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青少年インターネット環境整備法でMVNOの契約はどう変わる? IIJmio meeting 18

更新日:2020.03.10

2018年2月1日に施行見込みの青少年インターネット環境整備法改正。フィルタリング説明やフィルタリング有効化措置などでMVNOの契約はどう変わるのか。MVNOをとりまく法律とあわせて解説されたIIJmio meetingの内容をレポートします。

2018年1月20日、東京都千代田区のIIJグループ本社でMVNO・携帯電話網についてのトークイベント「IIJmio meeting 18」が開催されました。IIJmio meeting 18ではIIJのエンジニアである堂前清隆さんが「MVNOの法令遵守と『青少年インターネット環境整備法』改正」と題した講演を行い、MVNOや電気通信事業者をとりまく法律や法改正に対するIIJmio(みおふぉん)の取り組みなどを話しました。


IIJのエンジニア堂前清隆さん

青少年インターネット環境整備法改正のポイント

2017年6月に議員立法により成立、交付された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」の改正。施行は2018年2月1日が見込まれています。まずはIIJmio meeting 18で説明された、改正内容のポイントを確認してみましょう。

青少年インターネット環境整備法では通信事業者や保護者、端末メーカー、AppleやGoogleのようなOS開発事業者にさまざまな義務が課せられています。改正前の現行法でもフィルタリングサービス自体の提供は義務化されていましたが、IIJの堂前さんによると今回の改正は「フィルタリングの有効化措置が追加されたのが非常に大きな部分」だといいます。

これまでもスマホなどの携帯電話契約時には事業者より利用者の年齢確認やフィルタリングサービスについての説明が行われていました。まず、今回の改正ではその確認や説明が義務となります。それに加えて追加されるのがフィルタリングの有効化措置です。これまではフィルタリングアプリなどの設定を利用者自身や保護者が行っていましたが、今後は契約したスマホを渡す時点で有効化をすることが必要となるのです。

改正後の青少年インターネット環境整備法

  • 契約者と利用者の年齢確認義務
  • フィルタリングサービスの説明義務
  • フィルタリングサービスの提供義務(現行法と変更なし)
  • フィルタリング有効化義務

もちろん、青少年インターネット環境整備法はIIJmio(みおふぉん)のようなMVNOも対象となっています。MVNOではその法律に則った対応をするにあたり、大手通信キャリアとは違う悩ましいことがあるようです。このフィルタリングを有効化する義務は通信契約に紐づいています。端末と通信をセットで店頭で販売をするときは、その場で設定して渡すことができます。しかしながら利用者自身が通信契約とは別にスマホを用意した場合、その義務を履行することが難しくなります。

具体的に想定される事例として挙げられたのは、WebでSIMのみを契約して中古端末を使う場合、家電量販店でSIMフリースマホの購入とMVNOの契約を別々に行った場合など3パターン。またWebでスマホとSIMをセットで購入する場合も、利用者ごとの申告にあわせて個別に端末を開封・設定して発送をするのは小規模なMVNOにとってはなかなか困難といえるようです。

青少年インターネット環境整備法のこれまでとフィルタリングのはじまり

今回の法改正にいたった背景にはどのような理由があるのでしょうか。講演の中で青少年インターネット環境整備法のこれまでの振り返りがおこなわれました。青少年インターネット環境整備法は2008年6月に成立、翌2009年の4月に施行されました。

当時はケータイ向けFlashゲームや着メロや着うたなどがブームとなっていた携帯電話の全盛期といえる時代でした。その中で登場したのが「モバゲータウン」などのソーシャルゲームやSNSのサイト、「前略プロフィール」といったプロフサイトです。ケータイSNSを通して、ネット上でのコミュニケーションが活発に行われるようになっていきました。その中で発生したのが2007年の闇サイト殺人事件、2008年の秋葉原無差別殺傷事件です。ネットで知り合った仲間同士で起こった事件や犯罪予行の掲示板への書き込みが注目を集めました。さらには学校裏サイトなども話題となり、携帯電話を持つ子供が関わったり巻き込まれる事件が多く発生してしまったのです。

その中で青少年インターネット環境整備法の成立に先駆けて電気通信事業者公開(TCA)と大手通信キャリア4社が連盟でフィルタリングサービスの適用の方針について発表しました。

大手通信キャリアのフィルタリングサービスではフィルタリング事業社の作成するカテゴリにそって、不適切なWebサイトへのアクセスを遮断できるようになりました。またコンテンツ業界では自主規制団体のモバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が設立され、コミュニケーションカテゴリのコンテンツについて青少年被害防止の対策がなされているものを認定、フィルタリングの対象外としました。この仕組みで「ある程度は子供に対する被害が防げるんじゃないかとずっと運用されてきた」(IIJ堂前さん)そうです。

しかし、その状況に変化が現れたのは2016年。調査の基準が変わったため一概には言えないそうですが、スマホの普及により青少年のフィルタリングサービス利用率の低下が指摘されるようになりました。

