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DTI SIMの音声プランがDMM mobileを超え「業界最安値」か

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SIM

DMM mobileの「業界最安値宣言」宣言に黄色信号です。2015年10月29日にDTI SIMが新たに音声プランをスタートさせましたが、2週間以上経過した2015年11月17日現在、DMM mobileはこれを下回る料金を打ち出していません。今回はMVNO間のサービス競争について考えてみたいと思います。

DMM mobileの「業界最安値宣言」宣言に黄色信号です。2015年10月29日にDTI SIMが新たに音声プランをスタートさせましたが、2週間以上経過した2015年11月17日現在、DMM mobileはこれを下回る料金を打ち出していません。

DTI SIM

今回はDMM mobileとDTI SIMの音声プランの「業界最安値」合戦を検証すると共に、MVNO間のサービス競争について考えてみたいと思います。

全ては「DTI SIM」の提供開始から始まった

DTI SIM は2015年9月17日から、株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)が新たに始めたMVNOの格安SIMブランドです。

DTIはそれまで「ServersMan SIM LTE 」という月額467円というワンコインでおつりがくる格安SIMブランドを持っていましたが、新たにDTI SIMを立ち上げ、ServersMan SIMは2015年10月1日付でトーンモバイル株式会社へサービスが移管されました。

トーンモバイルはDTIと同じくフリービットグループの企業なので、同一グループ内でブランドが別会社に移行した、ということになります。いずれにしてもDTIはServersMan SIMを手放し、DTI SIMというブランドを新たに立ち上げてMVNO市場に参入し直したわけです。

たった1週間でDMM mobileに追い抜かれたDTI SIMのデータSIMプラン

9月17日にまずはデータSIMからサービスを開始したDTI SIMですが、DMM mobileを下回る業界最安値の料金を打ち出して殴り込みを掛けてきました。

2015年11月17日現在も変わっていないDTI SIMの音声プランのデータプランの料金は以下の通りです。

プラン名
月額料金
最大受信速度
高速通信容量
SIM枚数
SMS機能
データプラン1GB600円225Mbps1GB/月1枚無し
データプラン5GB1,220円225Mbps5GB/月1枚無し
データプラン10GB2,200円225Mbps10GB/月1枚無し
データSMSプラン1GB750円225Mbps1GB/月1枚有り
データSMSプラン5GB1,370円225Mbps5GB/月1枚有り
データSMSプラン10GB2,350円225Mbps10GB/月1枚有り


月々の高速データ通信容量はそれぞれ1GB、5GB、10GB、データ通信専用SIMにSMS機能を付加するとプラス150円、という料金設定です。

この料金プランは当時DMM mobileを下回りました。DMM mobileの1GBは630円、5GBは1,270円、10GBは2,250円でしたので、DTI SIMの方が1GBでは30円、5GBと10GBでは50円それぞれ安かったわけです。

これに黙っていなかったのが「業界最多プラン数・全プラン業界最安値」を謳っているDMM mobile(DMMモバイル) です。1週間後の9月25日には1GB、5GB、10GBのデータ通信専用SIMの料金プランの値下げを発表。これはDTI SIMを狙い撃ちしたものに他なりません。料金はそれぞれ590円、1210円、2190円となり、今度は逆にDTI SIMを10円ずつ下回る料金にしました。

DMM mobileは過去にも同じようなことがあり、他社がより安い料金プランを出すとその数日後にはさらにそれを下回る料金プランを出す、ということをやってきました。「業界最安値」のプライドということなのでしょうが、まさにMVNO市場における「仁義なき戦い」の様相を呈しています。

DTI SIMは音声プランではDMM mobileが追い付けない?

