ソフトバンクの5Gプランを徹底解説|対応端末・料金プラン・対応エリアまとめ
これまで3Gから4G LTEと通信速度が上がり、使いやすくなった感動を覚えている人もいるかと思います。4G LTEがさらに進化したのが5Gです。この記事は5Gとはどんな技術か、既にサービスを開始したソフトバンクの5Gサービスを詳しく解説します。
この記事の目次
次世代データ通信「5G」が本格的にスタートしました。高速通信や超低遅延などのワードは聞いたことがあるものの、実際にどれくらいすごいのか、いまいちピンとこない部分もあるでしょう。
そしてソフトバンクからも5G対応プランが発表されました。
ここでは、5Gと4G LTEとの違いを通して5Gの概要を紹介し、ソフトバンクの5Gサービスの料金や仕組みといった内容を詳しく解説します。
5Gは4G LTEとどう違うか
現在の4G LTEが5Gに変わるとどうなるのでしょうか。
高速・大容量通信と多数同時接続が可能
5Gサービスは、これまで利用していた周波数より高い周波数帯の電波を使います。
3.7GHz帯、4.5GHz帯と28GHz帯の3つのうち、ソフトバンクは3.7GHz帯で1枠、28GHz帯で1枠が割り当てられました。
高い周波数帯を使うため高速・大容量通信が可能に
高い周波数帯を使う5Gは、超高速・大容量通信を可能にします。通信速度で4Gが最大1Gbpsであることに対して5Gでは最大20Gbpsと大幅にアップしました。
そのため、4Gでは難しい、4Kや8Kのような高解像度の動画配信にも十分対応でき、音楽ライブやスポーツ観戦、映画でも臨場感いっぱいに楽しめるようになります。
多数同時接続で「つながらない」が大幅に減る
4Gの場合、とくにユーザーや利用の多い都市部の混雑する時間帯での利用では通信速度が遅くなってしまう、またはつながらないこともありますが、5Gではそれも少なくなります。
4Gの面積あたり同時接続数は10万台/平方キロメートルですが、5Gは10倍の100万台/平方キロメートルです。
1通信あたり回線占有時間も短く、大人数だとつながりにくいといった問題も解消されるでしょう。
身の回りのIoTがより便利に使えるように
最近家電でも「WiFi対応」「スマホで操作できる」といったコピーを見かけることがあります。
これまではスマホやパソコンでしか使えなかったインターネットが、それ以外の機器でも使えるようになってきています。
これはIoT(アイ・オー・ティー=モノのインターネット)と呼ばれる変化の1つで、洗濯機やエアコン、冷蔵庫など様々な機器とネットを通じていつでも手軽に利用できる技術です。
これまでは対応機器は増えても、それに使う通信回線に大きな容量、速い通信速度が必要でした。5Gの登場でこれらがより便利にタイムリーに利用できるようになります。
低遅延で医療や自動運転がより現実的に
通信を利用すれば遠隔地での作業が可能です。しかし、4G LTEでは自動運転や遠隔操作による医療には大きな壁がありました。
遠隔地との通信には時間のズレが起こります。現在でもテレビ放送の中で国外と生中継すると、こちらの呼びかけに対して数秒遅れて相手が応答するということがありますがこれも遅延の1つです。
テレビ中継の場合は多少の遅延で大きな影響はでませんが、リアルタイムで進行する手術や自動運転で遅延は命取りです。
この遅延速度も4G LTEでは10msですが、5Gは10分の1の1msまで抑えられます。
リアルタイムにかなり近くなることから、自動運転をはじめ幅広いジャンルへの応用が期待されています。
当面は4G LTEと5GのNSA方式を採用
現在の5Gの最大の課題が「サービスエリアの狭さ」です。
各社順次拡大予定としていますが、サービス開始当初は東京、大阪、愛知、石川、埼玉などの一部でのみ利用できるとされています。
この狭さでは5G単体での利用はほぼ不可能です。そのため、現在は5Gと4G LTEを切り替えて使う「NSA(ノット・スタンド・アローン)方式」を採用しています。
こうすることで5G対応エリアでは5Gをそれ以外では4G LTEを利用し、5Gも使いながら広いエリアで通信を楽しめるようになるのです。
5Gについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
どのくらいおトクなの?
