WiMAXと格安SIMの併用でスマホ代を節約する方法|おすすめの組み合わせは?

スマホをデータ使い放題にしたくても、料金が高くて手が出ない。そんなときは高速でデータ通信量無制限のWiMAXと料金の安い格安SIMの併用を検討しましょう。この記事ではそれぞれの特徴と併用のメリット、おすすめの格安SIMを紹介します。
この記事の目次
月末が近づくたびに感じる「限られた予算でなんとかより快適に余裕を持って利用できないものだろうか」という問いは、永遠のテーマなのかもしれません。
そんな悩みを解消できる1つの方法が、無制限のデータ利用量を低料金で使えるWiMAXと、インターネット端末としての格安SIMの併用です。ただし、うまく利用するには、まずそれぞれをよく知る必要があります。
より快適で、コストパフォーマンスの高いインターネット環境としての併用パターンをじっくり考えてみましょう。
WiMAXの特徴
WiMAXはスマホやパソコンなどの通信機器を接続する「中継器」の役割を果たします。
まずはWiMAXがどのようなサービスなのか、他の回線にはないその特徴から見てみましょう。
家でも外出先でもネットが使える
WiMAXはネット接続にモバイルWiFiルーター端末を使います。充電式バッテリーでモバイル電波を送受信するので、充電するとき以外ケーブルをつなぐ必要はありません。
ADSLや光回線といった固定回線は、原則として設置場所及びその周辺でしかネット接続できませんが、WiMAXはモバイル電波が受信できる場所ならどこでもネットが使えます。
WiMAXで使うモバイル電波はドコモやauのスマホで使うものとはまったく違いますが、2019年時点ですでに人口カバー率は99%を超え、全国主要都市であれば屋内外問わずエリアの心配はほぼありません。
エリア内であれば自宅はもちろん、気分を変えるために利用するカフェや公園、変わったところでは富士山頂でも、パソコンなど必要な機器さえあれば、そこで仕事をこなすのも不可能ではありません。
工事も配線もなしで使える
固定回線は、ケーブルや機器を正しく設置して初めて利用できます。設置工事ができるのは法律で「有資格者のみ」とされ、設置希望者の多い時期はなかなかスケジュールが合わず開通に時間がかかるのが現状です。
引越しなど設置場所が変わると工事が必要で、その度に手配の手間や費用が発生します。
その点、WiMAXはケーブルを使わないため設置工事が不要です。きちんと登録された端末さえあれば引っ越した先でもすぐにインターネットが利用できます。この手軽さはWiMAXの大きなメリットです。
ポケットWiFiとの違い
モバイル電波を使うWiFiルーターを「ポケットWiFi」と呼ぶことがありますが、本来これは誤りです。
ポケットWiFiは、ワイモバイルが提供するモバイルWiFiルーターサービスのことで、WiMAXとは異なります。
WiMAXは、UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiFiサービスです。So-netや@niftyなど多くのプロバイダが利用しており、様々なサービス内容から選べるようになっています。
格安SIMの特徴
次に、格安SIMの特徴を解説します。
格安でスマホやタブレットが使える
「SIM」とは「SIMカード」のこと。スマホやタブレットでモバイル回線を使った通信に必要なICカードのことです。
格安SIMとは、その利用料金が大手キャリアより安い通信サービスをいいます。
格安SIMは、通信インフラを「大手キャリアから借りる」ことでその安さを可能にしています。自前と比べてその維持や管理にかかるコストの削減できた分を料金に反映させているのです。
▼格安SIMがなぜ安いかは以下記事で詳しく解説しています。
SIMカードのサイズ
SIMカードは大きい順に、標準SIM、microSIM、nanoSIMの3種類がありますが、どのタイプのSIMカードでも料金に違いはありません。
ただし、スマホ・タブレットはそれぞれ使えるSIMカードのタイプが決まっているため、端末に合ったタイプを指定する必要があります。
大手キャリアと同じ品質の通信
格安SIMの通信品質は、使っている大手キャリア回線と基本的に同じです。ただし、通信速度に関しては大きく分けて75Mbps以上の「高速」タイプと、200kbps前後の「低速」タイプがあることには注意が必要です。
高速タイプは大手キャリアとほぼ同じですが、低速タイプは高画質動画の再生途中で止まったり、ナビ・地図アプリでのリアルタイム表示に時間がかかることもあります。
WiMAXと格安SIMを組み合わせて使うのがおすすめ
スマホを利用する上でネックになるのはおそらく、
- 月あたりに使えるデータ利用量が足りない
- データ利用量を無制限にすると料金がかなり高い
の2つでしょう。
WiMAXと格安SIMを組み合わせると、
- 月あたりに使えるデータ量を無制限にできる
- 無制限プランでも大手キャリアより安い料金
とすることができます。
月あたりに使えるデータ量を無制限にできる
