Wonderlink「F-700使い放題」を使ってみた!低速使い放題の実力は?
パナソニックが展開するMVNOブランド「Wonderlink」(ワンダーリンク)は、700Kbpsで定額無制限に使用出来る「F-700使い放題」というプランがあります。今回は「F-700使い放題」を実際に利用して、使い心地をレビューします。
MVNOの格安SIMは競争の激化が進んだことで、高速データ通信容量の大容量化が進んでいます。最近では「使い放題」を謳ったサービスを提供するところも増えてきています。
Panasonicが展開するMVNOブランド「Wonderlink」(ワンダーリンク)は、700Kbpsで定額無制限に使用出来る「F-700使い放題」というプランを提供し、大きな注目を集めています。
そこで今回はWonderlinkにスポットを当てて、「F-700使い放題」を実際に使用してみたレビューをご紹介していきます。
Wonderlink「F-700使い放題」を使ってみた
この度、SIMチェンジ編集部ではパナソニック様のご厚意でWonderlinkの「F-700使い放題」のSIMをお借りすることが出来ましたので、さっそく使用感などをレビューしてみたいと思います。
なお、今回レビューに使用する端末はドコモの「Galaxy J SC-02F」です。
Wonderlinkの「F-700使い放題」は700Kbpsのはずが1Mbps出てる!
Wonderlinkの「F-700使い放題」は、月々1,580円(税抜)で高速データ通信容量は1GB、これを超えた分は700Kbpsで無制限に使える、というものです。
まずは皆さんが最も気になるであろう速度から。計測地は神奈川県横浜市郊外になります。
SIMを使い始めたのが10月1日からでしたが、そこから4日間で3回計った速度は下り約10Mbps弱、上り約2Mbps弱程度は出ていたことがわかります。
下から4番目、10月4日23時58分のデータを境に速度ががくっと低下していますが、これは高速データ通信が可能な1GBを超えたからです(赤で囲った部分が1GB以内の通信、青で囲った部分が1GBを超えた通信)。
上の画面キャプチャは10月1日から10月4日に掛けてのアプリ別の消費データ量(上位6つ)です。これらの合計が1010.7MB=約1GB超になるので、間違いありません。
これをご覧になった方がまず最初に抱かれる感想は「下りで約10Mbpsしか出ないのか」というものかもしれません。しかし通信速度は端末や場所、時間帯などの状況によって左右されます。筆者は普段IIJmioのSIMを使っていますが、速度ははこれとほぼ変わらないものです。つまり少なくとも筆者の環境におけるIIJmioとの比較においては、Wonderlinkの通信速度が著しく劣っているということはありません。
もう1つ抱かれる感想は「1GB使った後も1Mbps出てるじゃないか」というものでしょう。本来であれば1GB使い切った後は700Kbpsに速度が落ちるはずですが、いつ計っても、何度計っても1Mbps前後の速度が出ます。これはある意味「嬉しい誤算だった」と言えます。
「F-700使い放題」は速度制限後でも動画やゲームがさくさく出来る!
「F-700使い放題」が「使えるSIMかどうか」を判断する基準は、まさにこの「1GBを使い切った後の速度と使い勝手」というところにあると思います。
今回筆者は1か月間に渡って使用してきましたが「速度が遅くて困った」ということは1度もありませんでした(ただし「700Kbpsのはずが1Mbps出ていた」という前提があってのことだ、ということはご了承下さい)。
この1ヶ月で使用した合計データ通信量は約3.5GBで、アプリ別に通信量上位6位までの通信量を表したものが上の画面キャプチャになります(これだけで約3.2GB)。
1番データ量が多かったものは「Amazonビデオ」です。これは動画配信サービスになりますが、1時間半程度の邦画を標準画質で2本程度見ました。ストリーミング配信される動画のデータ量は一概に言えませんが、Amazonビデオの標準画質では概ね約1時間で500MB程度になるように思えます。
