3G・4G(LTE)・5G・WiFiの概要と違い|速度・対応エリアを比較
格安スマホは1万円を切るものから5万円を超えるものもあり、幅があります。メイン機を1万円のものにするのは怖いかもしれませんが、サブ用にする場合や子供用にしたい場合は3Gの格安スマホを選ぶと、1万円で抑えられておすすめです。今回はおすすめの3Gモデルの格安スマホを紹介します!
この記事の目次
2020年春よりキャリアの5Gプランがスタートし、9月には楽天モバイルも5Gプランをスタートしました。
それにより、大手携帯電話会社のCM等で「5G」を目にする機会も多くなりました。
3G・4G(LTE)・5Gは通信規格の名称で、スマホ等をネット通信する際には欠かせないものです。現在、5Gが最新の通信規格です。
この記事では、3G・4G(LTE)・5Gの概要から、違いを通信速度・対応エリア・できることの3つに分け解説します。また、似たような系列でよく耳にするWiFiとの違いについても説明します。
※こちらの記事で紹介する数値は、あくまで理論値です。お住いの地域や接続環境によって変動しますのでご注意ください。
3G・4G(LTE)・5Gとは通信規格の名称のこと
3G・4G(LTE)・5Gは通信規格の名称です。GはGeneration(世代)の略称で、たとえば3Gは第3世代の通信規格です。
通信規格の規格名称は、5G以外はキャリアにより表記が異なります。
キャリアごとの規格名称
キャリア名 | 規格名称名 | |
---|---|---|
3G | 4G(LTE) | |
ドコモ | FOMA | Xi(クロッシィ) |
au | COMA1X WIN | 4G LTE |
ソフトバンク | SoftBank3G | 4GLTE・4G |
1Gから5Gまでの通信規格があり、最新の通信規格は5Gです。ただし、5GにはSub6とミリ波という電波が2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
5GにはSub6とミリ波がある
5Gは異なる特性を持ったSub6とミリ波という2種類の電波を使用して、データ通信を行います。
Sub6は、周波数が小さい電波のため直進性が弱いです。情報伝送容量が多くないため、通信速度はミリ波より速くありませんが、地下や屋内でも繋がりやすい特徴があります。
ミリ波は周波数が高い電波のため直進性が強く、情報伝送量が多いため通信速度は速くなります。ですが、地下や屋内では繋がりにくい特徴も。
現状主流で使用されているのはSub6です。ミリ波の特徴として通信速度は速いものの、利用できる場所がスポット的で少ないため、広く普及されていません。
逆に、Sub6は4G周波数の延長線として利用できるため、無線特性や技術的な面で問題が少なく流用しやすい電波です。
ミリ波はさまざまな機関において、室内で繋がりにくい特性を補うアンテナの開発が進められており、普及するにはもう少し時間がかかるでしょう。
現在主流の通信規格は4G(LTE)
最新の通信規格は、2020年3月末からサービスを開始した5Gです。しかし、現在主流で使用されているのは4G(LTE)になります。
4G(LTE)は5Gに比べ人口カバー率が高く、ドコモ・au・ソフトバンクの人口カバー率は99%です。
スマホは、4G(LTE)対応・5G対応など対応回線がモデルごとにそれぞれ設定されています。現在多く販売されているのは、4G(LTE)対応モデルです。
3大キャリアは3Gのサービス終了を発表
2001年10月から開始した3Gサービスは、2022年3月末にau、2024年1月下旬にソフトバンク、2026年3月末にドコモがサービス終了を発表しています。
3Gのサービスが終了すると、フィーチャーフォンやガラケーはデータ通信だけでなく、通話やメールもできなくなります。ただし、4G(LTE)対応のガラケーは引き続き使用可能です。
キャリア名 | 3G回線サービス予定終了時期 |
---|---|
ドコモ | 2026年3月末 |
au | 2022年3月末 |
ソフトバンク | 2024年1月下旬 |
3G・4G(LTE)・5Gの速度・対応エリアを比較
通信規格は3G・4G(LTE)・5Gと進歩をしています。具体的にどのように違うのか、通信速度・対応エリア・できることの3つの項目で比較していきます。
通信速度の違い
通信規格は新しい世代の方が通信速度が速くなっています。
4G(LTE)は3Gの約5倍、5Gは4G(LTE)の約10倍の通信速度です。
キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)の詳しい最大通信速度
キャリア名 | 最大通信速度 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3G | 4G | 5G | ||||||
Sub6 | ミリ波 | |||||||
上り | 下り | 上り | 下り | 上り | 下り | 上り | 下り | |
ドコモ | 5.7Mbps | 14Mbps | 37.5Mbps | 112.5Mbps | 182Mbps | 3.4Gbps | 278Mbps | 4.1Gbps |