スマホと同じように、WiMAXにもデータ利用量無制限のプランがあります。しかも使う端末によっては実測値で700Mbps前後(WiMAX2+の場合)と、大手キャリア並の高速通信が可能です。
これなら、高画質動画の再生もスムーズで、大容量アプリのダウンロードにかかる時間も短くてすみます。しかもデータ利用量を心配することがなくなります。
一方格安SIMは、用途を通信データ量が比較的少ないWeb検索やSNSなどに絞れば、月あたりのデータ量を超えることはおそらくないでしょう。もし超えてしまってもWiMAXを経由すればよいだけです。
両方を契約しても思ったより料金は上がらない
「2つも契約したら料金は高くなる」と思うかもしれません。そこで、契約12ヶ月目の条件が近いプランを比較してみました。
大手キャリア(ドコモ)の場合
基本プラン | 700円(5分通話無料オプション) |
---|---|
ネット接続サービス | 300円(spモード) |
パケットパック | 6,980円(ギガホ・契約後7ヶ月目以降) |
合計 | 7,980円 |
利用条件 | データ利用30GBまで 1回5分以内の音声通話が無料 |
※すべて基本的な料金を適用(税抜)
WiMAX2+と格安SIM「楽天モバイル」の場合
WiMAX2+(Broad WiMAX) | 3,411円(税抜)(ギガ放題プラン・3〜24ヶ月目) |
---|---|
楽天モバイル(組み合わせプラン) | 3,000円(税抜)(5GBプラン・10分かけ放題) |
合計 | 6,411円(税抜) |
利用条件 | データ利用無制限+5GB 1回10分以内の音声通話が無料 |
この比較では、WiMAX・格安SIM併用の方が1,500円ほど安い、1回あたりの音声通話時間が長い、データ利用量が無制限と圧倒的にメリットが高いといえます。
ただし、これはあくまでプラン比較の一例です。具体的に検討する場合は、プロバイダごとに厳密に計算して比較しましょう。
デメリットもあることに注意
とはいえ、実際に使う上ではWiMAX・格安SIMの併用にはデメリットもあります。
- WiFiルーターの充電残量も管理しなくてはならない
- WiFiルーターもスマホと一緒に持ち歩かなくてはならない
- 通信時、WiMAXでの通信なのかどうかを確認しなくてはならない
- 料金の支払い先が2つに増える
どれも手間がかかったり面倒になるといったものですが、それでも次のような使い方をするならデメリットにはならないかもしれません。
- スマホよりパソコンやタブレットでWiFi通信することが多い
- WiFiルーターは常に持ち歩いているバッグに入れっぱなしで使う
- どちらの料金も同じクレジットカードで支払う
WiMAXと併用するのにおすすめの格安SIM
では最後に、WiMAXと併用するのにおすすめの格安SIMを5つ紹介します。
どれも「広い通信エリアである」「格安でスマホ・タブレットが使える」ものばかりです。
ワイモバイル

ワイモバイルは格安SIMの1つとされていますが、提供しているのは大手キャリア「ソフトバンク」そのものなので、ソフトバンクと同じサービスエリア・通信速度・つながりやすさなので安心して利用できます。
また多くの格安SIMが専門の店舗を設けておらずサポートに不安がある中、ワイモバイルは全国に約4,000の専門ショップを設けているので、あまり詳しくないユーザーにも安心しておすすめできます。
WiMAXとの組み合わせがおすすめのワイモバイルのプラン
料金は利用データ量ごとにS・M・Lに分かれたスマホプランが主流です。すべて1回10分までの国内通話が無料で、おすすめは月あたりのデータ利用量3GBまでのSプラン(月額2,680円(税抜))です。
現在「データ増量無料キャンペーン」を開催中で、契約後1年間1GB追加の4GBが無料で利用できます。とくにこれまでソフトバンクを利用していたなら、乗り換えやすい格安SIMといえるでしょう。
UQモバイル

UQモバイルは、auと同じKDDIグループの1つ「UQコミュニケーションズ」の提供する格安SIMです。格安SIMにはめずらしく「@uqmobile.jp」というキャリアに近いドメインのメールアドレスが使えます。
WiMAXとの組み合わせがおすすめのUQモバイルのプラン
WiMAXとの併用を考えると、音声通話ができるスマホプランがおすすめです。利用データ量が最も少ない3GBのプランSなら、1回10分の国内通話無料オプションを加えても2,680円(税抜)と格安だからです。
音声通話し放題には+1,000円で変更できます。逆に少なくてよいなら月60分までが無料のオプションにすれば200円安く、かけ放題を外せば700円安い料金ですみます。
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルは、利用回線を現在ドコモ・auの2つから選ぶことができます。料金は利用データ量ごとに1GBから30GBまで6種類が用意されています。
WiMAXとの組み合わせがおすすめのBIGLOBEモバイルのプラン
最も人気があるプランは、音声通話SIMの6GBプラン(月額2,150円(税抜))です。
