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IIJのフルMVNO新サービスを徹底解説 SIMの開通・中断が自由にできる

IIJがフルMVNOの新サービスを開始。加入者管理機能を自社でもつことでこれまではできなかった格安SIMサービスが提供できるようになりました。法人向けと訪日外国人向けからスタートした新サービスの内容、IIJmio(みおふぉん)の今後について解説します。

2018年3月15日、IIJmio(みおふぉん)などの通信サービスを提供するインターネットイニシアチブ(IIJ)がフルMVNOの新サービスを開始しました。IIJは2016年8月にフルMVNOサービスを実現するにあたって必要な加入者管理機能(HLR/HSS)の連携をdocomoに申し込み、承諾されていました。

フルMVNOでの新サービスとしてまずは法人向けに「IIJモバイルサービス/タイプI」の提供が3月15日より開始されました。IoT機器などのインターネットに接続が必要な製品と一緒に使うことに特化した法人向けのサービスで、SIMの開通を契約者自身でできるのがこれまでとの大きな違いといえそうです。

続いて4月2日に登場するのは訪日外国人向けのプリペイドSIM「Japan Travel SIM」のフルMVNO版。個人向けのIIJmio(みおふぉん)でのサービスについては2018年度の上期に「IIJmio/タイプI(仮称)」の開始が予定されています。

フルMVNOとライトMVNOの違い


フルMVNOとは

IIJはこれまで約2年間にわたるdocomoとの協議を続けてきました。その間、決算発表会や報道関係者向けの事業説明会にてフルMVNOについてのアナウンスをしてきました。SIMチェンジでもIIJのフルMVNO参入について紹介したことがありますが、あらためてフルMVNOと従来のライトMVNOの違いについて確認してみましょう。


フルMVNOとライトMVNO、それぞれのできることが違う

通常MVNOと呼ばれている格安SIMの事業者の多くはdocomoやauなどの大手キャリアの基地局や加入者の管理機能を利用してサービスを提供しています。フルMVNOの最大の特徴はSIMカードとユーザー情報をひもづけているデータベースである加入者管理機能(HLR/HSS)を自社で用意し、独立した移動体通信事業者になることです。SIMカードを入れたスマホの通知エリアに表示される事業者名もdocomoなどではなく、IIJなどのMVNOの名称となります。


フルMVNOではスマホの通知エリアの表示もIIJとなる

HLR/HSSを持つと大きく変わる点としてはSIMカードを自社で発行できるようになります。大手キャリアの作成したSIMカードではないので、デザインやロゴを変えられるのはもちろん、サイズや形も自由になります。もちろん現在のスマホに挿入できるサイズや形は決まっていますが、たとえば他の家電やロボットに取り付けるユニークな形のSIMカードを作れるようになるのです。

また、SIMの開通や通信の停止を管理できるようになることでより自由な料金プランの設定ができたり、海外の事業者と直接提携して新しいサービスを作れるようになります。

IIJのフルMVNO新サービスとは

IIJがフルMVNOとしてサービスを開始した新サービスでは自社でHLR/HSS持つことで、どのように変わるのでしょうか。法人向けのIIJモバイルサービス/タイプIと訪日外国人向けのJapan Travel SIMのそれぞれのサービス内容を解説します。

法人向けのIIJモバイルサービス/タイプI


効率的なSIMライフサイクル管理が最大の特長

法人向けのIIJモバイルサービス/タイプIは通常のスマホなどで利用するためというよりは、IoTなどの特定用途で効率的に利用するためのサービスです。フルMVNOならではのメリットは効率的なSIMのライフサイクル管理ができること。利用者自身でSIMの開通や利用中断の作業ができるようになります。IoT事業者が製品にSIMをとりつけて販売をする際、IoT製品の出荷のタイミングで自由に開通させられるのです。


アクティブ⇔サスペンドの切り替えで回線維持のコストを下げられる

開通前の在庫期間中はもちろん月額料金はかからず、余分な通信料金を支払う必要がありません。また、農業用など季節にあわせて使用する機器については、不要な時期はSIMの利用を中断することで月額料金を安く抑えられます。中断中は通信を利用できないので、盗難などで勝手に使われてしまう心配もありません。


