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楽天が「第4の携帯キャリア」を目指すと発表 業界の今後はどうなる?

更新日:2018.07.09

楽天が2019年を目標に携帯キャリア事業への参入を目指すことを発表しました。既に「楽天モバイル」としてMVNO事業に参入済みの同社がなぜ今携帯キャリアになろうとするのか、発表の詳細と背景、今後の携帯電話業界やユーザーに与える影響などを考えてみました。

「楽天市場」や「楽天モバイル」などを手掛ける楽天株式会社は2017年12月14日、携帯キャリア事業への新規参入を目指すことを発表しました。我が国の携帯キャリアとしてはNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社が既に存在しますが、楽天の参入が認められれば新たに第4の市場参入者ということになり、市場の活性化が期待されます。


そこで今回は楽天が携帯キャリア事業に参入する背景や今後の携帯電話業界、ひいては格安SIMのMVNO業界に与える影響、ユーザーへの影響などについてご紹介します。

楽天が携帯キャリアを目指すことを発表


出典:Rakuten, Inc.

まず最初に、2017年12月14日に楽天が発表した「携帯キャリア事業への新規参入表明に関するお知らせ」の内容を確認しましょう。

概要は以下の通りです。

  • 「楽天市場」を始め同社のサービスにおけるモバイル経由の取扱高は一貫して増加傾向
  • 故に今後のサービス拡大と新規展開を考えるとモバイル端末が最も重要なユーザーとの接点になる
  • 本日(2017年12月14日)開催の取締役会で携帯キャリア事業への新規参入を目指すことを決議
  • 総務省が取り進める第4世代携帯電話システム用周波数の追加割当に申請予定
  • より低廉で利用し易い携帯電話の料金を実現し、消費者を含めた社会全体の便益の最大化を目指す
  • 携帯キャリア事業のための新会社を設立予定
  • サービス開始は2019年度中を予定
  • 1,500万人以上のユーザー獲得を目指す
  • 資金調達は全額楽天および今後設立の新会社による銀行からの融資で行う
  • 資金調達残高は2019年で約2,000億円、2025年で最大6,000億円を予定

いくつかのポイントについて以下に詳しくみていきましょう。

楽天市場での買い物は既に6割以上がモバイル経由


出典:Rakuten, Inc.

楽天が2017年11月13日に発表した2017年度第3四半期の決算資料によると、同社の楽天市場での流通総額に占める楽天市場モバイルの流通総額は64.2%にも及び、前年同期比で4.4%伸びています。これはつまり楽天市場での買い物の約6割以上がフィーチャーフォン、スマートフォン、タブレットなどのモバイル端末を経てなされている、ということです。

近年はパソコンよりもスマホやタブレットでインターネットを利用する人が多い、と言われていますが、まさにそれを裏付ける結果になっているといえます。

楽天は2014年から「楽天モバイル」でMVNO事業に参入している


出典:Rakuten, Inc.

ご存じのように楽天は既に「楽天モバイル」というMVNO事業を展開しています。

公式サイト:楽天モバイル

楽天モバイルは元々楽天の子会社でありISP事業などを手掛けていたフュージョン・コミュニケーションズが2014年10月から運営していましたが、2015年12月には運営元がフュージョンから楽天本体に移管されています。

元々フュージョンも2007年に楽天の子会社が買収する形で楽天グループ入りし、2009年にウィルコムのMVNOとしてPHS事業に参入したり、2012年にドコモのMVNOとしてデータ通信サービス(楽天ブロードバンドLTE)を提供したりしていました。今にして思えば、楽天としてはかなり前からモバイル事業に着手し、少しずつサービスの上流へ手を伸ばし続けてきた、という見方もできます。

楽天は2017年11月1日付でFREETELからMVNO事業を承継して楽天モバイルの会員数を上積みすることに成功していますが、これもモバイル事業の本丸である「携帯キャリアになる」という念願を達成するための通過点に過ぎないのかもしれません。

「第4世代携帯電話システム用周波数の追加割当の申請」とは何か

総務省

楽天は「総務省が取り進める第4世代携帯電話システム用周波数の追加割当に申請予定」としていますが、これは一体どういうことなのでしょうか。

そもそも携帯電話事業というのは国の許認可事業です。誰でも自由に始められるわけではなく、国の許可が必要だということです。そして携帯電話事業に必須な電波は国が管理しており「この周波数帯はAMラジオ用」「この周波数帯はアマチュア無線用」などと決められています。

もちろんその中には携帯電話用の周波数帯というのもあるわけですが、携帯電話用の周波数帯の中でも「ここはNTTドコモが使う場所」「ここはauが使う場所」「ここはソフトバンクが使う場所」のように細かく決められています。