音声通話オプションは豊富に用意されており、10分かけ放題または通話パック90(月90分まで無料)で月額830円(税抜)、3分かけ放題または通話パック60(月60分まで無料)だと月額600円(税抜)となっています。
BIGLOBEモバイルを提供しているBIGLOBEはWiMAX2+サービスも提供しています。それらを同時に利用すればセット割が適用され、WiMAX2+の月額料金が200円割引になりよりお得に利用できます。
また、スマホのプランを6GBより少ないものに変えればさらに料金を抑えることができます。たとえば1GBプランにすると、10分かけ放題オプションを加えても2,280円(税抜)とかなり割安です。
楽天モバイル

楽天モバイルは、現在サービスしている中では最も人気の高い格安SIMです。
回線はドコモとauから選べて、料金プランにはデータ利用量ごとに設定された「組み合わせプラン」と、ドコモ回線限定の「スーパーホーダイ」があります。
WiMAXとの組み合わせがおすすめの楽天モバイルのプラン
音声通話できるプランをと考えると、10分かけ放題が含まれているスーパーホーダイがおすすめです。スーパーホーダイは、最低利用期間がないためそもそも契約解除料(いわゆる「違約金」)がありません。
プランSなら月額2,980円(税抜)ですが、契約から1年間は1,500円割引され1,480円(税抜)です。また楽天のダイヤモンド会員になれば、該当の期間さらに500円割引の980円(税抜)という驚きの料金で利用できます。
もちろん利用料金には楽天スーパーポイントが付与されます。よく楽天グループのサービスを利用する、これから利用するならかなりメリットの大きい格安SIMだといえます。
LINEモバイル
出典:LINEモバイル
今やスマホユーザーならほとんどが利用しているSNS「LINE」が提供している格安SIMがLINEモバイルです。LINEモバイルの最大の特徴は、LINEを含む「SNSによるデータ利用では通信料が消費されない」ことです。
月額料金(税抜) | データフリー対象のSNS | |
---|---|---|
LINEフリー | 500円〜 | LINEのみ |
コミュニケーションプラン | 1,110円〜 | LINE・Twitter・Facebook・Instagram |
MUSIC+ | 1,810円〜 | LINE・Twitter・Facebook・Instagram・LINE MUSIC(ミュージックビデオは対象外) |
※料金はSIMカードのタイプやデータ利用量によって異なる
WiMAXとの組み合わせがおすすめのLINEモバイルのプラン
LINEモバイルは、専用の通話アプリ「いつでも通話」を使うことで音声通話できます。10分かけ放題オプションは月額880円で、音声SIMのLINEフリープランなら月額2,080円と格安で利用できます。
よりSNS利用量が多ければ、コミュニケーションプランに変えたとしてもその他3GBまで使えて月額2,570円からとやはり格安です。これまでのSNS利用量によってはかなり大きなメリットが期待できます。
格安スマホとWiMAXを併用する上での注意点
WiMAXで通信を行うのであれば「UQ Flat ツープラスギガ放題」をおすすめします。ほかのプランではあまり割安とは言えず、通常のSIMカードのプランのほうが安いです。月々のデータ容量が10GBを超え、動画閲覧や頻繁に通信を行うゲームアプリを利用するヘビーユーザーにおすすめの方法と言えるでしょう。
WiMAXと格安SIMカードのエリアの違い
WiMAXと格安SIMカードの違いはエリアの大きさです。格安SIMはほとんどがドコモ(またはau、SoftBank)の回線を利用していて、カバーしているエリアはかなり広いです。
格安SIMカード(例:au回線の場合)
auでは高速回線である4G LTEの人口カバー率が99%以上と発表していて、都市部でも郊外でもほぼ利用可能な状況です。
WiMAX
一方のWiMAXも対応しているエリアはかなり広くなってきてはいますが、地方では一部カバーできていないエリアも見られるようです。地方在住の方は、お住いの地域がWiMAXの対応エリアに含まれているのか確認してから契約しましょう。
自分に合ったプランで快適にインターネットを使おう
インターネット回線を検討するときは、月あたりのデータ利用量とその料金が重要です。
WiMAXと格安SIMを併用すれば、データ利用量と料金でメリットがあります。ただし、より詳しく見れば、SNSの利用料が多いかどうか、どんな組み合わせで回線を選ぶかでさらに大きなメリットが期待できます。
しかし最近ではテザリングでパソコンを利用するなど使い方が多様化しているため、実際にどのように使っているか、併用パターンに変更するとどのような使い方になるかも十分検討しましょう。
大切なのは、自分の使い方をから自分あったプランを検討しましょう。せっかく変えるのですから、最高に快適なプラン・使い方にして、今よりずっと快適なインターネット環境にしましょう。