をもとに算出
プランをみつけよう
ソフトバンクは2020年3月に商用提供を開始
5Gの商用化は2020年3月からとされています。各社サービス開始時期はやや異なり、ソフトバンクは2020年3月27日にサービスを開始しました。
実は商用化を前に、各社がプレサービスを実施しています。
ソフトバンクは2019年3月に福岡ソフトバンクホークスと共同で、5Gを使ったたくさんの視点を切り替えられる3Dパノラマ映像をVR空間に映し出して観戦できることを実証しました。
5Gサービスは新プランのみ対象
ソフトバンクは2020年3月12日から新しい料金プランを開始しましたが、重要なのは「5Gは新プランでしか利用できない」ということです。
以前のウルトラギガモンスター+やミニモンスターでは5Gが使えません。
5Gが使える新料金プランは次の3つです。
特徴 | 基本料金を除くデータプラン料金 | |
---|---|---|
メリハリプラン | 50GBまで使える 動画・SNS放題 | 6,500円 |
ミニフィットプラン | 最大5GBまで使える従量制プラン | 3,000〜6,500円 |
スマホデビュープラン | 1GBまで使える | 1,500円 |
3プランに共通するのは、次の3点です。
- 5G基本料が別途1,000円かかるが、2年間同額が割引され実質無料
- 最低でも基本プラン(音声)の月額料金980円は追加される
- 通話オプションを追加すると、5分以内の国内通話が何回でも無料、もしくは24時間国内通話が無料
料金プランを1つずつ詳しく見てみましょう。
50GBまで使えるメリハリプラン
メリハリプランのサービス内容・料金は、旧プランのウルトラギガモンスター+とほとんど同じです。
異なる点を紹介します。
- 動画SNS放題対象サービスも含め月あたりの利用データ量が2GB以下なら1,500円自動的に割引
- 時間帯によって速度制御がある
- 通話オプションが300円値上がり
- 4つの通話機能が追加
データ利用量が2GB以下で割引されるのはメリットですが、もう1つの速度制御についてはデメリットになる可能性があります。
制御されるのは「通信が混雑または通信の混雑が⽣じる可能性がある場合」とされていますが、これは動画SNS放題対象サービスも同じです。そのため、急に速度が落ちるなど使いづらく感じる可能性があります。
しかし、対象の回線との同時利用で適用される「おうち割光セット」や「半年おトク割」「みんな家族割+」など各種の割引サービスが適用されると、かなりお得に利用できます。
データ通信を使わない人はミニフィットプラン
ミニフィットプランは、旧プランのミニモンスターの後継プランですが内容はかなり変更されています。
データ利用量は最大で5GBまで(ミニモンスターでは50GBまで)となり、それ以上利用すると速度が制限されます。
段階的にデータプラン料金がアップし、2GBを超えるとメリハリプランと同額になります。
通話オプション料金もメリハリプランと同じく変更されました。各種の割引のうち、おうち割り光セットと半年おトク割は適用されますが、「みんな家族割+」が適用されないのはデメリットといえます。
ガラケーから乗り換え限定のスマホデビュープラン
のりかえ(MNP)や機種変更でガラケーからスマホに乗り換えるユーザー限定で提供されるこのプランは、データ利用量が1GB、通話オプションの準定額オプション+がセットで1,980円です。
さらに1年おトク割が適用されるので、12ヶ月間1,000円割引されると980円とお得に利用できます。
8月31日までに申し込むと2年間5G基本料が無料
5Gはこれまでの4G LTEとはまったく違う電波を使うため、別途料金がかかります。
5G基本料は1,000円ですが、2020年8月31日までに申し込めば2年間は同額が割引され、実質無料となります。
5G対応端末が必須
電波の違いの影響は利用する端末にも及びます。5Gを利用するなら対応する周波数帯の電波を受信し送信できなくてはならないからです。
5Gで利用できる端末には「5G対応」と表示され、表示のない端末は利用できません。
ソフトバンクは5Gサービス開始と同時に対応4機種を発表しました。
発表されたのは4機種
発表された4機種はすべてAndroid端末です。
このうち2機種がサービス開始と同時に発売され、残りの2機種は次の通り順次発売される予定とされています。
AQUOS R5G | ZTE Axon 10 Pro 5G | LG V60 ThinQ 5G | OPPO Reno3 5G | |
---|---|---|---|---|
発売日 | 発売中 | 発売中 | 2020年4月下旬予定 | 2020年7月下旬予定 |
価格 | 12万9,600円 | 89,280円 | – | – |
カラー | 青・黒・白 | 青のみ | – | – |
特徴 | 8K動画撮影 | 有機ELディスプレイ | 横開き2画面 | 有機ELディスプレイ |
現在はこの選択肢の少なさもデメリットといえます。