Amazonビデオをスマホのアプリ経由で見る場合、画質は「標準画質」「高画質」「最高画質」の中から選択することが出来ます。もちろん画質が良くなるほどデータ量は重くなりますが、1GBを使い切った後、つまり700Kbpsの速度制限を受けている状態であえて「最高画質」を選んで再生してみたところ、それでも動画が途切れることはありませんでした(ただし速度は1Mbps出ていましたが)。
次に多かったものは「YouTube」です。これは主に仕事中にBGM代わりにアーティストのミュージックビデオを再生していたものだと思います。毎日頻繁に見たというわけではなく、週に1回1、2時間程度見た結果がこの数字です。
YouTubeのアプリもAmazonビデオのアプリ同様に画質を変えることが出来ます。
上の画面キャプチャでは「自動」を除くと6つの画質が選べますが、動画によって選べる画質は変わり、ミュージックビデオ等は「1080p」という画質が選べることもあります。「自動」を選ぶと使っている回線の速度に合わせた最適な画質が自動的に選ばれます。
速度が700Kbpsに制限を受けている状態で「自動」を選ぶと「240p」で再生されました。これは当然途切れることもなくスムーズに再生されます。しかし明らかに画質が荒いので、「どうしても美しい画質で見たい」という方にとっては不向きです。
これを手動で「360p」「480p」に変更して再生したところ、どちらもスムーズに再生されました。ただ、「720p」にするとほとんどの動画が途中で途切れ途切れになってしまい、まともに視聴するのが困難でした。
このことから、ベストは「480p」ということが言えるかと思います。
これはYouTubeのパナソニック公式動画『乃木坂46応援力チャージPROJECT「乃木坂 ドキドキ キッチン」』をYouTubeのアプリで再生した際の画像のキャプチャです。上から「240p」「360p」「480p」「720p」となっていますが、「240p」はいかにも画質が荒いのがすぐにお分かりいただけるでしょう。「720p」がきれいなのは当たり前ですが、「360p」や「480p」でも個人的には十分視聴に耐えられる画質だと感じました。
3番目にあるのが「Megapolis」というゲームのアプリです。
これはいわゆる「都市育成シミュレーションゲーム」ですが、数日に1回、数分開いて街の発展状況を確認する程度です。30分も1時間も画面とにらめっこをしている、という性質のものではありません。使用上全く問題はありませんでした。
ただ、アプリを立ち上げた直後に大量のゲームデータがダウンロードされることがあり、この時はダウンロードが終わるまで1、2分待たされることはありました。この程度であれば十分許容範囲ではないでしょうか。
以上3つのアプリの使用状況をご紹介しましたが、これらは全てある程度の通信速度がなければ快適に使えないものです。筆者は個人的にIIJmioの「ミニマムスタートプラン」(月3GB)というSIMを使っていますが、高速データ通信容量を使い切ると(もしくはクーポンをOFFにすると)200Kbpsまで速度が低下します。この速度では正直なところ動画やゲームを快適に楽しむことは難しいです。
筆者がIIJmioのSIMをまともに使っていると約10日で高速データ通信容量を使い切ってしまい、残りの約20日間は200Kbpsの低速通信に甘んじていなければなりません。これを避けるには「なるべく高速データ通信容量を浪費しないようにちまちまと使う」もしくは「速度が200Kbpsに低下したら動画やゲームは一切使わない」という「我慢」を強いられることになります。これは結構なストレスになるんですね。
キャリアのSIMにせよMVNOのSIMにせよ、このような我慢をしている方は多いのではないでしょうか。
これがWonderlinkの「F-700使い放題」であれば、例え1GBの高速データ通信容量を使い切ってしまっても、動画やゲームをしても十分実用に耐えるだけの通信速度(公称700Kbpa、実質1Mbps)が出るんです。
しかも月々たった1,580円(税抜)です。
「Galaxy J SC-02F」でセルスタンバイ問題が発生!
