iPhoneのバックアップが復元できない!原因・対処法を解説

iPhoneのバックアップをとっておくと、デバイスを交換・紛失したときもデータが残っているので安心です。ここでは、iPhoneでとったバックアップの復元方法や、復元できないときに考えられる原因や対処法について詳しく解説していきます。
この記事の目次
現在使用しているiPhoneのバックアップをとっておけば、新しいiPhoneに買い替えたりリセットしても、これまでのデータを戻して今まで通りに使うことができます。
しかし、実際にiPhoneのバックアップをとったけれども、復元ができないといった事態となってしまうケースも少なくありません。
ここではバックアップの復元方法や、うまく復元できない原因と対処法について詳しく解説していきます。
iTunesのバックアップが復元できない場合
iPhoneを使ったバックアップの復元を行う方法の1つに、「iTunes」を利用する方法があります。
iTunesでは保存したiPhone端末のデータや設定情報をバックアップできます。
また、バックアップを行っている最中に復元できない場合、いくつかの対処方法があるのでそちらも紹介します。
iTunesの復元方法
- iPhoneとPCを付属のライトニングケーブルを使って接続
- iTunesを起動
- iPhone画面で「このコンピュータを信頼しますか」の表示で「信頼する」を選択
- iTunesにiPhoneのアイコンが表示されたらクリックし「概要」を表示
- 「バックアップの復元」を選択
- 復元するバックアップを選択し「復元」をクリック
- パスワード要求画面で暗号化したときに設定したパスワードを入力
- 誤りが無ければ「OK」をクリックし完了
iTunesのバックアップではパスワードが要求されるので、紙に保存しておくなどして忘れないように管理しておきましょう。
iTunesのバックアップが復元できない場合の対処法
iTunesからバックアップの復元を行う場合、様々な原因によって復元できなかったりエラーが発生してうまくいかないことがあります。
ここでは、iTunesを使ってバックアップが復元できないときの対処法について紹介します。
iPhoneとPCを再起動させる
はじめにiPhoneやPCの再起動を行ってみてください。
原因は特定できませんがシステム上の問題によって復元できなくなっている可能性があり、再起動したら改善することがあります。
PCの再起動は「スタート」→「電源」→「再起動」の手順で行います。iPhoneは機種によって操作方法が異なるため自身の機種にあわせて再起動をしましょう。
iOSとiTunesのバージョンが最新版か確認する
iPhoneのiOSまたはiTunesなどのOSやアプリは、セキュリティーの問題点の改善やバグの修正、及び新しい機能を追加するために定期的にバージョンアップが行われています。
たとえば「エラーが発生しました」「バックアップに互換性がありません」などと表示される場合は、バージョンが古くなっているのでバックアップの復元ができません。
この場合、バージョンを更新すれば正常に復元できることがあります。
iOSとiTunesの最新バージョンに更新するアッデートの方法については下記の通りです。
【iOSアップデート手順】
- iPhoneホーム画面から「設定」アプリを開く
- メニューから「一般」を選択
- 「ソフトウェア・アップデート」をタップし、パスコードを設定している場合はコードを入力
- アップデートが必要な場合は「ダウンロードとインストール」をタップして開始
【iTunesアップデート手順】
- iTunesを起動
- メニュー画面で「ヘルプ」をクリック
- 「更新プログラムを確認」を選択
- アップデートが自動で開始
なお、バージョンの自動更新を「有効」にしておくと、バージョンアップする際に自動更新してくれます。
USBケーブルを確認する
iTunesを使ってバックアップを復元するには、PCとiPhoneを繋ぐUSBケーブルを必要としますが、ケーブルの故障や断線が原因で復元できないことがあります。
ケーブルの断線は外側ではなく、内部の見えにくい箇所で発生している可能性もあるので、ほかの機器でも使えるか試してみるとよいでしょう。
また、Apple純正品ではなく「非認証ケーブル」を使うと復元がうまくいかないことがあるので、iPhone専用の「MFi認証済みライトニングケーブル」を利用しましょう。
通信環境を確認する
バックアップの復元ができないときに考えられる要因として、PCまたはiPhoneの通信環境が問題となっている場合があります。
そのため、復元するまえにPCはWi-Fiや有線LANがしっかり接続されているか、iPhoneはWi-Fiに繋がっているか確認しておきましょう。
通信環境に問題がなくてもWi-Fiを利用する際、バックアップの復元を行う場所の電波状況を確認しておくことをおすすめします。
とくに電波状況が悪くWi-Fiが途切れるような場所では、復元中に作業が中断したり正常に復元できなかったりすることがあります。
PCの容量が十分か確認する
バックアップを行っている最中に「ディスク容量が不足しています」と表示されたら、PC上の容量に空きがなくバックアップができないことがあります。