またサービス開始間もないことから「つながらない」「とぎれた」といった声がありますが、この多くはソフトウェアを更新することで解決できます。
使いづらさを感じたら新たな更新がないかチェックし、常に最新の状態で利用しましょう。
開始当初、iPhoneは5G未対応
現在発売されているiPhoneはすべて5Gには未対応です。
5Gに初めて対応するiPhoneは秋に発売される予定の「iPhone12(仮)」ですが、新型コロナウィルスの影響で時期は不透明です。
iPhoneで5Gを利用できるのは早くても2020年秋、場合によっては「数ヶ月の発売延期もあり得る」ということです。
5Gサービスエリアは順次拡大予定
ソフトバンクの5Gサービスエリアを細かく見てみましょう。開始当初はかなり限定的ですが、2020年夏までの開始予定エリアまでは公式サイトのエリアマップに掲載されています。
開始当初のサービスエリア
千葉県 | 成田市・柏市・富里市の各一部地域 |
---|---|
東京都 | 千代田区・中央区・文京区・台東区の各一部地域 |
石川県 | 金沢市・白山市・野々市市の各一部地域 |
愛知県 | 名古屋市の一部地域 |
大阪府 | 大阪市の一部地域 |
広島県 | 広島市・福山市の各一部地域 |
福岡県 | 福岡市の各一部地域 |
それぞれ同じ市・区でも利用できる地域とできない地域があります。ここからも、携帯電話のサービスとは思えないほど限られたエリアでしか利用できないことがわかります。
2021年末には人口カバー率90%を予定
開始当初のサービスエリアの狭さは、5Gに割り当てられた電波の周波数帯が大きな原因です。
4G LTEより周波数が高いため、直進性が高く障害物を回り込みにくいのでカバーする用途には向かないのです。
それを改善するため、現在総務省ではより遠くに飛ばせる4Gの周波数帯を5Gに転用する議論を進めています。
ソフトバンクはこれを早く進め、2021年末には5Gの人口カバー率90%を目指す方針を示しています。
ソフトバンク5Gの申し込み方法
ソフトバンク5Gサービスへの申し込みは、ほとんどの場合同時に端末を購入することになります。
ショップや公式Webサイトから申し込むことができますが、必要なものや手続き内容はほとんど変わりません。
5Gへの申し込みは通常の機種変更・新規契約と同じ
5Gサービスへの申し込みは、4G LTEまでの機種変更・新規契約と同じです。既に5G対応端末を持っていれば、ショップに持ち込んで契約変更すれば使えるようになります。
手続きに必要なものは次の通りです。
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど(場合によっては住民票など追加の書類が必要)
- 支払い用のクレジットカードまたは金融機関の通帳:機種変更で変更がなければ不要
申し込む前に、もう一度料金や使い方がどのように変わるかを確認しておきましょう。
オンラインでも申し込みできる
機種変更・新規契約ともに、公式Webサイトから申し込むこともできます。
Webサイトトップから、スマートフォン・携帯電話→SoftBank 5G→PRODUCTSと移り、希望の画面の5G対応端末をクリックします。
次画面で端末画像の下にある「購入する」ボタンをクリックすると手続き画面に入ります。
手続き画面では、手続き方法(機種変更・新規契約・のりかえ)と、利用者の年齢、受け取り方法を選択して「機種選択に進む」をクリックします。
次に端末のカラーと支払い回数を選択し、「予約情報を入力する」ボタンをクリックします。
ここからは手続き方法によって表示される画面が変わります。新規契約なら契約者名や生年月日などの個人情報入力画面が現れ、機種変更なら電話番号とパスワードを入力してログインします。
近くにショップがない、忙しくて行く時間がない人は、24時間受け付けてくれるオンライン申し込みは非常に助かるでしょう。5Gに申し込むなら、おすすめの申し込み方法だといえます。
5Gを申し込むなら8月31までがおトク
ソフトバンクの5Gサービスについて解説しました。5Gだけに限ればまだまだサービスエリアは狭く、利用に耐えることはできません。それをカバーするためにNSA方式を採用し、広く利用できるようにしています。
5Gは始まったばかりの将来が期待されている通信技術です。その最新技術が2020年8月31日までに申し込めば5G基本料が無料になるのなら、対応端末を買ってでも試してみる価値はあるかもしれません。
ソフトバンクでは、5Gサービスは3月に発表された新プランが必須とされています。申し込むならこの新プランの細かいサービス内容をしっかり把握しておく必要もあります。
しかし、5Gのサービスエリアが近くになければとくに申し込むメリットはないでしょう。その場合は5G基本料無料にはならないかもしれませんが、エリアが十分広まってから検討することをおすすめします。
間違いなく次世代の「モバイル通信の要」「自動運転や遠隔地医療に必須な技術」となる5G、その可能性にはしばらくの間、注目することになりそうです。