WiFiのタダ乗り対策5選|実はこんなリスクが!勝手な使用を防いで通信を安全・快適に

Wi-Fiはきちんとセキュリティの意識を持って使用しないと、知らない誰かにタダ乗りされる可能性があります。タダ乗りを防ぐには、自分で対処策を講じなければなりません。自己防衛できるように対処法を知り、Wi-Fiのタダ乗りを防ぎましょう。
この記事の目次
据え置きのルーターや持ち運びが可能なモバイルルーターなど、WiFi接続できる機器には複数の種類があります。
どちらも購入した、あるいは回線業者と契約してレンタルしている場合のみ利用できますが、実はタダ乗りという方法で第三者に使われてしまっている可能性もあります。
タダ乗りとは、いわば自分が契約している回線を無断で第三者に使われている状態です。タダ乗りのリスクや対処法を知り、ネットを安全に利用しましょう。
WiFi接続をタダ乗りされることで起きる問題点
そもそもタダ乗りをされると、どのようなことが起きるのでしょうか。次の3つのことがあげられます。
- ネットを見る通信速度の低下
- 個人情報を盗み見られる
- 遠隔操作でなりすましをされる
ネットを見る通信速度の低下
WiFi接続する際に使用しているルーターは、接続している台数が増えるほど1台当たりの通信速度は低下します。
もしも複数台でタダ乗りされていると、その分回線速度は下がってしまい、ルーターの同時接続台数も占有されて自分の端末が繋げない可能性もあります。
また、契約しているプランによっては使用できる通信容量が決まっており、一定以上使うと速度制限がかかることもあるでしょう。
タダ乗りによる通信でも月間の使用容量を圧迫してしまうため、自分はそれほど使っていないのに第三者が大容量通信を行って制限がかかるということもあります。
自分以外の誰かが使用することで通信速度や安定性は低下する可能性が高いため、快適に使いづらくなるのです。
個人情報を盗み見られる
同じネットワークに接続していると、その端末で入力した内容やデータなどの個人情報を盗み見られる可能性があります。
メールやメッセージなどのやり取りはもちろん、ネットの履歴や会員サイトのIDやパスワードを見られてしまう危険性もゼロではありません。
個人情報はすべて筒抜けになって、例えばネットショッピングで使用するカード情報まで抜き取られてしまうこともあります。
プライバシーの侵害という被害もありますが、それだけではなく、実際的な金銭被害が出る危険性もあります。
遠隔操作でなりすまし
同じWiFiに接続していると端末に侵入され、ウイルスを入れられることもあります。
悪意のある第三者ならウイルスに感染させて遠隔操作できるようにし、なりすましで犯罪などに使用されることもあります。犯罪に巻き込まれる危険性が高く、早めに対処しなければなりません。
遠隔操作によるなりすましの被害はSNSなどでも増加していますが、スマホやパソコンなどでも同様のことが起きてしまうため注意が必要です。
どんな方法でWiFi接続がタダ乗りされるのか
WiFi接続にはタダ乗りされる危険性がありますが、そもそもどのような方法でこれが起きているのかを知っておく必要があります。
原因を知っておくことで対処法も分かり、被害の拡大を防ぎやすくなります。方法は複数あるため、それぞれの原因を知っておくことが大切です。
パスワードが設定されていなければ誰でもタダ乗りが可能
使用しているルーターによっては、パスワードが設定されておらず、SSIDを選択するだけで誰でも接続できてしまいます。
プロバイダなどで契約したルーターなら初期設定でパスワードがついていることもありますが、ルーターによっては自分で設定しなければならない場合もあることは理解しておきましょう。
また、自身でパスワードを任意のものに変更することも可能であり、この際にパスワードをつけないことも可能です。
普段からよく使うものならパスワードなしだとすぐに接続できて便利ですが、タダ乗りの危険性は上がってしまうため注意しなければなりません。
パスワードを設定していないSSIDだと、WiFiの接続圏内にいる人なら誰でもタダ乗りができてしまいます。
悪意を持って接続する人はもちろん、気づかずに他の誰かに接続されているということもあるため、パスワードは必ず設定しておきましょう。
無料アプリでパスワードを解読
パスワードを設定しているルーターでも、アプリなどで解析して接続されることがあります。
アプリだけではなく、パソコンのフリーソフトでもパスワードは解読できるため、悪意を持った第三者による攻撃を受けてタダ乗りされるリスクがあります。
解読によるタダ乗りを防ぐことは難しいですが、対処ができないわけではありません。そのため、WiFi接続を守るためにも、自身で対処法を考えて実行することが大切です。
WiFi接続のタダ乗りの違法性について
利用者の通信の快適性を損なうタダ乗りは防止策を講じる必要がありますが、そもそもタダ乗り自体に違法性があるのか解説します。
気づかずに他人のルーターに接続してしまうという可能性はゼロではないため、どの程度の違法性があるのか知っておくことが大切です。
パスワードなしでのタダ乗りは罪に問えない
結論からいえば、パスワードが設定されていないルーターにタダ乗りしても、基本的には罪には問えません。罪として問われるは利用者のWiFi接続を妨げたり、何らかの損害を与えた場合に限られます。
ネット接続に関する法律として「不正アクセス禁止法」があげられますが、これは何らかの損害を伴う場合に適用されると考えましょう。
また、業務妨害罪などが適用されることもありますが、これも損害や妨害を伴うものと考えなければなりません。
単にタダ乗りをしているだけでは罪にはならないため、悪意のある行動をされた場合のみ、違法性に問われます。
データを盗むと違法
