IIJのフルMVNO化が個人ユーザーに与えるメリットとは?【IIJmio meeting 19】

2018年4月14日に開催された「IIJmio meeting 19」。その中で語られた、IIJのフルMVNO化が個人ユーザーに与える影響・メリットについて、SIMチェンジ編集部が参加レポートとしてまとめました。フルMVNO化で通信環境が改善する、その理由とは?
この記事の目次
2018年4月14日、東京都千代田区のIIJグループ本社でMVNO・携帯電話網についてのトークイベント「IIJmio meeting 19」が開催されました。毎回恒例、IIJ 堂前清隆さんの「IIJmio Update:2018/1~」から始まり、永野秀太郎さんの「みおふぉん教室:端末?それならIIJmioでチェックしよう」、磯邊大輔さんの「MWC2018 現地レポート」、大内宗徳さんの「IIJ フルMVNO徹底解説」の4セッションが行われ、最後に参加者からの質問に回答するフリートークが行われました。

ノベルティの1つ「ワッフル」は「フルMVNO」と掛けているそうです
今回は、フリートークからも参加者の関心の高さがうかがえた「IIJのフルMVNO化」について、特に個人ユーザーに与えるメリットを中心に、SIMチェンジ編集部の参加レポートをお届けします。
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IIJが3月に発表した2つのフルMVNOサービス
元々、ライトMVNOとして「格安SIM」「格安スマホ」と呼ばれる個人向けサービスであるIIJmioや、法人向けサービスである「IIJモバイル」を提供していたIIJですが、2018年3月からフルMVNOとして、以下の2つのサービスの提供開始を発表しました。
- IIJモバイルサービス タイプI(法人向け)
- Japan Travel SIM(訪日旅行者向け)
フルMVNOやIIJのフルMVNOサービスについて、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
IIJのフルMVNO化の第一弾として発表された2つのサービスはどちらもIIJmioとは直接関係のないサービスとなっていますが、これらのサービスがIIJmioに与える影響や、フルMVNOサービスの個人ユーザー向けの展開について、ユーザーの関心が高まっています。
フルMVNO化はIIJmioサービスに直ちに影響はない
IIJmio meetingの中で、IIJ堂前さんは「IIJmioはどうなるの?」という声に対して、「IIJmioのサービスに直ちに影響はありません」と発表しました。
すでに契約しているSIMに関してはサービス内容の変更もなくそのまま利用でき、新規に契約するSIMについてもフルMVNO化で発行が可能となる独自のSIMでなく従来型のSIMで提供すると発表しています。また、新サービスについても今すぐの提供は予定していないそうです。
IIJのフルMVNOサービスについて語るIIJ堂前さん


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それでもフルMVNO化は個人ユーザーに影響やメリットがある
「直ちに影響はない」とはしつつも、堂前さんは個人ユーザーへの影響・メリットとして、以下の2点を挙げました。
- IoT化が進み家電や住宅設備などでIIJのSIMが使われる
- 通信環境が改善される
IoT化が進み家電や住宅設備などでIIJのSIMが使われる
IIJがフルMVNO化し、提供を発表したサービスの1つが、IIJモバイルサービス タイプIです。
フルMVNO化することにより、「SIMライフサイクル管理」と呼ばれるSIMの休止機能や、小型センサーへの組み込みを想定した数mm角のIC型SIMなどの独自型SIMの発行が可能となり、IoT製品へのIIJのSIMの導入の加速が予想されます。
「SIMライフサイクル管理」機能の活用事例(出典:IIJmio meeting 19 IIJmio Updates 2018/01~2018/03)
IoT化が進み、家電や住宅設備などでIIJのSIMが使われるようになると、「気がつかないうちに、皆さんの家で使われているかもしれません」と堂前さんは発表していました。また、IIJのSIMが入った製品をIIJmioでも販売していきたい、とも考えているそうです。
通信環境が改善される
さらに直接的に個人ユーザーへのメリットとなりえそうなのが、通信環境改善への影響です。
格安SIMや格安スマホのデメリットとしてよく挙げられるのが通信速度の遅さですが、これは通信の需要のピークが昼頃に集中しているものの、ピークの需要に合わせた設備を借り受けてしまうと、ピーク以外では無駄な仕入れが発生してしまい、ビジネスとして成り立たなくなってしまうという、構造上の問題に起因しています。
需要に波がありすぎて、ピークに合わせて設備を借りると無駄が多い
この構造上の問題を解決するためには、現在需要のピークとなっている昼頃以外の需要を埋めていく必要があり、現在の格安SIM・格安スマホ以外の属性の利用者を増やす必要があります。
IIJはフルMVNO化でIoT製品へのIIJのSIMの導入を進めることで、例えば深夜・早朝の遠隔監視など、現在の需要のピーク以外での通信需要を開拓し、新たな収益源を確保することで、さらなる回線を借り増すための原資にしようと考えているそうです。
深夜・早朝などの需要を埋めると設備を借り増す原資が生まれる
IIJの考えがよくわかるIIJmio meeting
今回、「IIJのフルMVNO化」が個人ユーザーに与える影響について、IIJmio meetingで発表された内容をまとめました。直ちにIIJmioサービスへの影響はないものの、IoT製品に組み込まれたIIJのSIMをいつの間にか利用していたり、フルMVNO化で生まれる新たなサービスのおかげでIIJ全体の通信設備が増強されるなど、少なからず個人向けユーザーへの影響やメリットを期待できる発表でした。
第19回を迎えた今回のIIJmio meetingでは、この他にもIIJmioにおける端末の取り扱い戦略や、MWC2018からIIJが考える通信の未来、フルMVNOサービスに利用される技術など、IIJの考えがディープにわかるセッションが繰り広げられました。ライブ中継や資料公開もありますので、興味のある方はぜひ参加・閲覧してみてください。
SIMチェンジでは、継続的にIIJmio meetingに参加し、そのレポートをお伝えできればと思います。