラをはじめ、ディスプレイや充電にまで対応した多くのAI機能です。状況やユーザーの好みにあわせて対応、進化するAI機能について発表会で登壇したASUS JAPANのマーケティング部・部長代理の塩野拓也さんは「私たちから学び、ユーザーから学ぶ」とアピールしました。
ASUS JAPANのマーケティング部・部長代理の塩野拓也さん
具体的にどのような機能があるのか、1つずつ確認していきましょう。
- AI Dual Cameras
- 犬、猫、花、雪…など、画面内の被写体にあわせて最適なエフェクトを自動調整してくれる16の撮影モードを搭載。QRコードももちろんカメラを向けるとすぐに認識します。背面カメラのポートレートモードでは、2つのレンズで被写体の奥行きを認識して自動で被写体を判別、背景をぼかして一眼レフのような写真を簡単に撮影できます。
ASUS JAPANプロダクトマネジメント・テクニカルプロダクトマネージャーの阿部直人さん
発表会で機能の紹介を担当したASUS JAPANプロダクトマネジメント・テクニカルプロダクトマネージャーの阿部直人さんは「まるで自分のカメラの腕があがったのようなクオリティの高い写真、インスタ映えする写真を簡単に撮れる」と自身の作例を披露しました。
- AI Photo Learning
- 撮影した写真に自動でエフェクトをかけて、おすすめ加工を提案。気に入ったエフェクトを選択することで、ユーザーの好みを学習して成長していきます。
- AI Power(ZenFone 5のみAIブーストに対応)
- Snapdragon 636のオクタコアCPUを搭載したZenFone 5はミドルレンジの端末としては十分に快適な動作を実現していますが、さらにパフォーマンスを向上させるのがAIブースト機能。オンにすると状況によって端末が自動的にオーバークロックをかけ、約15%程度性能が向上します。その分バッテリーはやや減りやすくなってしまうようですが、Snapdragon 660と同等以上のパフォーマンスになるといいます。
- AI 充電
- バッテリー寿命を引き伸ばすため、充電にもAIを導入。過電圧・過電流・不足電圧をチェック、温度などの状態を管理するほか、生活リズムによる過去の充電操作に基づいて充電速度などを自動調整して過充電を防ぎます。また、不要なアプリの自動起動の無効化や機能の最適化などバッテリー節約も可能です。
- AI Display
- スマホで読書をしていたら画面が消えた…AI Displayならそんなことをはなくなるでしょう。スマホを持ち上げて、視線を認識するとスリープから解除。また、スリープ時間を短く設定していても画面を見ている間は何も操作をしなくてもスリープせずそのまま利用できます。
- AI 着信音
- 周囲の状況を判別して着信音を自動で調整。うるさい場所なら大きな音で、静かな場所なら小さな音で着信します。
新しくなったZenFone 5とZenFone 5Zインプレッション
発表会の後のタッチアンドトライ会場で手にとった最初の印象は画面が大きい!というもの。スリムで持ちやすいサイズながら、とても広い表示エリアを確保していました。背面はZenFoneらしいスピン加工が目立つシンプルながら美しいデザインです。
AIカメラの認識精度は…
まず試したのはAIによるシーン分析機能から。花、食べ物、グリーン、QRコード、テキストを撮影してみました。同様の機能を持ったHUAWEI Mate 10 Proと比較すると、やや認識の精度は甘めな印象。例えば、色鮮やかな食べ物と花、花とグリーンなどについては違いの認識が難しい場合があるようで花を写しているのに食べ物と認識される場合もありました。
しっかりと被写体をとらえて手を止めていれば最終的には正しく認識しますが、状況によっては少し時間がかかるのかもしれません。QRコードやテキストについては素早く認識できていました。
続いて試したポートレートモードについては、リアルタイムで被写体をしっかりとらえ、背景をぼかした写真の撮影が簡単にできました。
ZeniMojiがおもしろい
ノッチのデザインがiPhone Xを想像させるZenFone 5ですが、もう1つiPhone Xと似ている機能があります。それがZenimoji。iPhoneのAnimoji(アニモジ)と同様の機能です。顔認識でキャラクターが自分の表情や動きをトレース、キャラクターを使ったビデオ通話などを楽しめます。
iPhoneよりも便利なのは、Facebook MessengerやLINEでも利用できる点。使えるキャラクターはZenFoneのキャラクターである禅太郎の他2種類。試してみると、目や口の開き加減、首の角度が遅延なくスムーズに表示されました。
今後のアップデートでライブ配信でも利用できるようになるそうで、今話題となっているVTuber気分で手軽にライブ配信にチャレンジできそうです。
充電機能やディスプレイなど細かい部分が便利に
AI充電に対応したバッテリーの管理はとても豊富な機能をもちながら、わかりやすいデザインになっています。アプリや機能の挙動、設定の最適化をカスタマイズする部分と、自動でスマホが学んで管理してくれる部分があり、効率的にスマホを使いこなせそうです。残念ながら実際のバッテリーの寿命はタッチアンドトライの短い時間ではわかりませんが、十分に期待できそうな機能だと感じられました。
またディスプレイに関しても、視線認識と顔認証、指紋認証を組み合わせてロック解除が簡単、安全にできるのはとても便利。明るさだけではなく色温度も自動で調整され、環境にあわせた見やすい表示がされていました。
カメラのような派手な機能が目立ちますが、実際に利用するシーンで利便性が向上する機能が実はとても多い機種です。毎日使うスマホだからこそ、より快適に使える機能の向上は好感がもてます。
カメラ機能に特化したZenFone 5Q
ZenFone 5QのQはクワッド(4個で1組のもの)を意味しています。その名の通り、ZenFoneでは初の4カメラを搭載しているのがZenFone 5Qの特長です。
ZenFone 5Qのスペック詳細
端末名 | ZenFone 5Q (ZC600KL) |
