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【インタビュー】行政指導から1年のスマモバ、運営体制見直しでサービス向上へ

更新日:2020.03.03

「解約ができない」「問い合わせ対応が遅い」などのクレームが相次ぎ、2017年6月に行政指導を受けたスマモバ。それから約1年が過ぎ、さまざまな改善がなされているといいます。当時、非難の的となったカスタマーサポートの体制はどう生まれ変わったのか…WEBマーケティングの担当者に話を聞きました。

2017年6月、スマモバは、解約ができないなどの消費者トラブルが多数確認されたことから、消費者利益保護の規律や苦情等処理義務の違反などを理由に総務省から行政指導を受けました。その具体的な指導項目は、「解約手続きの改善」「適切な苦情処理の徹底」「誤認されない通信品質の説明」「解約時の割賦残債の明示」「初期契約解除制度の案内」の計5点。行政指導で一時は消費者からの信頼を失いかけたスマモバは、今どう変わったのでしょうか


運営会社であるスマートモバイルコミュニケーションズでWEBマーケティングを担当する販売推進営業部営業戦略課の課長・高橋翔さんに、行政指導を経たスマモバの今とこれからについて話を聞きました。

お客様の“当たり前”に応えられていなかった行政指導前のスマモバ

――語りにくい面もあるかと思いますが、まずは2017年6月の行政指導の件を聞かせてください。

高橋:はい。行政指導の件に関しましては、本当にたくさんの方からお叱りを受けました。ご迷惑・ご心配をおかけしてしまったユーザーの皆様、変わらず支援してくださった皆様、また関係各所の皆様に、この場をお借りしましてお詫びを申し上げます。行政指導以降、指摘を受けた項目に関して急ピッチで改善を進めておりまして、ようやく体制も整ってきたところです。

――行政指導を受けたのは、「解約手続きの改善」「適切な苦情処理の徹底」「誤認されない通信品質の説明」「解約時の割賦残債の明示」「初期契約解除制度の案内」の計5項目でした。これらに関して、具体的にはユーザーからどのような声が挙がっていたのでしょうか?

高橋:多くいただいていたのは「解約ができない」とか「コールセンターにつながらない」というお声、それから「解約時の割賦残債について知らなかった」というお声などですね。ユーザー数が日に日に増えていく一方で、コールセンターをはじめとしたカスタマー向けのインフラ整備が十分でなかったり、店頭やWEB上でのサービスなどに関する情報提供が不足していたということだと思います。

――解約ができなかったり、コールセンターにつながらないというのは、どうしてもユーザーに対して不誠実な印象につながってしまいますよね。

高橋:そうですね…。MVNOご契約者様の多くは、もともと大手キャリアを使っていた方々で、特にサポート面は比較される部分です。お客様がそれまで当たり前にできていたことが、スマモバではそうではなかったと。そこのニーズにきちんと応えられていなかったというのは、今回の大きな反省点となりました。

行政指導を経て、とことんユーザー目線のサービス体制へ

――行政指導を受けてどのような点が改善ポイントとして挙がったのでしょうか?

高橋:行政指導では5つの項目が挙がりましたが、大きく分けると、課題はカスタマーサポートに関する課題と情報提供に関する課題の2つです。いずれも、詰まるところはお客様の目線に立った姿勢が欠けていた結果だと受け止めています。ですので、大枠のテーマとしては「とことんユーザー目線のサービス体制の構築」ということになります。

――では、具体的にカスタマーサポートに関してはどのような改善を行ったのでしょうか?

高橋:もっとも注力したのは、お客様の声を拾うタッチポイントの増加です。コールセンターの席数を増やしたほか、WEB上でのチャットサポートの開始、WEBマイページの刷新などを行っています。お恥ずかしい話ですが、従来はWEB上で解約手続きができず、コールセンターに電話するか、直接販売店に行くかしかない状態でした。しかも、手続きの中には販売店でも対応ができず運営本部への電話対応のみのものもあったため、必然的にコールセンターに問い合わせが集中してしまっていました。

今回のマイページの刷新で、解約手続きのほか、プラン変更やオプションサービスの解約・追加、MNP予約番号の発行など、さまざまな手続きができるようになりましたので、お客様とのタッチポイントが大幅に増えて、コールセンターへの集中も改善できました。ちなみに、チャットサポートでは最初に要件を選んでいただく形式になっているのですが、行政指導で挙がっていた解約手続きのお問い合わせは、選択肢の最上段に記載しています。

――解約手続きというと、一般的には下のほうに記載されていることが多いと思いますが、スマモバはかなり堂々と記載していますよね。

高橋:お客様への分かりやすさをなにより優先した結果ですね(苦笑)。もちろん、解約したくならないようご満足いただく努力は常に続けていきますが、それでも100%というのは難しいので、ならばとにかく分かりやすい位置に記載をしてどなたでもスムーズに手続きしていただけるようにしましょうと。


出典:スマモバ

――これなら迷うことはかなりなくなりそうですね。一方の情報提供に関する改善はどうでしょうか?

高橋:本来伝えるべきことを十分にお伝えできていなかったという反省点がありますので、「どこに書いてあるか分からない」という状況がなくなるよう徹底的に改善しています。例えばWEBサイトでは、トップページの目立つ箇所に、契約に関する注意事項のリンクバナーを用意して、解約や割賦残債、通信品質、初期契約解除などについてもすぐに見られるようにしています。店頭などで配布する資料に関しても、これまで大量のテキストで記載していて分かりにくかった説明を、図表をメインにしたシンプルなものに変更してどなたにも理解していただきやすいように変更しています。

―――情報提供という意味では店頭での説明も重要になるかと思いますが、スタッフへの指導も強化しているのでしょうか?