SIMの開通や中断は専用の管理画面から。APIも公開される

SIMの開通というと難しそうに感じますが、作業は簡単です。管理画面でSIMの製造番号であるICCIDを入力、開通予定日を設定するだけ。設定した開通日が当日であれば数分後には020で始まる電話番号が発番されて使えるようになります。スマホにSIMカードを入れている場合は一度電源を落として再起動をするとIIJとスマホの通知エリアに表示され、アンテナが立ちます。また、電話番号についてはSMSを受信することでSIMカードに書き込まれます。。


製造番号を入力、開通ボタンで簡単に利用を開始できる。ほかにも、管理画面では通信量の確認やプランの変更もできるようになっている

開通予定日が翌日以降になる場合は、設定した日の未明(遅くとも朝9時頃まで)に開通します。大量のSIMを利用したいときはCSVファイルのアップロードでまとめて開通の登録ができます。

料金プランは2種類で1回線ごとに決められた通信量を利用できる定額プランと契約しているすべての回線で通信量を分け合うパケットシェア。SIMを取り付けたIoT機器からのデータの送信に使うことを想定し、アップロードの速度が制限されない上り優先オプションも用意されています。

IIJモバイルサービス/タイプI

 定額
(1回線ごとにデータ通信量を設定)
パケットシェア
(データ通信量を契約回線全体で共有)
初期費用3,240円/回線
※テスト通信は別途費用
3,240円/回線
※テスト通信は別途費用
SIM基本費用・アクティブ:216円/回線
・サスペンド:32円/回線
・アクティブ:216円/回線
・サスペンド:32円/回線
通信量の費用・10GB:3,456円
・15GB:4,212円
・20GB:4,752円
・30GB:7,128円
・50GB:11,340円
・パケットパックA:540円
・パケットパックB:594円
・パケットパックC:540円
※それぞれ利用条件あり。
ネットワークタイプ費用(インターネット接続)
・NAT:0円
・グローバルIPv4動的:216円/回線
・グローバルIPv4固定:864円/回線

(閉域接続)
0円
(インターネット接続)
・NAT:0円
・グローバルIPv4動的:216円/回線
・グローバルIPv4固定:864円/回線

(閉域接続)
0円
上り優先オプション2,916円-
最低利用期間1カ月1カ月

フルMVNO版Japan Travel SIM

Japan Travel SIMは主に訪日外国人向けとして販売されるプリペイドSIMカードです。こちらは法人向けのサービスのように大きな特徴はなく、これまでのプリペイドSIMとの違いはIIJ独自のSIMカードに変わったことです。SIMフリー端末に挿入するだけで、手軽データ通信が使えます。標準、micro、nanoのマルチサイズのSIMカードで、使うスマホやタブレットにあわせて台紙からカットします。


フルMVNO版Japan Travel SIM

Japan Travel SIM

 Japan Travel SIM 1.5GB(3in1)Japan Travel SIM 3GB(3in1)
価格オープンオープン
データ通信量1.5GB3GB
通信量追加可能可能
利用期間初回通信より30日間初回通信より30日間
通信速度下り最大788Mbps/上り最大50Mbps
(4G/LTE)
下り最大788Mbps/上り最大50Mbps
(4G/LTE)
SIMカードマルチサイズSIM
(標準/micro/nano)
マルチサイズSIM
(標準/micro/nano)
サポート対応言語日本語/英語/中国語(簡体字)日本語/英語/中国語(簡体字)

フルMVNOだからできることとIIJの今後の展開

個人向けのIIJmioでのサービス開始など、IIJのフルMVNOとしての本格的なサービス展開は2018年度からとなります。今後フルMVNOならではのサービスとしてIIJが準備をしている内容についても見てみましょう。