au | 144Kbps | 2.4Mbps | 25Mbps | 75Mbps | 183Mbps | 2.8Gbps | 481Mbps | 4.1Gbps |
ソフトバンク | 64Kbps | 384Kbps | 15Mbps | 165Mbps | 103Mbps | 2.0Gbps | なし | なし |
楽天モバイル | なし | なし | 75Mbps | 400Mbps | 183Mbps | 2.13Gbps | 275Mbps | 2.8Gbps |
通信速度の単位はbpsと表記します。1秒間に何bit(ビット)のデータを通信できるかを表しています。
値が大きいほど通信速度は速く、1,000bps=1Kbps、1,000Kbps=1Mbps、1,000Mbps=1Gbpsです。
上りはネット上へファイルを転送する通信、下りはネット上から受信する際の通信を指します。
※この記事で紹介する速度は、あくまで理論値です。お住まいの地域や接続環境によって変動しますのでご注意ください。
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対応エリアの違い
4G(LTE)は、対応エリアが広く日本のほとんどで対応しています。4G(LTE)対応外の一部の地域や山間部の場合は、3Gに接続されることも。
楽天モバイルの4G(LTE)は、楽天回線とパートナー回線(au回線)を利用しています。
楽天回線は他キャリアに比べ対応エリアが狭いです。しかし、人口カバー率を2021年3月末に70%、同年夏に人口カバー率96%と順次拡大することを公表しています。
5Gは、まだ対応エリアは少なくスポットでの提供です。各キャリアとも随時拡大予定で、ドコモは2023年3月までに人口カバー率を70%、auとソフトバンクは2022年3月までに90%超の計画を公表しています。
楽天モバイルは、詳しいエリア展開は公表されていません。
詳しくは、各キャリアの公式ページのサービスエリアマップで確認できます。
3G・4G(LTE)・5Gでできること
2Gでメールやネットに対応になりました。
3Gではメールやネットがより高速に行えるようになりました。メールやLINEはスムーズにできます。
ですが、ネットの閲覧や動画の視聴は通信速度が遅くデータ量や通信環境がよくないと、まだ途中で途切れることもあります。
4G(LTE)は、3Gの約5倍の通信速度になり、メールやLINEの送受信はもちろん、ネットの閲覧や動画視聴もスムーズにできるようになりました。
通信環境が整っていれば、高画質動画や高音質の音楽のダウンロードも問題なく快適に使用可能です。
5Gは、4G(LTE)に比べ約10倍~20倍の通信速度に、同時接続数は10倍、遅延速度は10分の1になるとされています。
たとえば、2時間の動画を数秒でダウンロードできたり、ライブ動画をタイムラグなしでリアルタイムに見ることも可能です。
スマホ操作が快適になるのはもちろん、自動車産業では自動運転、医療分野では遠隔操作などさまざまな業種でも活用が期待されています。
WiFiと3G・4G(LTE)・5Gの違い
スマホがデータ通信を行う方法は、3G・4G(LTE)・5Gを使用する以外で、WiFiを使用する方法があります。3G・4G(LTE)・5GとWiFiでどのような点が違うのかについて解説します。
WiFiとは無線LANの1つ
WiFiとは、Wireless Fidelity(ワイヤレスフィデリティ)の略称です。無線で通信機器同士をネットワークに接続する技術のことで、無線LANの一種です。
WiFiは、スマホなどのモバイル機器以外に、パソコンやゲーム機器でも使用できます。
利用する方法として、自宅のネット回線に無線LANルーターを接続したり、モバイルルーターを契約したり、駅・空港・飲食店などで提供されているWiFiスポットに接続するなどが挙げられます。
通信距離の違い
WiFiと3G・4G(LTE)・5Gは、通信距離が異なります。
WiFiは、無線LANルーターから直線距離で50m~100mの範囲が通信距離になります。ただし、間に障害物があるかどうかによっても、この距離は変わってきます。
3G・4G(LTE)・5Gは、電波を発信している基地局を利用しているため、遠くにまで電波を飛ばすことが可能です。もともと、屋内外の広いエリアで使用することを目的としているため、通信距離が広くなっています。
通信速度の違い
通信速度は、WiFiの方が通信距離の範囲が狭いため、3G・4G(LTE)・5Gよりも速いとされています。
ですが、WiFiの通信速度は通信回線に影響するため、使用する通信回線がADSLなのか、光回線なのかによっても変わります。
また、3G・4G(LTE)・5Gは通信環境で変動するため、電波の弱い場所や接続者数が多い場所では通信速度は低下します。
そのため、一概にはどちらの方が速いか言い切ることはできません。
▼5Gスマホの買い替えが必要かどうかは以下記事で紹介しています。
3G・4G(LTE)・5Gに関するQ&A
3G・4G(LTE)・5Gに関するよくある疑問について回答します。
4GとLTEは同じものなのか?