出典:総務省

上記の画像は携帯キャリアごとの周波数帯の割り当ての表(LTEのみ)ですが、例えば800MHz帯などはNTTドコモとauしか電波が割り当てられていないのがわかります。

近年は携帯電話やスマートフォンを中心としたモバイル端末の普及で通信量が莫大になり、既存の周波数帯の割り当てだけだと近い将来通信状況がひっ迫してしまう恐れが出てきました。つまりユーザーにとっては通信速度が低下したり、回線がつながりにくくなるような状況が想定されるわけです。

そのため総務省では既存の周波数帯を再編し、空いた周波数帯を新たに携帯電話用に回そうとしています。それが今現在防衛省の固定局用となっている1.7GHz帯の一部と、放送事業者等用となっている3.4GHz帯の一部です。


出典:総務省

総務省は2018年1月~2月頃にかけてこの新たな周波数帯の割り当てを希望する携帯電話事業者の申請を予定しています。NTTドコモは既にこの周波数帯への割り当て申請を検討することを発表していますが、楽天もこの周波数帯の割り当て獲得を目指す、ということになります。

auとソフトバンクは本稿執筆時点(12月15日)時点で態度を明らかにしていませんが、auは1.7GHz帯の周波数を割り当てられていないので、獲得を目指す可能性はあると思います。いずれにしても楽天が携帯キャリアになるにはこの「周波数帯の獲得」が絶対条件になります

なぜ楽天は携帯キャリアを目指すのか


出典:Rakuten, Inc.

前章では楽天の発表を踏まえて事実関係とその背景をご紹介しましたが、ここからは楽天が携帯キャリアを目指す理由を考えてみたいと思います。

MVNO市場は競争が激しくなっている

MVNOはドコモやau、ソフトバンクといった自社で携帯電話回線を持つ携帯キャリア(MNO)から回線を借り受けてユーザーにサービスを提供するビジネスモデルです。設備投資が少なく済むため比較的参入がしやすいといわれており、調査会社のICT総研が2017年6月にまとめた市場動向調査によると参入事業者数は668社となっています。

事業者数が多いということは競争が激しいということです

例えば筆者が使っているIIJmioの「ミニマムスタートプラン」は当初1ヶ月の高速データ通信容量は500MBでしたが、それが2014年4月に1GBになり、10月には2GB、2015年4月には3GBと、料金は据え置きのまま容量がどんどん増加していきました。これは他社との激しいサービス競争の結果に他なりません。

最近は高速データ通信容量の増量合戦や値下げ合戦は落ち着きを見せていますが、ショップの展開や無料通話分の導入、端末保証オプションの付加など携帯キャリア並みのサービスを揃えるところも多くなっています。今やMVNO市場は事業者間の消耗戦に突入しているといえ、今後は体力のないところは淘汰されていくと思われます。FREETELのMVNO事業の楽天への譲渡、ひいてはその後の民事再生法の適用申請への流れはまさにこれが現実化したものといえます。

楽天が運営している楽天モバイルは各種調査でシェアは上位にあるとされており、MVNOの中では比較的安定していると思われますが、携帯キャリアもMVNOに対抗すべく格安な料金プランを打ち出してきており、これまでのような上昇カーブを描き続けられるとは限りません。楽天としての競争力を高めるという意味で、より収益力の高さが見込まれる携帯キャリア事業に乗り出す、ということでしょう。

楽天グループ全体に及ぼすシナジー効果


出典:Rakuten, Inc.

楽天としての競争力を高める、という観点では楽天グループ全体に及ぼすシナジー(相乗)効果というのもあると思います。

楽天は楽天市場、楽天モバイルだけでなく、楽天カードや楽天銀行、楽天証券、楽天生命に楽天投信投資顧問、東北楽天ゴールデンイーグルスにヴィッセル神戸など、ここに全てを挙げるのは不可能なくらい多種多様なビジネスを展開しています。ここに携帯キャリア事業が加わるれば、グループ各社のビジネスと組み合わせることによってビジネスの幅が格段に広がるはずです。楽天モバイルの月額料金や端末料金の支払いに、楽天ポイントが使えるようになっているのが良い先例です。

MVNOはあくまでも携帯キャリアから回線を借りているだけなので、楽天モバイルでできることはあくまでもドコモが提供しているプラットフォームの上でしか実現しません。自らが携帯キャリアになればこの制約から解放されますので、例えば楽天の携帯電話を使っているユーザーのサイト閲覧状況やアプリの利用状況といったビッグデータを活用し、ユーザーに合わせて楽天グループのあらゆるサービスへ誘導していく、などということはたやすくできるようになるでしょう。

恐らく楽天は携帯電話サービスの月額料金で儲けよう、というよりも、誰もが日常的に使う携帯電話、スマートフォンを入口にして楽天グループ全体で収益を上げていこう、というところが最終的な目標ではないかと思えてなりません。