DTI SIMは9月17日のデータSIM提供開始時に「要望の高い音声プランは年内にサービス開始予定」と発表していましたが、10月29日にいよいよ音声通話対応SIMを出してきました。

料金プランは以下の通りです。

プラン名
月額料金
最大受信速度
高速通信容量
SIM枚数
SMS機能
音声プラン1GB1,200円225Mbps1GB/月1枚有り
音声プラン5GB1,920円225Mbps5GB/月1枚有り
音声プラン10GB2,900円225Mbps10GB/月1枚有り


これらの料金は全てDMM mobileを下回っています。DMM mobileの料金プランをみるとそれぞれ1260円、1970円。2950円となっていますので、1GBでは60円、5GBと10GBでは50円DTI SIMの方が安い、ということになります。5GBと10GBは業界最安値ですが、1GBは業界最安値ではありません。というのも多段階定額制を採っているFREETEL(フリーテル)では、音声通話対応SIMで1GBまでのデータ通信の場合は1199円とたった1円ですがDTI SIMを下回るからです。

「さて、DMM mobileはどう出てくるか・・・」とユーザーはDMM mobileの出方を楽しみに待っていたところですが、1週間経っても、2週間経っても何の音沙汰もありません。

つまりDMM mobileの「業界最安値宣言」は2015年11月17日の時点では「看板に偽りあり」という状態になってしまっています。

過去にも一時的に他社に追い抜かれて2番手に甘んじたことはありましたが、必ず即座に抜き返す、というのがDMM mobileのやり方でした。今回のように長期間(と言っても約3週間弱ですが)何らの発表もない、というのは異例のことです。

これから月末に向けてDMM mobileがどう出てくるのか、注目です。

公式サイト
 
DTI SIM

 

DTI SIMのように「1円でも安い方」ことが正義なのか

MVNO間の競争は2015年に入ってから本当に激しさを増しています。DTI SIMのように新規参入(正確には「参入し直し」ですが)の業者は既存の業者より少しでも安い値段でサービスを提供しようとしますし、DMM mobileのようにひたすら「業界最安値」を追求する業者もいます。一方で料金は据え置きで高速データ通信容量を拡大して「実質的な値下げ」をアピールする業者も少なくありません。

これらは果たして「本当にユーザーが望むサービス改善」になっているのでしょうか。

DTI SIMなどのMVNOの料金水準は既に「十分安い」

例えば今回取り上げたDTI SIMの「音声プラン5GB」は、音声通話が出来る上に月に5GBの高速データ通信容量がついて月1,920円です。

一方ドコモで月に5GBの高速データ通信容量をつけようとすると、最低でも月2,700円(定期契約あり)の「カケホーダイプラン」に月5,000円の「データMパック」をつける必要があります。これだけでも月7,700円で、ここにさらに様々なオプション料金が上乗せされます。

大ざっぱに計算しても月にして約6,000円もDTI SIMの方が安いということになります。

ただ、ドコモは24時間どこへ何分電話しても電話料金が発生しない(通話し放題)ですが、DTI SIMの場合は30秒10円の通話料金が発生します。

ドコモとDTIの差額が月約6,000円と仮定すると月に概ね5時間以上の通話でDTI SIMの料金がドコモを追い越すことになりますが、そこまで通話はしない、ということであればDTI SIMの方が確実に安いわけです。

そもそもMVNOにはキャリア並みの「通話し放題」プランは存在しないため、頻繁に通話をする人はMVNOへの乗り換えはしないでしょう。

「ほとんど通話をしないのに毎月2,700円も通話定額に料金を取られるのはバカバカしい」「2GBで3,500円、5GBで5,000円、8GBで6,700円というパケットパックは高すぎる(ドコモの場合)」という人がMVNOに乗り換えるものと思われます。こういう人たちにとってMVNOの料金は、もう既に「十分安い」と言える水準にあるといえます。

ユーザーの立場からすると、もちろん1円でも安いに越したことはありません。しかし対キャリア比で今でも十分に安い料金をここから更に安くする努力をするよりも、サービス内容を充実させるなど、もっと別のことにエネルギーを注いで欲しい、という声も多いのではないでしょうか。

例えばそれこそ「通話し放題」プランの提供です。

一部のMVNOでは「通話し放題」を銘打ったサービスを用意していますが、「○分の通話を×回」のような制限が課せられていたり、IP電話だったりして中々キャリアと同等の通話し放題プランは出て来ません。MVNOはキャリアから回線を借りて運営している以上、キャリアの協力なしには何事も進めるのは難しいのが現実ですが、そろそろ本当の意味での「通話し放題」の登場が待たれるところです。