LTEとは、Long Term Evolution(長期的進化)の略称です。
LTEは、3Gから4Gへ移行する際の橋渡し的な役割で使用された通信規格です。
Super 3Gや3.9Gなどと呼称されていました。しかし、国際電気通信連合が、LTEと4Gは同じものと認定したため、現在はLTEも4Gと同じ意味で使用されています。
通信速度には違いがあり、通信速度はLTEが75Mbpsから100Mbpsに対し、4GはLTEの10倍の速さになります。
4G(LTE)対応機種でも3Gを使用できる?
4G(LTE)対応のスマホやタブレットでも、3Gは使用可能です。4G(LTE)対応の機種でも3G回線を使用している場合があります。
端末の画面上部の表記を確認すると使用している通信規格がわかります。
4G(LTE)対応エリア外の場合
4G(LTE)よりも3Gの方が対応エリアが広いため、4G(LTE)が繋がらない場合は3Gへ切り替わることがあります。
また4G(LTE)の対応エリア範囲内であっても、電波が届きにくい場合は3Gが使用されることがあります。
通信設定で3Gのみの利用になっている場合
通信設定で3G回線のみの利用に設定をしていると、4G(LTE)対応のスマホやタブレットであっても3G回線しか使用できません。
4G(LTE)対応エリア内の場合、4G(LTE)を使用したほうが通信速度は速いため、3Gのみになっている設定は変更をしたほうがよいでしょう。
自分で設定をしていなくても不具合で設定されている場合もあります。
4G(LTE)対応エリアでも3Gが使用される場合は、通信設定から音声通話とデータ通信で、どの回線が設定されているか確認してください。
4G(LTE)対応機種でも5Gが使用できる?
4G(LTE)対応のスマホやタブレットでは、5G回線は使用できません。
5Gを使用するには、5G対応の機種を用意する必要があります。また、5G対応の機種だけでなく、契約するプランも5Gに対応している必要があります。
5Gのプランは、携帯電話会社はキャリアのドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルに加え、格安SIMのmineoでも5Gサービスがスタートしました。
3Gに似た3GBとは何?
3GB・4GBなどのGBは、デジタルデータの量の単位です。3G・4Gによく似ていますがまったくの別ものです。
GBとは、Giga Byte(ギガバイト)の略称です。格安SIMなどの携帯電話会社のプランで目にすることが多く、1ヶ月に使用できるデータ量として記載されています。
デジタルデータ量の単位は、小さい方からB(バイト)、KB(キロバイト)、MB(メガバイト)、GB(ギガバイト)、TB(テラバイト)となります。格安SIMで主に見かけるのがMB(メガバイト)とGB(ギガバイト)です。
ちなみに、約10億B=1GB、約1,000MB=1GBとなります。
3G・4G(LTE)・5Gの違いを理解しよう
3G・4G(LTE)・5Gは通信規格の名称で、GはGeneration(世代)を意味します。
現在の最新の通信規格は5Gです。通信速度は、4G(LTE)の10倍〜20倍あり、さまざまな分野での利用が期待されています。また5Gは、Sub6とミリ波という2種類の電波がありそれぞれ異なる特徴があり、弱点を補っています。
ですが、5Gの対応エリアはまだスポットとなっているため、対応エリアの広い4G(LTE)が主流になっています。販売されているスマホやタブレットも4G(LTE)対応のものが多いです。
3Gは4G(LTE)が対応していない一部エリアや山間部で使用できます。ですが、大手キャリアは3G回線サービスを終了していく予定になっています。
WiFiは無線通信規格の一種で、3G・4G(LTE)・5Gとは違い通信距離の範囲が狭いです。また通信速度は、通信回線や通信環境により異なるため一概にどちらが速いとはいいきれません。
通信規格は常に進化を続けています。5Gが当たり前に使用される時代もそう遠くないでしょう。