フルMVNOだからできること

IIJがフルMVNOだからできること、として挙げている内容は8つあります。

  • 安価なバックアップ回線の提供:メンテンナンス時など一時的に利用する回線を提供する
  • 国際閉域ネットワークの構築:海外の事業者との接続
  • オリジナルデザイン(SIM)
  • オリジナルピクト表示
  • 店頭在庫不可の軽減:回線維持費用が軽減され、多くの場所にSIMの在庫を置ける
  • 販売形態の多様化:トライアル用などにSIMを配布することが可能になる
  • チップSIMの提供:従来とは違う形の耐振動や耐衝撃性能に優れたチップ型のSIM
  • SIM内アプレットによる付加機能:SIM内の空き容量を使ったセキュリティ認証など


オリジナルのSIMカードやピクト表示はフルMVNOならでは

安価なバックアップ回線の提供やオリジナルデザインのSIMカード、オリジナルのピクト表示などは今回発表された新サービスで既に実現されています。今後に期待が持てるのは国際閉域ネットワークの構築。海外の事業者と直接提携して接続をすることで、海外でのより安価な通信の利用ができるようになる可能性があります。


SIMを自社で発行できるようになり、チップSIMなどこれまでと違うものが作れるようになる

現在開発中だというチップSIMは5ミリ×6ミリ×0.9ミリと小型。しかも耐衝撃や耐振動性能が高いだけではなく-40度〜105度の温度にも耐えられます。過酷な環境でも動作ができることで、今まで通信がしにくかった場所に置かれた機器などへのアクセスが容易になります。

同じく現在準備中で、さまざまな企業とビジネスモデルを含めて調整をしているというSIM内アプレット。こちらはSIMカード内の空いている領域を使ってアプリケーションやデータなどをSIMと一緒に提供できるものです。デジタル証明書を保存することでSIMを使った認証サービスなどを考えているということです。

IIJがフルMVNOになるデメリットとは

IIJがフルMVNOとしてサービスを提供することで利用者にとってデメリットとなってしまうことが1つあります。それはSIMロック。これまでIIJのタイプDではdocomoのSIMを利用していたため、docomoが販売するスマホの多くはSIMロック解除をしなくても利用できました。しかし、このフルMVNOのSIMカードはIIJが独自に発行したもののため、SIMロックのされたdocomo端末では利用できません。今後IIJmioでフルMVNOのプランが登場した際には、契約時に注意が必要です。


IIJのMVNO事業部副事業部長の安東宏二氏

もう1つ心配なのは料金です。MVNOが安くサービスを提供できるのは、大手キャリアの設備を利用することでコストを削減できていたから。もし自社で準備するものが増えると料金が高くなってはしまわないのでしょうか。この疑問について、3月15日に行われた報道関係者向けの説明会でIIJのMVNO事業部副事業部長の安東宏二氏によると「我々のランニングコストがそんなに変わることはございません」ということで、フルMVNOへの投資をした分の売上は伸ばしていかなくてはならないとしつつも「お客様にメリットのあるような見せ方にしていきたい」と回答しました。

これまでよりも料金プランの自由度が上がることから、よりそれぞれの利用者にあったサービスの登場に期待できるのかもしれません。

フルMVNOとしてのIIJの今後の展開は

今後の展開については2018年度までのスケジュールがIIJから公開されています。まずは2018年6月頃に国際ローミングの提供開始を予定。同じく上期にはIIJ IoTサービス対応やIIJmio向けのサービス開始、MVNEとしてフルMVNOでのサービスのOEM提供が計画されています。開発中のチップSIMの提供は2018年度の下期になるということです。


IIJの2018年度のフルMVNO展開スケジュール

その他では時期は未定としつつも検討が進められているのは、遠隔で情報の書き換えができるeSIMの提供や海外キャリアとの直接接続で国際ローミングよりもより安価な海外でのサービス提供などです。

IIJのフルMVNOサービスの拡充に期待

2018年3月から開始されたサービスは法人向けと訪日外国人向けのみということで、一般消費者へのメリットはまだ見えにくい内容となっています。しかしながら現在計画されている展開を見ると、より自由度の高いプランや海外でのサービス、SIMカード管理の利便性向上など、IIJのフルMVNO化による新しいサービスがどんどん登場しそうです。

しばらくは今までのプランやサービスとあわせて販売をしていくとのことですので、今後はより選べる選択肢が増えていくでしょう。それにより、より安く快適に格安SIMを使えるようになることを期待したいですね。

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