高橋:それも重要課題と認識していまして、スタッフ教育はかなり注力している部分です。資料の変更にともなって店頭でのトークスクリプトも改めているほか、各販売スタッフには週次のeラーニングを実施してスキルアップを促しています。また、スマモバでは販売に関して独自の資格制度を設けています。まず各商品を扱うための販売員の試験があり、さらに高い知識と接客技術を持つスタッフとして、もう一段階上の試験をパスした方には「スマホコンシェルジュ」の称号を授与しています。現在は、全国に130名余りのスマホコンシェルジュがおり、店頭で接客を行っています。スマホコンシェルジュは、胸に丸いバッジをつけていますので、不明点などがございましたらお気軽にお声がけいただければと思います。

情報提供の充実で、コールセンターへの入電が8割減

――サービスの改善施策のあと、実際に成果は現れているのでしょうか?

高橋:カスタマーサポートの面では、従来お声の挙がっていた「コールセンターにつながらない」ということはほとんどなくなっています。これは数値にも現れていまして、つながらないピーク時は受電率(電話を応対できた割合)が42%という低水準だったのですが、2017年6月以降は、93〜94%という高い受電率をキープできています。そのときに受電対応できなかったお問い合わせに関しても、折り返しのお電話をさせていただいており、それも含めると、対応率は全体の99%に上ります。また別の側面では、まずコールセンターへの問い合わせ自体がピーク時の20%程度に減ってきている、というのもあります。これは、チャットによる問い合わせの分散のほか、WEBや店頭でサービスについてしっかり認識していただけていることの裏返しともいえると思います。

――不明点が減り、手続きも簡単になったことが数値に現れたわけですね。あと、ユーザーが気になることといえば、速度の面ですよね。

高橋:速度に関しても常に改善を進めています。音声SIMに関しては、従来も十分な速度を提供できていたのですが、データ専用SIMの、特に高トラフィックユーザー様の速度に関しては、弊社としても課題と認識していました。そこで、そういった普段からたくさんのデータ通信を行う方向けに先日リリースさせていただいたのが、毎日最大3GB使える『ギガプレミアム』という大容量プランです。ギガプレミアムは、高トラフィックユーザー様にも快適な速度でお使いいただけるよう、その他のプランと異なる周波数帯域を使ったプランとなっています。その恩恵もあり、2018年5月時点で回線の混みやすいお昼どきでも40Mbps以上(※)と、MNOに引けを取らないレベルの速度が実測で出せていますので、かなり快適にお使いいただけると思います。

※データSIMの場合。音声通話付きSIMでは4Mbps以上


スマモバ提供による2018年5月25日時点の実測データ(2018.5.29追記)

「スマモバは“銀河系一”のカスタマーサポートを目指します!(高橋氏)」


――いろいろな面で新しくなったスマモバのイチオシプランを教えてください。

高橋:やはり『ギガプレミアム』ですね。1日最大3GBまで使える大容量は他社様と比較してもなかなかないですし、なにより一定以上の速度を担保できる点が大きな強みとなっています。また、2018年5月10日からは、DSDS端末とのセット販売も開始しています。今まではギガプレミアムはデータ通信専用でしたが、複数のSIMを同時に使用できることになるので音声通話も問題なくできるようになります。より幅広い層の方にお使いいただけるのではと思っています。

――その他、オトクな情報などはありますか?

高橋:ご契約いただいた方に、通常有料の動画配信や電子書籍のコンテンツ利用を、一定期間無料で提供しております。無料期間終了後は、自動で契約を継続されることはありませんので、期間中は安心してお使いいただけます。また、独自のサービスとして『スマモバおたすけサポート』というオプションをご用意しています。こちらも初月無料で、お電話をいただくとスマホやタブレット、PCの問題をオペレーターが遠隔操作で解決するサービスとなっています。操作面やセキュリティ面などで分からないことは無料期間中にすべて解決していただければ、あとは安心してお使いいただけるかと思います。もちろん、不安な方は2カ月目以降も継続していただければと思います。

――では最後に、これからさらに信頼を回復して積み上げていくうえでのスマモバの展望を聞かせてください。

高橋:お客様のご期待に十分にお応えできず、一旦マイナスからのリスタートとなりましたが、この春、ようやくお客様のお声をくまなく拾ってサービスに反映していける運営体制が整ったと自負しております。サービス面で不足していた通話定額も設けて、速度面に関してもギガプレミアムで改善しております。ご満足いただけなかった部分については、皆様からフィードバックをいただきながら随時改善していく予定です。その上で大言壮語と思われるかもしれませんが、カスタマーサポートにおいては、日本一、世界一、銀河系一を目指してまいります。どこよりも充実したサービスとサポートで、より一層多くの方に安心してお使いいただけるMVNOになっていけたらと思います。ぜひ、新しく生まれ変わったスマモバにご期待ください!

公式サイト:スマモバ

掲載当初、記事中の『ギガプレミアム』の説明について1カ月に最大90GBのデータ通信が利用できると記載しておりましたが、毎日最大3GBの誤りでしたので修正いたしました。(2018.6.5追記)

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