これほど快適に使えるWonderlinkの「F-700使い放題」でしたが、実は「Galaxy J SC-02F」に挿して使っていると致命的な問題が発生してしまいました。
それが「セルスタンバイ問題」という、MVNOのデータ通信専用SIMを使う場合において発生し得るやっかいな問題です。
スマホというのは「音声通話」と「データ通信」という2つの機能を持っています。これらの機能を有効化するにはSIMを挿してあげる必要がありますが、データ通信専用SIMは音声通話の機能を有効化出来ません。これはスマホを司るOS側から見ると「データ通信は使える状態になっているのに、音声通話が使える状態になっていない」ということになります。
するとOSは「音声通話が出来るように電波をキャッチしないといけない」とフル回転をします。もちろんデータ通信専用SIMは音声通話には対応していないので、OSがいくら頑張っても電波はキャッチ出来ません。「OSがフル回転して頑張る」ということはそれだけバッテリーを消耗する、ということです。セルスタンバイ問題が発生して何が困るかというと、この「バッテリーの異常消耗」が最も困るんです。
この問題を解決するには「音声通話SIMを入れる」もしくは「SMS機能付きデータ通信専用SIMを入れる」のどちらかになります。いずれにしてもポイントは「SMS機能」です(音声通話SIMは通常自動的にSMS機能がついてきます)。というのもSMSは音声通話と同じ電波を使ってやり取りされるからです。SIMがSMS機能に対応していれば、OSはとりあえず「データ通信も音声通話も使える状態になっている」と認識するので、セルスタンバイ問題が発生することはありません。
しかし残念なことに、Wonderlinkには音声通話SIMもSMS機能付きデータ通信専用SIMもありません。
じゃあWonderlinkのSIMを使うと絶対にこのセルスタンバイ問題が発生するのか、というとそれは違います。
セルスタンバイ問題が発生するかどうかは、使用する端末、つまりスマホによって違います。たまたま筆者がレビューをするために用いた「Galaxy J SC-02F」では発生した、ということです。
Wonderlinkのサイトでは「動作確認済み端末一覧」というページを設けていますので、契約を検討している方はこちらをご確認するか、カスタマーセンターへ問い合わせをすることをお勧めします。
なお、セルスタンバイ問題が発生しているかどうかを確かめるにはスマホの設定画面から「一般」→「バッテリー」→「セルスタンバイ」のように進んでいくと上記のような画面が出てきますので、「圏外時間」という箇所を確認してみて下さい。
セルスタンバイ問題が発生していなければ「圏外時間」が0%になっているはずです。セルスタンバイ問題が発生している場合はここが「100%」になります。
ちなみに画面上部のLTE表示の右側に駐車禁止の標識のような表示が出ていますが、通常であればここにアンテナピクトが表示されます。アンテナピクトが表示されないことから「アンテナピクト問題」ということもありますが、アンテナピクトが表示されていてもセルスタンバイ問題は発生することがありますので、データ通信専用SIMを使っていて「最近妙にバッテリーの消耗が激しいな」と感じる方は1度確認してみると良いでしょう。
Wonderlinkが他のMVNOに劣る点
WonderlinkのSIMを使ってみて、明らかに他のMVNOに比べて劣ると感じることがいくつかあります。
まず1つめは「SMS機能がつけられない」という点。
これは先ほど触れたセルスタンバイ問題が発生する可能性があるということはもちろん、LINE等のアプリを使う場合に「SMS認証」が使えないのが困ります。大抵は他に代替手段が用意されていますが、SMS機能を使った認証が1番手っ取り早いことは間違いありません。
2つめは「高速データ通信のON/OFF機能がない」という点。3つめは「データ通信の利用状況を手軽に確認出来ない」という点です。
出典:Google
これは楽天モバイルで用意されている「楽天モバイルSIMアプリ」ですが、他社ではこのような専用アプリを用意して高速データ通信のON/OFFが行えたり、データ通信量のチェックを行えたりすることが多いです。Wonderlinkでは高速データ通信のON/OFFが出来ませんし、データ通信量のチェックはわざわざカスタマーセンターに連絡をする必要があります。
4つめは「バースト機能がない」という点、5つめは「余った高速データ通信容量の繰り越しが出来ない」という点です。
バースト機能というのは高速データ通信容量を使い切って速度制限が掛かっている場合において、通信の最初の一瞬のみ高速通信を行って大量にデータを受信してしまう、という機能です。データ量の軽いサイトやテキストデータ中心のサイトなどであればそれだけで読み込みが終了してしまうので、低速通信の弊害を受ける可能性が少なくなります。比較的ストレスなくネット接続が出来るということです。この機能を用意しているMVNOはIIJmioやDMM mobileなどいくつかありますが、Wonderlinkにはありません。