この場合、PCにインストールされている不要なデータを削除してから、もう一度バックアップを行ってみましょう。
ただし、WindowsやMacのプログラムファイルなど「システムを運用するために必要なもの」まで削除すると、不具合を起こす可能性があるため、削除する際は1つずつ確認するようにしましょう。
PCのセキュリティソフトをオフにする
PC内で起動しているセキュリティソフトとiTunesが競合してしまい、復元の妨げている可能性が考えられます。
起動しているセキュリティソフトはPC画面の右下にアイコンで表示されているので、一時的に停止させてから復元を行ってみてください。
iTunesでのバックアップ復元作業が終わった後はインターネットを利用する前に、セキュリティソフトを再起動するのを忘れないようにしましょう。
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iCloudのバックアップが復元できない場合
iCloudとはApple社が提供するクラウドサービスで、スマホで撮影した動画や写真、音楽、書類などの情報をクラウド上に保存できます。
このiCloudを使った復元方法や、バックアップができない場合の対処法について詳しく解説していきます。


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iCloudの復元方法
iCloudからバックアップを復元するにはiPhoneを初期化する必要があるので、復元をする前にバックアップがとれているか確認しておきましょう。
確認が完了したら実際にiCloudの復元を行っていきましょう。
- iPhoneを初期化するため「設定」アプリから「一般」、「リセット」の順にタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択(設定によりパスコードを入力)
- 「iPhoneを消去」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力し初期化完了
- 「こんにちは」または「HELLO」と表示された画面下「→」を右へスライド
- 「日本語」で「日本」を選択し、利用するキーボードにチェック
- 利用する「Wi-Fiネットワーク」をタップし、パスコードを入力
- 位置情報サービスの「オン」「オフ」を選択し、「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDとパスワードを入力し「次へ」をタップ
- 利用規約を読み「同意する」をタップ
- 保存したバックアップデータを選択してタップ
- 再起動され復元が完了
操作が完了するまでに数十分程度かかることがあるので、時間に余裕を持って作業を行いましょう。
iCloudのバックアップが復元できない場合の対処法
iCloudを使ってバックアップの復元を行っている途中に、エラーが発生する場合や復元できなくなることがあります。
ここでは、iCloudでバックアップの復元ができないときの対処法をいくつか紹介します。
Wi-Fiに接続できているか確認する
iCloudでバックアップを復元する場合、Wi-Fiに接続するのが大前提となります。そのため、Wi-Fi環境がない場所では復元できません。
公共機関などに設置されている「無料のWi-Fiスポット」を利用すれば復元できますが、大勢の人が接続する場所では通信が不安定になるので、可能なら利用者の少ない場所を選びましょう。
また、自宅の「Wi-Fiルーター」を利用する場合、コンセントを一度抜いてから再起動すると復元できることがあるので試してみてください。
Apple IDが正しく入力されているか確認する
複数のApple IDを取得している場合、たとえばバックアップデータを保存したApple IDと異なるIDを入力してしまうと復元できません。
そのため、バックアップの際に利用したApple IDと一致させるために、所有しているIDを一度整理してから入力し直すようにしましょう。
iCloudの容量が十分か確認する
iCloudの容量が不足した状態で復元した場合、「iCloud ストレージが不足している」という警告が表示され、バックアップの復元ができません。
iCloudのストレージ容量は事前に確認できるのでバックアップを行うまえに、下記の手順で調べておきましょう。
- 「設定」アプリを開く
- 「ユーザー名」から「iCloud」をタップ
- 「ストレージを管理」から「バックアップ」をタップ
- 画面上部にストレージ容量の状況が表示される
ストレージ容量が不足した場合、ストレージのアップグレードができます。
ストレージ容量 | 料金 |
---|---|
50GB | 130円(税込) |
200GB | 400円(税込) |
2TB | 1,300円(税込) |
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iPhoneにバックアップできない原因がある場合
iTunesやiCloudではなくiPhoneが原因でバックアップできないことがあります。いったいどのような場合があるのか見ていきましょう。
iPhoneのバージョンが最新版か確認する