スマホは従来の携帯電話とは違ってWiFiに接続をして通信できるため、事業者のネットワーク上で不適切なWebサイトへのアクセスを遮断できなくなったためです。代わりにアプリを使用したフィルタリングサービスの提供がおこなわれてきましたが、アプリは利用者自身や保護者がインストールや設定をしなくてはならず、利用率の低下に繋がっていると見られています。この問題を解決するための措置が今回の法改正というわけです。

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青少年インターネット環境整備法改正でIIJmio(みおふぉん)の契約はどう変わる

法改正の内容やその経緯を確認してきましたが、それではIIJmioの契約時の対応は実際にはどのように変わるのでしょうか。堂前さんが「これで法の求める趣旨を満たせるんではなかろうか」と話すIIJmioによる対応は3点で、Web上に利用者向けの申告フォームを用意するということです。

IIJmioの法改正への対応

  • SIMカード申し込み時の利用者の年齢確認
  • 18歳未満の利用者がフィルタリングサービスを利用しない場合、理由の提出を求める
  • 18歳未満の利用者がフィルタリングサービスを利用する場合、有効化の申告を求める

IIJがMVNEとしてサポートをしてサービスを提供するDMMモバイルのような別のMVNOについては、それぞれから対応がアナウンスされるようです。

またIIJでは学校などへの出張講座や講演など、子供のインターネット利用に関する取り組みを行っていることも紹介されました。

公式サイト:IIJmio(みおふぉん)

青少年インターネット環境整備法以外も…MVNOに関連する法律

講演では青少年インターネット環境整備法のほかにもMVNOに関わる法律が簡単に説明されました。契約時の本人確認書類やキャンペーン内容など、実はユーザーが受けるサービスと密接に関わっている法律も多く、知れば「なるほど!」と感じることも。理由がわかることで、ちょっと面倒な手続きであっても仕方ないと納得できるようになるかもしれません。

電気通信事業法

まずは電気通信事業に関する法律です。この法律の定義によるとMVNOも電気通信事業者に該当します。その電気通信事業者の義務として定められている重要な事項の1つが検閲の禁止と通信の秘密です。破ると3年以下の懲役または200万円以下の罰金という重い刑罰が課せられます。これは電気通信事業に携わることを辞めた後も守らなくてはいけない義務で「いわゆる墓場まで持っていけという情報」(IIJ堂前さん)。この法律があることで安心して通信を利用できるとも言えそうです。

電波法


続いて電波法。この法律に関わるのは無線局(無線の電波を発する設備自体やその操作を行う者)と無線従事者(無線設備の操作または監督を行う者)です。スマホの利用者は無線従事者にあたります。両方とも無資格で操作をすると法律違反になるのですが……スマホを使う読者のみなさんもそんな申請はしていないはず。というのも、通信キャリアが包括的に免許をとっているからだそうです。そして、その間で格安SIMを提供するMVNOは無線設備の操作をしないのでこの法律には関わっていないという、豆知識が紹介されました。

技適マーク

電波法と言えば、話題になるのは技適マークです。技術基準適合証明と技術基準適合認定のいずれか、または両方を取得した無線機器にその証明として表示するマークです。本体やソフトウェア上にこのマークのないスマホを日本国内で使用することはできません。

この技適マークですが、実は先に挙げた2つの法律に関連するものだと言います。マークの右横にあるRの部分に書かれているのが技術基準適合証明の番号で電波法、Tの部分に書かれているのは電気通信事業法で定められた認定です。例えば、Bluetooth機器であれば無線の通信は必要なものの電気通信事業には関係しないこともあるためRマークのみの場合があるそうです。反対に固定電話の機器であれば電気通信事業者への接続に使うものの電波は発しないためTマークのみとなっているようです。

携帯電話不正利用防止法


携帯電話不正利用防止法(正式には、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声通信. 役務の不正な利用の防止に関する法律)は契約の手続きに関連のあるもの。振り込め詐欺などに携帯電話を悪用されないよう、音声通話の契約の際に指定の方法で本人確認をすることを事業者に義務付けた法律です。SIMの契約(特に音声通話つきの場合)の際に運転免許証などの書類提出が必要なのはこの法律があるためです。

景品表示法

景品表示法(正式には、不当景品類及び不当表示防止法)はさまざまなMVNOで実施されるキャンペーンやCMに関わる法律です。ユーザーとしてはできる限りお得なキャンペーンにしてほしいものですが、この法律でルールが決まっているため、残念ながらその範囲を超える高額な景品を渡すキャンペーンは実施できないのです。

IIJmio meetingではMVNOやスマホの最新情報がわかる!

約3カ月ごとに開催されているIIJmio meetingではIIJmioのサービスの紹介はもちろんですが、改正法の施行が間近な青少年インターネット環境整備法の説明が今回あったように、スマホや格安SIMに関する最新の状況をユーザーにわかりやすく説明してくれます。

次回のIIJmio meetingは大阪会場では4月7日(土)、東京会場は4月14日(土)に開催予定で、トークのテーマは3月中旬に発表されます。IIJmioに興味がある人はもちろんですが、スマホをもっと便利使いたい、スマホの最新情報を知りたいという人も参加してみると新しい発見がありそうです。

公式サイト:IIJmio(みおふぉん)

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