WiFi接続のタダ乗りだけでは違法になりませんが、タダ乗りをした上でデータを盗んだ場合は電波法違反となって処罰されます。パスワードを解読され、データが盗まれた場合には罪に問えます。
ただし、データは実体のないものであり、盗むといってもコピーされて他の端末に移されることがほとんどです。
そのため、実際に損害が出ない限り、被害を受けているのかどうかがわかりづらい点には注意しましょう。
気づいたときにはクレジットカードの情報を抜かれるなどして、大損害が出てしまうこともあるため、タダ乗りは事前に抑止することが大切です。
タダ乗りの継続を強要されるなら裁判で勝てる
タダ乗りをされてもデータを盗まれるといった実際的な損害がない限り、現状では罪には問えません。しかし、タダ乗りを継続させるよう強要された場合は、別の法律が適用されるため違法となります。
例えばタダ乗りを続けさせるよう脅された場合は、強要罪が適用されることが多く、それに伴う暴言によって侮辱罪や名誉棄損罪が適用できることもあります。
相手側の罪として成立している以上、裁判でも十分勝ち目はあるため、あまりにも被害が大きい場合は法的な措置による解決を目指しましょう。
法律の整備はこれからに期待
WiFi接続のタダ乗りは問題として認知されたばかりであり、まだまだ法律が追い付いていません。そのため、道徳的に考えて問題という場合でも、実際に適用できる法律がなく、罪に問えないということも多いです。
ただし、問題として認知され始めてはいるため、今後法整備によってタダ乗り自体を禁止する法律が出てくる可能性もあります。
法整備ができ次第、利用者はより守られた環境でWiFiを利用できますが、現状では自己防衛が必須であることは覚えておきましょう。
タダ乗りされないための5つの対策
現状では罪に問うことが難しいため、タダ乗りをされないためには自分で対策をすることが大切です。
- 確認するソフトを入れておく
- 最新のセキュリティを使う
- 推測されにくいパスワードを設定
- SSIDを表示させない
- 登録者以外はアクセスできなくする
タダ乗りの対策は複数あるため、できるだけ多く実践して、少しでもセキュリティ性能を高めるようにしましょう。
確認するソフトを入れておく
現在タダ乗りの被害に遭っていないかを確かめるには、確認するためのソフトやアプリを入れておくことが大切です。「Fing」というアプリなら接続している機器を手動で確認できるため、目視によって被害の有無をチェックできます。
タダ乗りをされているかどうかを確認できると、後で対処できるため、まずは被害が出ているかをチェックすることが大切です。

最新のセキュリティを使う
セキュリティ性能を高めることも重要であり、最新のセキュリティを使用することで、タダ乗りの被害を防ぎやすくなります。もっともセキュリティ性能が高いのは、「WPA-PSK」というものです。
WPA-PSKは最新の暗号化技術を使用しており、他の機器からの不正アクセスを防ぎやすいです。
古いセキュリティソフトを使用していると、どうしてもタダ乗りの被害に遭いやすいため、セキュリティソフトはこまめに更新して、常に最新の状態にしておきましょう。
推測されにくいパスワードを設定
タダ乗りを防ぐにはパスワードを設定することが重要ですが、これを推測されづらいものにすることも重要です。
例えば名前だけや名前と誕生日程度のパスワードだと、予測されやすく解析ソフトなどがなくても突破される可能性があります。
また、ショッピングサイトやその他の会員サイトなどと同じパスワードにしていると、どこかからそれらの情報がバレてしまい、タダ乗りされることも少なくありません。
そのため、パスワードは他のサイトとは違うものにし、できるだけ複雑なものを選ぶことが大切です。
安全性を考慮するなら、初期設定のランダムな英数時のまま使用するか、自分で設定する場合でも英数字を織り交ぜた複雑なものを使用したほうがよいでしょう。
できるだけ長く、複雑なパスワードを使用することで、パスワードが解析されにくくなり、タダ乗りの抑止ができます。
SSIDを表示させない
WiFiに接続するためのSSIDを表示させないことでも、タダ乗りは防げます。ルータ―の設定画面を開き、「ステルス機能」をオンにすることでSSIDを非表示にできます。
SSIDを知っているなら自分ではアクセスできるため、知らない相手からのアクセスを防ぐことが可能です。
SSIDを知られていなければ、そもそもパスワードの解析すらできないため、事前策としてSSIDを非表示にすることがおすすめです。
登録者以外はアクセスできなくする
ルーターの設定によっては、登録者以外がアクセスできないようにすることも可能です。アクセス制限は、次の手順で行います。
- WiFiルーターの管理画面を開く
- 「無線LAN設定」を選択
- 「無線LAN」設定から「MACアクセス制限」を選択
- 「登録リストの編集」を選択
- 検出された無線デバイス一覧からMACアドレスを選択
- 「無線パソコンの接続」を「制限する」にチェックを入れる
ルーターごとに管理画面の開き方は違うため、説明書を読んで設定方法を確認しましょう。アクセス制限をすることで、許可した登録者のみSSIDを使用できるため、より安全に利用できます。
ステルス機能とあわせて使うことで、不正アクセスを防ぎやすくなるでしょう。
WiFiのタダ乗りを防ぐための対策をしておこう
法整備がまだまだ進んでいないため、WiFi接続のタダ乗りを罪に問うことは難しいです。そのため、タダ乗りは自己防衛しなければならず、自分で対策をし、セキュリティの意識を強く持つことが大切です。
複数の策を講じることで、WiFi接続のタダ乗りは防げます。より強固なセキュリティ体制を作り、自身で安全なネットワーク環境を築きましょう。