あるいは回線品質の更なる向上もMVNOの課題と言えると思います。

多くのMVNOが高速データ通信時の速度を最大225Mbps、150Mbpsなどとしていますが、これはあくまでもベストエフォートであって実際に使ってみると速度はこれ以下になります。

そのこと自体はもちろん構わないのですが、中には常時数Mbps程度の速度しか出ないものや回線が頻繁に切断されてしまうものも存在します。料金が安くても実用上問題のある回線品質だと意味がありません。

もっとハードルの低そうなものでは例えばSMS機能の無料付加なども考えられるでしょう。

既にデータSIMは全てSMS機能を付加して提供しているMVNOもありますが、まだ150円前後の有料オプションとして設定しているところも少なくありません。セルスタンバイ問題の回避やLINE等のアプリのSMS認証の問題を考えるとSMS機能はぜひ欲しいところなので、これが無料付加されるとありがたいと思います。

MVNO事業既存のサービスとの組み合わせによるシナジー効果

MVNO事業を展開する企業が、既に有しているサービスと組み合わせることによってユーザー満足度を高めていく、という方法もあると思います。

その典型例は楽天モバイル です。

 楽天モバイル料金プラン
出典:Fusion Communications Corp.

楽天モバイルは様々な場面で楽天ポイントを受け取ることが出来ます。楽天ポイントは「楽天市場」等のサービスで1ポイント1円換算で利用することが出来ますので大変お得です。月々の料金の支払いで楽天ポイントがついてくるのはもちろんのこと、キャンペーン期間中にSIMの購入とセットで楽天モバイルと契約すると場合によっては10,000ポイント以上も受け取ることが出来たりします。

あるいは冒頭で少し触れたトーンモバイル株式会社が運営する「TONE」も非常に面白い試みを行っています。

 TONE
出典:Tone mobile Inc.

TONEはTSUTAYAやTポイントを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と業務・資本提携しています。そのため楽天モバイル同様に端末の購入や月々の料金の支払いに対してTポイントがつきます。Tポイントは全国のTポイント提携店やインターネットの提携先で1ポイント1円換算で利用することが出来ます。

また、TONEはスマホ本体も販売していますが、TONEを扱う全国のTSUTAYAの店頭では無料サポートが受けられたり、 TSUTAYAの音楽配信サイト「TSUTAYA MUSICO」で音楽が簡単に購入出来るようになっていたりします。

話しをDMM mobileに戻しますと、DMM mobileの場合はDNN.comがオンラインゲームや電子書籍、動画にFX、公営ギャンブルなど実にバラエティに富んだサービスを提供しているので、これらをDMM mobileのユーザーが無料、もしくは格安で全部とは言わないまでも一部だけでも利用出来るようになると革命的なサービス展開が出来るような気がします。

 DMM.com
出典:DMM

「料金を安くする」「高速データ通信容量を拡大する」というサービス改善だけでなく、サービス周辺の環境を整えたり、提供するコンテンツを充実させるという改善アプローチもあると思います。

公式サイト
 
DTI SIM

 

DTI SIMによる 『DMM mobileが「業界最安値」ではなくなった!?』のまとめ

今回はDMM mobileとDTI SIMの「業界最安値」を巡る争いと、MVNO間のサービス競争を考えてみました。

ユーザーがMVNOに求めるのは「高品質かつ低価格なサービス」だと思います。そこに「充実したサービス」が加われば言うことはありません。品質と価格のどちらを優先するかは人それぞれだと思いますが、昨今のMVNO間の競争を見ていると「値下げ」と「高速データ通信容量の拡大」の2つに偏り過ぎている感があります。

MVNOの利用者数はじわじわと増えつつありますが、このままのペースで利用者が増えると回線の品質が低下するのではないか、という危惧は当然出てきます。「安いけど使えない」という事態に陥らないよう、回線の品質維持にも頑張っていただきたい、という思いで一杯です。

その上で料金が安いのはもちろん大歓迎。ということでDTI SIMに一時的、部分的に追い抜かれたDMM mobileがこの後どう出るかは注目したいところです。

公式サイト
 
DTI SIM