余った高速データ通信容量も翌月に繰り越せるに越したことはありません。必ずしも与えられた容量を使い切れる人ばかりとは限らず、繰り越し機能がなければ余った分は捨てることになってしまいます。
以上5点について、今後改善されれば更にユーザー満足度の高いSIMになると思います。
Wonderlinkのサービス概要
ここで、PanasonicのMVNOブランド「Wonderlink」のサービスの概要を、料金プランを中心に改めてみていきます。
Wonderlink「LTE Fシリーズ」は高速通信容量を使い切っても700Kbpsで使い放題
2015年11月現在でWonderlink(ワンダーリンク)が用意している料金プランは以下の通りです。
プラン名 | 月額料金 | 最大受信速度 | 高速通信容量 | SIM枚数 | SMS機能 |
---|---|---|---|---|---|
I-3Gシングル | 890円 | 225Mbps | 3GB/月 | 1枚 | 無し |
I-5Gシングル | 1,460円 | 225Mbps | 5GB/月 | 1枚 | 無し |
I-7Gシングル | 1,870円 | 225Mbps | 7GB/月 | 1枚 | 無し |
F-使い放題700 | 1,580円 (初月無料) | 225Mbps | 1GB/月 (超過後も受信最大700Kbps) | 1枚 | 無し |
F-7G | 2,480円 (初月無料) | 225Mbps | 7GB/月 (超過後も受信最大700Kbps) | 1枚 | 無し |
Wonderlinkはデータ通信専用SIMのみを提供しており、音声通話対応SIMの提供はありません。またSMS機能はオプションも含めて付加することは出来ません。この点はあらかじめ注意が必要です。
さて、Wonderlinkでは料金表の上3つを「LTE Iシリーズ」、下2つを「LTE Fシリーズ」と呼んでいます。
「LTE Iシリーズ」は1ヶ月に利用可能な高速データ通信の容量にそれぞれ制限が設けられているため「出来るだけ安く利用したい」「毎月使うデータ通信量がある程度決まっている」という方向けです。
一方の「LTE Fシリーズ」は、「LTE Iシリーズ」同様に利用可能な高速データ通信の容量がそれぞれ設定されてはいますが、それを超えた場合の通信速度の低下が700Kbpsに留まります。
「LTE Iシリーズ」や他社の一般的な料金プランでは月々可能な高速データ通信容量を超えた場合は通信速度が200Kbps程度にまで低下することが多い中、これは大きなアドバンテージと言えます。単純比較で3倍程度速い速度で通信が出来るからです。
「F-使い放題700」と「F-7G」の違いは月々可能な高速データ通信量で、前者は1GB、後者は7GBまでの高速データ通信が可能になっています。「毎月たくさん使うけど速度が700Kbpsもあれば十分」という方は「F-使い放題700」で十分でしょうし、「少し高い料金を払っても高速データ通信が出来る容量は出来るだけ多く欲しい」という方は「F-7G」を選ぶと良いでしょう。いずれにしてもヘビーユーザーにとっては非常に嬉しい料金プランと言えます。
Wonderlink「LTE Iプラン」と他社の料金プランを比較
Wonderlinkの「LTE Iプラン」は「I-3GBシングル」「I-5GBシングル」「I-7GBシングル」と3つの料金プランからなり、それぞれ月々3GB、5GB、7GBの高速データ通信が可能です。料金は890円、1460円、1870円となっていますが、これを他のMVNOと比較してみたいと思います。
MVNO | 3GB | 5GB |
---|---|---|
Wonderlink | 890円 | 1,460円 |
DMM mobile | 850円 | 1,210円 |
楽天モバイル | 900円 | 1,450円 |
IIJmio | 900円 | 1,520円 |
OCN | 1,100円 | 1,450円 |
MVNO | 7GB |
---|---|
Wonderlink | 1,870円 |
DMM mobile | 1,860円 |
ぷらら | 2,036円 |
月々7GBのプランを用意しているMVNOは少ないので、「3GB」「5GB」と「7GB」の比較表を分けてみました(楽天モバイルの3GBは「3.1GBプラン」です)。
こうして比較してみると、Wonderlinkはどの料金プランでも「中々頑張ってるな」という印象です。
DMM mobile(DMMモバイル)は「全プラン業界最安値」を謳っているためこの手の比較では必ず最安値になりますが、WonderlinkはDMM mobileに匹敵する料金設定になっていて3GBではDMM mobieに次ぐ安さです。5GBはDMM mobile、楽天モバイル、OCN モバイル ONEに次ぐ4番目の料金ですが、2番手の楽天モバイル、OCNの1,450円とは10円差の1,460円となっています。
7GBは3GB以上にDMM mobileに肉薄しています。DMM mobileが1,860円に対してWonderlinkは1,870円と10円差しかありません。