バックアップの復元中に「エラーが起きたためコンピュータでデバイスをバックアップできない」というメッセージが表示された場合、iPhoneのiOSを最新バージョンにする必要があります。
iPhoneのiOSを最新バージョンにアップデートする方法
- iPhoneを電源に接続
- Wi-Fiでインターネットに接続
- 「設定」、「一般」の順に選択し「ソフトウェア・アップデート」をタップ
- 「ダウンロードしてインストール」をタップ
- すぐにインストールする場合は「インストール」をタップしたらアップデート完了
アップデートのインストールを後からする場合、「後で」をタップして「夜間にインストール」または「後で通知」を選択してください。
また、パスワードの入力画面が表示されたら入力が必要となるので、パスワードを事前に準備しておくとスムーズに更新できます。
iPhoneのロックを解除する
iTunesの復元方法で多い原因の1つとして「iPhoneがロックされた状態」となっているため、復元できないことがあります。
iPhoneのパスワードを入力すればロックを解除できます。パスワードを何度も入力間違えると、一定時間利用できなくなるので注意が必要です。
「iPhoneを探す」をオフにする
iPhone端末が紛失したり盗難に遭ったりしたときに「iPhoneを探す」機能を利用すれば、自分のiPhoneの位置情報を追跡できます。
この「iPhoneを探す」機能がオンになっていると、iCloud・iTunesどちらも復元できない仕様になっているため、復元するにはオフにしなければなりません。
iPhoneを探す機能をオフにする方法
- iPhoneで「設定」アプリを開き「アカウント名」を選択
- Apple IDの下に表示された「iCloud」をタップ
- 「iPhoneを探す」を選択して機能をオフにする
- Apple IDのパスワードを入力して「オフにする」をタップすれば完了
最後にバックアップデータの復元が完了したら、「iPhoneを探す」機能を有効に戻すのを忘れないよう注意しましょう。
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それでも復元できない場合の対処法
様々な方法を試してみてもバックアップの復元ができない場合、リカバリーモードや専門の業者に依頼するといった方法があるので詳しく解説します。
リカバリーモードで復元する
リカバリーモードとはiPhoneをバックアップから復元したり、初期化するためにiPhoneを専用のモードにすることをいいます。
リカバリーモードはPCが必要でiPhone端末のみでは行えません。
- PCを起動しiTunesを最新バージョンにし終了
- iPhoneの電源を切る
- PCとiPhoneを接続ケーブルでつなぐ
- iTunesを起動
- リカバリーモードの画面が表示されるまでiPhoneのボタンを長押し※
- PC画面で「iPhoneを復元」を選択し、「復元と更新」を選択
- 「次へ」「同意する」の順に選択するとダウンロードが開始
- 復元が開始される
※iPhone端末によって操作方法が異なります。
iPhone端末 | 操作方法 |
---|---|
iPhone8以降 | 音量を上げるボタンを押し、すぐに放す 音量を下げるボタンを押し、すぐに放す 「iTunes に接続」と表示されるまで、電源ボタンを長押しする |
iPhone 7/7Plus | 「iTunes に接続」と表示されるまで、電源ボタンと音量を下げるボタンを同時に押し続ける |
iPhone 6s以前 | 「iTunes に接続」と表示されるまで、ホームボタンと電源ボタンを同時に押し続ける |
また、リカバリーモードを行う際はデータがすべて消去される可能性があるので、iPhoneのバックアップを定期的に保存することをおすすめします。
データ復旧・取り出しサービスを利用する
自分でできる対処法を行ってみたにも関わらずバックアップが復元できなかった場合は、データ復旧・取り出しサービスを行っている専門の業者へ依頼したほうがよいかもしれません。
もちろん、依頼だけではなく「復元方法がわからない」「エラーで復元できない」といった相談にも対応してもらえるので、うまく活用することをおすすめします。
Apple サポートへ問い合わせる
様々な方法を試してみた結果、バックアップが復元できないときはiPhone自体が故障している可能性も考えられます。
この場合、Appleサポートセンターへ問い合わせることを視野に入れましょう。問い合わせの種類には「メール」「チャット」「電話」の3種類から選べます。
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復元方法を1つずつ試してみよう
iPhoneのバックアップデータを復元するには「iTunes」や「iCloud」を使った方法があるので、自分に合う最適な方法で実践してみましょう。
iPhoneのバックアップデータが復元できないときは、これまで紹介した対処法を参考にしてみてください。
もしも自分で行うのが不安な場合や、様々な対処法を試してみても復元できないときは、専門の業者に依頼するかAppleサポートセンターに相談することをおすすめします。