ユーザーに与える影響はあるか

スマートフォンとSIMカード

それでは最後に楽天の携帯キャリア参入がユーザーにどのような影響を与えるのかを考えてみましょう。

実現すれば携帯電話料金が下がる可能性がある

喜ぶ男性
最も可能性があり、なおかつ多くのユーザーが望むのは「携帯電話料金全体が押し下げられる」ということです。MVNO市場の現状を見るまでもなく、市場参入者が増えれば料金が下がるのは当たり前のことです。

かつてソフトバンクがボーダフォンを買収して携帯電話市場に参入した際、ドコモやauに対応すべく「ブループラン」「オレンジプラン」という料金プランを用意し、ドコモやauが料金の値下げを行った場合は24時間以内に対抗して値下げを行い、常にドコモやauと同等のサービスをより安い料金での提供を約束していたことがありました。

これは結果的にドコモ、au、ソフトバンク全てのユーザーにとって携帯電話料金が下がるというプラスの効果をもたらしました。新規参入者の市場参加というのはそれほどまでにインパクトがある、ということです。直接的な料金の値下げのみならず、各種サービスの内容充実、オプションの無料化といった形でのメリットも考えられます。

楽天モバイルはドコモのMVNOではなくなる?


出典:Rakuten, Inc.

楽天モバイルはドコモのMVNOですが、楽天モバイルを運営している楽天が自社回線を有する携帯キャリアになった場合、ドコモが果たして楽天モバイルに回線を提供し続けるのか、あるいは楽天モバイルがわざわざ他社であるドコモから回線を借りるのか、非常に気になるところです。

MVNOを持っている会社が携帯キャリアになる、というのは前例のないことなので先行きが全く見通せませんが、この辺りはユーザーが不利益を被ることのないように、スムーズに進むことを祈るしかありません。

普通に考えれば携帯キャリアとなった楽天が楽天モバイルに回線を提供する、という状態が1番自然な気がします。すなわちauが子会社のUQコミュニケーションズでauのMVNOを運営しているのと同じ構図です。ただ、楽天モバイルがドコモ回線を捨てて楽天回線を使うMVNOになった場合、恐らく切り替え当初は今と同じ品質を維持できません。楽天は周波数帯の割り当てを受けて関係省庁から認可を受ければ携帯キャリアとして市場に参入しますが、楽天が用意する設備で今のドコモ並みの通信エリア、通信品質を最初から出せるとは思えないからです。

楽天は最大で6,000億円を借り入れて設備投資を行うとしていますが、ドコモは2017年3月期に発表した財務指標で年間の設備投資を5,971億円と発表しています。その前年は5,952億円、さらにその前は6,618億円です。つまり楽天がこれから携帯キャリア事業を始めるのに用意する金額は、今のドコモが毎年の設備投資に投じている金額とほぼ同程度なわけです。

ボーダフォンを買収した上で市場に参入したソフトバンクでさえ、参入当初は「つながらない」という苦情を多数受けながら地道にアンテナを増やして電波の不感地帯を潰していった経緯があります。楽天の場合は全くの新規参入となるので、より厳しい状況からのスタートになる可能性は高いでしょう。まだまだ先の話ではありますが、楽天モバイルのユーザーにとってはやや気になるところです。

公式サイト:楽天モバイル

楽天の携帯キャリア事業参入はますます業界を活性化させる!

楽天の携帯キャリア事業参入の発表を受け、その詳細と背景、ユーザーに与える今後の影響などをまとめてみました。楽天が今後携帯キャリアになるには、かなりの紆余曲折が予想されます。これはソフトバンクの参入時のことを振り返ると容易に想像がつきます。

ソフトバンクは2004年8月に子会社のソフトバンクBBを通じて携帯電話事業への参入を表明しました。これは当時800MHz帯の周波数帯の再編が行われるのに合わせたものでしたが、結果として再編によって空きが出た周波数帯はドコモとauに割り当てられました。この時は新規参入者に再編後の周波数帯を割り当てることに対して、行政や既存のキャリアなどから様々な物言いがつけられました。その後ソフトバンクは2006年3月にボーダフォンを買収するという力技を使い、10月にソフトバンクモバイル(当時)として念願の携帯電話事業に参入しています。そのくらい携帯キャリア事業に新規参入する、ということは大変だ、ということです。

しかしソフトバンクの参入が市場の活性化をもたらしたように、楽天の参入はユーザーにとってプラスになることの方が多いと思います。今後MVNO市場も含めて、より一層の料金の低下とサービスの向上を期待しましょう。当サイトでは楽天モバイルも含めたMVNO各社の料金プランの中から、あなたにとってピッタリなものを簡単に見つけることのできる「SIMチェンジプラン診断」を行っています。こちらも併せてチェックしてみてください。

公式サイト:楽天モバイル

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