---|---|
メーカー | ASUS |
画面サイズ・液晶 | 約6.0インチ IPS液晶 Full HD+2160*1080ドット |
CPU | Qualcomm Snapdragon 630(オクタコア) 2.2GHz |
OS | Android 7.1.1 new ASUS ZenUI 5 |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
カメラ画質(背面) | 1,600万画素 + 800万画素広角(ダブルレンズ) LEDフラッシュ |
カメラ画質(内面) | 2,000万画素+ 800万画素広角(ダブルレンズ) LEDフラッシュ |
micro SD スロット | 〇(2TBまで) |
SIMカード | nanoSIM×2 |
通信(LTE) | FDD LTE: B1/2/3/5/7/8/18/19/28 WCDMA: B1/2/3/5/6/8/19 GSM: 850/900/1800/1900MHz |
WiFi | 802.11 a/b/g/n/ac 準拠 (2.4GHz/5GHz) |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 |
バッテリー | 3,300mAh |
入出力端子 | micro USB(USB2.0) |
サイズ | 約76(W) x 160.5 (H) x 7.7 (D) mm |
本体カラー | ルージュレッド/ムーンライトホワイト/ミッドナイトブラック |
重量 | 約168g |
前面、背面ともにデュアルカメラを搭載。セカンドカメラは両方とも広角120度の800万画素です。ZenFone 5・5Zとは違ってノッチはない6インチのフルHD+ディスプレイで、画面占有率は80.3%。
DSDS対応でSIMカードが2枚入るだけではなく、microSDカードも入れられるトリプルスロットを搭載。通常ZenFone 5・5Zではできない、SIMカード2枚とmicroSDカードの同時使用に対応しています。
指紋認証は従来のZenFoneシリーズ同様ですが、ZenFone 5シリーズでは背面に搭載。あわせて顔認証にも対応したため、組み合わせて便利に利用できます。
4カメラ搭載のZenFone 5Qの写真撮影機能
ASUSの依頼による、第三者機関・ワールドワイドの調査結果によれば、スマホの前面カメラを毎日使う人がおよそ39%、背面カメラを毎日使う人はおよそ40%にものぼるといいます。使用目的で見ると友人との記念撮影が36%と最も多く、続いてポートレートや自撮りに使う人がそれぞれ34%、その後は風景写真…と続きます。日本国内で見ると食べ物やペットが多くなるなど、また状況は変わってくるかもしれませんが、さまざまな用途に使われていることがわかります。
メインカメラは前面が2,000万画素、背面が1,600万画素となっています。高画質なインカメラでももちろんポートレートモードに対応し、簡単に美しく自撮りできます。サブカメラは前面・背面ともに800万画素で120度の広角。大人数での自撮りやダイナミックな風景写真も撮影できます。
背面カメラは0.03秒の超高速オートフォーカス、3軸の電子手ブレ補正で動きのある被写体もブレずにシャッターチャンスを逃しません。
ZenFone 5Qインプレッション
ZenFone 5QはサイズはZenFone 5・5Zより一回り大きめで、ノッチはなく画面上部には2つのインカメラがあります。薄いけれど安定して持てるサイズ感です。
背面にも2つのカメラと指紋センサーがあります。デザインはツルッとシンプルな感じで、ホワイトは指紋も目立ちにくく使いやすそう。メインであるカメラ機能はとにかくインカメラの美しさと広角での撮影がとても際立っていました。画角の切り替えも撮影中に簡単にできます。
女子会や友達との旅行とアクティブにスマホを持ち歩く人にとてもおすすめできる機種です。
新しいZenFone 5シリーズの購入方法は
ZenFone 5とZenFone 5Qの2機種は15日より一部のMVNOでの申し込み受付を開始しています。18日よりMVNOや家電量販店での販売を開始します。ZenFone 5Zは6月下旬の発売を予定しています。
価格はすべてオープンですが、メーカーの希望小売価格はZenFone 5が5万7,024円、ZenFone 5Zが7万5,384円、ZenFone 5Qは4万2,984円です。
取り扱い予定のMVNOは以下の通りです。イオンモバイルでは、25日より6月14日までに音声プラン同時契約で購入すると本体の大幅な値引きとSIMカード代金が1円になるキャンペーンを開催します。NifMOでも希望小売価格よりも安く販売されています。楽天モバイルでは18日より前モデルのZenFone 5利用者向けに機種変更キャンペーンを予定しています。購入の際はキャンペーンや機種代金を事前に確認することをおすすめします。
- IIJmio(みおふぉん)
- イオンモバイル
- エキサイトモバイル
- QTモバイル(QTモバイル)
- NifMo(ニフモ)
- BIGLOBEモバイル
- mineo
- LINEモバイル
- 楽天モバイル
- LIBMO(リブモ)
- OCN モバイル ONE(gooSimseller)
- LinksMate(リンクスメイト)
- LEQUIOS mobile(レキオスモバイル)
家電量販店や通販サイトではAmazonやビックカメラ、ヨドバシカメラ、ノジマなどで取り扱い予定です。サードパーティ製のグッズや純正ケースも機種と同時に発売されます。
新しいZenFone 5シリーズをASUS Store Akasakaで体験しよう
5月27日まで東京・赤坂のASUS直営店舗ASUS Store AkasakaがZenFone 5シリーズのポップアップストアとしてオープン、新しいZenFone 5シリーズを展示しています。ワークショップも開催されるので、ZenFoneシリーズのファンならぜひ遊びにいきたいところ。都内近郊で最新端末を購入前に試したい人、もっと活用したい人は足を運んでみてはいかがでしょうか。