以上のことから、料金の安さを重視するユーザーにとってWonderlinkの「LTE Iプラン」は必ず選択肢に入れておくべきMVNOだと言えます。
Wonderlink「LTE Fプラン」と他社の料金プランを比較
Wonderlinkの「LTE Fプラン」の料金プランは「F-使い放題700」と「F-7G」の2つです。この2つの違いは前述したように月々の高速データ通信容量が1GBか7GBか、という点にあり、どちらも容量を超えた場合に通信速度が700Kbpsとなります。
一定の高速データ通信容量を使い切った後も700Kbpsの速度が保たれることから、どちらもいわゆる「使い放題」と呼ばれる範疇の料金プランになると言っても差し支えないと思います。こちらも他のMVNOの似たような料金プランと比較してみることにします。
MVNO | 料金 | 高速通信容量 | 通信速度 |
---|---|---|---|
Wonderlink F-使い放題700 | 1,580円 | 1GB | 1GBまでは225Mbps 以降は700Kbps |
Wonderlink F-7G | 2,480円 | 7GB | 1GBまでは225Mbps 以降は700Kbps |
b-mobileSIM 高速定額 | 1,980円 | 無制限 | 非公表 |
ぷらら 定額無制限 | 2,980円 | 無制限 | 3Mbps |
U-mobile LTE使い放題 | 2,480円 | 無制限 | 225Mbps |
上の表で純粋な意味での「使い放題」はb-mobile(ビーモバイル)の「高速定額」、ぷららモバイルLTEの「定額無制限」、U-mobileの「LTE使い放題」になります。この3つは月々の高速データ通信容量や速度の制限が掛けられていないからです。
ただし通信速度に着目するとb-mobileは非公表、ぷららは3Mbps、U-mobileは225Mbpsとかなりのバラつきがあります。
b-mobileはドコモのXiネットワークを使用しているので、Xiエリア内であれば(速度はともかくとして)LTE通信は可能だと思われます。とは言え速度について一切言及していないのはユーザーにとって若干気になるところです。
ぷららは3Mbpsとなっていますが、逆に言えばこれ以上の速度は基本的には出ない、とも言えます。U-mobileは公式サイトの案内をそのまま読めば最大で225Mbpsの速度は出る、ということになりますが、これはあくまでもベストエフォートなので常にこの数字が出るわけではありません。
速度さえ安定して出ればb-mobileSIMが総合的にみて1番割安になるでしょう。ぷららは若干割高感が否めません。Wonderlinkはどうかと言うと、「F-7G」はb-mobileSIMとU-mobileの速度次第で評価が変わります。この2つが比較的高い速度を出すのであれば、Wonderlinkは7GB以上使うと速度が低下する分だけ割高になります。逆にb-mobileSIMとU-mobileの速度が思ったより出ない(例えば常時数Mbps程度)ということになると「F-7G」を選択する余地が出るかな、と思います。
「F-700使い放題」は1GBを使い切った後の700Kbpsという速度をどう捉えるか、次第になります。ご自身の利用状況から考えて「700Kbpsではちょっと不安」と思うか、「700Kbpsで十分」と思うか、ということです。「700Kbpsで十分」という場合、非常に割安な料金プランと言えます。
なお、「F-700使い放題」の月々1,580円という料金は、他のMVNOでは概ね月5GBのプランと同程度の料金です。同じWonderlinkにも1,460円で使える「I-5GBシングル」というプランがあります。毎月5GB前後の利用で収まる、という方は5GBまで高速データ通信が行える「I-5GBシングル」のようなプランを選んだ方がいいかもしれませんが、ほぼ確実にそれ以上の利用になるという方は、速度が出る分「F-700使い放題」を選んだ方がより幸せになれると言えるでしょう。
『Wonderlink「F-700使い放題」のレビュー』のまとめ
以上、「F-700使い放題」を実際に使用してみてのレビューとWonderlinkの紹介でした。
細かい点では色々と改善して欲しい点はあるものの、業界最安値に近い料金設定と安定した通信速度が出る点は多くのユーザーにとってありがたいことだと思います。
特に今回使用した「F-700使い放題」はWonderlinkに数ある料金プランの中でも最もお得度が高いものです。SIMフリースマホやルーターに入れてテザリングでパソコンを使う、しかも大容量のデータを頻繁にやり取りする、といった「超ヘビーユーザー」には速度の点で若干不満は出るかもしれませんが、スマホで「毎日のように長時間ネットサーフィンをして色々なサイトをチェックする」「動画やゲームも人並み以上に利用する」という「ライト寄りのヘビーユーザー」には打ってつけなプランです。
現在キャリアのSIMを使っていて高い料金に悩まされている方、他のMVNOを使っていて毎月のように高速データ通信容量を使い切ってしまっている方などはこの機会にぜひWonderlinkの「F-700使い放題」をご検討してみてはいかがでしょうか。